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やがて緩やかに無くなる〜コンドーム自販機の現状〜

コンドーム自販機は減っている。10代、20代の人々は、その存在を知らない人も多い。恐らくそう遠くない未来に、私はコンドーム自販機は無くなると思っている。その理由を現状から考察していく。

1.コンビニの存在

1993年の朝日新聞の記事の中で「現在全国で約三万台の自販機がある。」とあるのだが、30年近く経った今、コンドーム自販機の台数はどんなに多くても1万台程度ではないかと私は想像する。そして、コンドーム自販機が減った要因には、コンビニの存在をよく聞いた。果たして本当にコンビニのせいで、コンドーム自販機は減ったのだろうか。

コンドーム自販機は飲料の自販機と違い、突然道端に設置されるパターンは非常に稀だ。何らかの店舗の店先に設置されるのが主で、設置店舗は大きく分けて2パターン。1つは薬局に設置されているパターン。もう一つは酒屋やタバコ屋などに設置されているパターンだ。
しかし今酒屋は、とても少なくなった。個人商店の酒屋がコンビニに変化していったを街の風景の変化として覚えている人もきっといるだろう。また、街に大手スーパーが出店した際には、酒屋だけではなく、魚屋、八百屋、果物屋、あらゆる個人商店が無くなった。この時、酒屋が無くなったのと共にコンドーム自販機も無かったのだろう。(なぜ酒屋やタバコ屋にコンドーム自販機があったのかは、また別のnoteで触れる)。

コンドーム自販機が無くなっているのは、コンビニのせいというのは、私は的確なような、的確じゃないような気がする。
コンドーム自販機だけが消えたのではなくて、チェーン店や百貨店、スーパーなどの大手流通企業の発展により、個人が営む商店が消えた結果、コンドーム自販機も無くなっていったと私は捉えている。

2.薬局の前で

今コンドーム自販機が多く見られるのは薬局の店先だが、ここからコンドーム自販機がなくなるのも時間の問題。コンドーム自販機が残っている薬局も個人商店だからだ。今は個人商店の薬局よりも、チェーン店のドラッグストアが圧倒的に多い。それらチェーン店のドラッグストアには、基本的にコンドーム自販機は設置されない。また個人商店の薬局は調剤薬局に変化するのもここ最近増えている。調剤薬局にもチェーン店があるが、調剤薬局にもコンドーム自販機は設置されない方が多い。

店が無くなれば、その店先にあった自販機も無くなる。それだけのことなのだ。

3.自販機本体について

今残るコンドーム自販機を見ると「Daito」のロゴがある場合が多い。側面には自販機の品番が刻まれたプレートがある。そこには「大都製作所」とあるのだが、現在大都製作所では、コンドーム自販機は作っていない。

他にもコンドーム自販機を作っていた企業はいくつかあったのだが、どこも現在は制作していない。もう日本国内でコンドーム自販機は作られていないのだ。
更に、コンドームを製造販売しているメーカーの内、現在も自販機に携わっているのは「サガミオリジナル」の相模ゴム工業株式会社のみ。
設置場所も、自販機自体も今あるものを細々と継続して行く。これがコンドーム自販機の現状であり、私には先細りする未来しか見えないのである。

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