見出し画像

衣類の黒カビとの闘い

MBAデザイナーnakayanさんのアメブロ:2012年9月15日付


1.事実確認

先日、いつものように洗濯物を干そうと衣類に手をかけ、ふと手元の衣類に視線を向けると黒い点々模様が付いているではありませんか!?これは何事かと思い返してみたものの、何か塗料が飛散るような作業をした覚えもありません。その場で、少し考えてみますと「黒カビが発生しているのだ!」と気が付きました。その後、黒カビとの苦戦の末、結果的には黒カビを除去することが出来ました!!同じようなお悩みを抱えるどなたかの参考になるかもしれませんので、本日は解決に至るまでの苦戦の経緯を書かせて頂こうと思います。

私はA型ということもあり、日常生活の中での「清潔感」というキーワードはプライオリティが高く重視していましたので、黒カビを発生させてしまったという事実に、自らの生活に甘さがあったのではないかと、当初はショックを受けていました。それまでは、同様の衣類の管理方法で、黒カビなど発生したことは一度もありませんでした。

私にとっての洋服とは、自らのステータスなどを誇るためのモノではなく、同じ時間と空間を共有する相手に不快感を与えないためのツールになっていますので、仮に、周囲の人間が最初は気付かずとも、「ん??これは何だ?」と凝視した時に「黒カビがついている!!」となってしまってはいけません。心理学的に人は、大きなファーカスから小さなファーカスに移った際の気付きというものは、必要以上に目に付き大きく認識してしまうということがありますので、何とか改善に繋がる処置をしたいという思いに駆られていました。


2.状況解釈

2-1. 要因

今回黒カビ発生に至った要因は、洗濯槽に黒カビが発生してしまっていたことに加え、汗をかいた衣類の管理が甘かったという2点にあったようです。

2-2. 黒カビ発生の衣類の詳細

黒カビが発生してしまった衣類についての詳細も記載しておきます。

・ユニクロのシルキードライハリヌキTシャツ(白)…5枚
・ユニクロのノーアイロンファインクロスシャツ(白)…5枚

黒カビが発生してしまった衣類は上記の10着になります。

黒カビの発生に気付いたのは、シルキードライについいた黒い点々によるものからでした。もしかしたら、他の衣類にも付いているのではないかと目を凝らしチェックしてみると、ファインクロスシャツの方にも発生してしまっていたことに気付きました。ファインクロスシャツの方は、乾いていると目に止まりづらく発生から既に一ヶ月程度は経ってしまっていたようです。

しかしながら、今回は、衣類のカラーが全てホワイトであったことが不幸中の幸いだったようです。


3.バトル開始!!

3-1. 1st Battle!!
「ワイドハイター粉末タイプ(衣類用の漂白剤)」 vs 「黒カビ」

『♪浸け置き、浸け置き。漂白、漂白♫』

当初私は、黒カビというものを甘く考えていました。衣類用の簡易漂白剤を使えば直ぐに落ちると推測し、先ずはワイドハイター粉末タイプをお湯に溶かし浸け置きすることにしました。しかし、・・・
全ての衣類で効果なし。

"I lost"………Oh, my god!


そこで、

3-2. 2nd Battle!!
「キッチンハイター(キッチン用の漂白剤)」 vs 「黒カビ」

『♪浸け置き、浸け置き。漂白、漂白♫ ♪浸け置き、浸け置き。漂白、漂白♫』

キッチンハイターは衣類用の漂白剤よりは、若干強めの漂白効果がありますので一部の衣類に効果が出ました。

"It's draw"………Oh,.....

黒カビの発生からの日数が短かったシルキードライには効果があったようです。しかし、黒カビ発生から約1ヶ月の時間が経ってしまったファインクロスには全く効果がありませんでした。


そこで、

3-3. 敵情分析

先ずは相手を知らざれば戦えずということに立ち返り、相手である黒カビを知る事に注力しました。

(通称)黒カビ:コウジカビの一種、Aspergillus niger。クロコウジカビとも言われる。ただし、黒い胞子を作るコウジカビはこの種だけではない。実際にはそれらを区別せずこう呼んでいる。・・・(ウィキペディアより)

更には、Yahoo!知恵袋にはこんな記載もありました。

先ずカビについてお話させて頂きます。
カビは、真菌といわれる微生物ですが、極めて小さな植物だと思った方がわかりやすいのではないでしょうか。
植物と同じように根や茎(菌糸)があり、その先に種(胞子)を実らせます。
衣服についたカビは、繊維の中に根をどんどん食い込ませ、「繊維や色素成分を分解して養分にしてしまいます。」
このことから、カビがついた衣服は、

①生地が色物の場合はその時点で生地の色が失われている可能性がある。
②カビを除去しても根っこが残る。

これを先ずは理解して下さい。

次に処理方法ですが、我々の世界ではカビを大きく分けると2つになります。
それは色素系か白カビかです。
白カビの場合、根っこが残ったとしても根っこは人間の肉眼では見えません。
よって「見た目の上」では簡単に除去可能です。

黒物についた白カビ・ウール等の動物繊維についた白カビは洗うだけで胞子及び菌糸を除去できますので、水洗いOKならば普通に洗濯。ドライ指定ならばクリーニングしてOKです。
但し、クリーニング屋さんによっては別料金が掛かる可能性があります。

と、いったところです。
但し、先程もご説明したとおり色物は養分として分解されている可能性はありますのでご承知ください。


色素系カビは黒・赤・緑・オレンジ等がありますが、
赤・緑・オレンジ等のカビは主に砂糖やごはんといった炭水化物系を好みますので、よっぽどの事で無い限り服には発生しません。
問題なのは黒カビです。

黒カビの根っこは色が付いていますので非常に目立ちます。
洗って胞子・菌糸を除去しても根っこが残ってしまい、「見た目上」何も変わりません。
黒カビの色素は強力で例え塩素系漂白が可能な白の綿素材でも白くなりません。
おそらくはどのクリーニング店に出しても断られると思いますので諦めるのが無難です。
以上です。参考にして頂けたら幸いです。


裏話①
本当は黒カビは落とせます。
繊維に絡み付いていますので根っこを除去するのは不可能ですが、この根っこを漂白する手段は実はあります。
過マンガン酸カリウムを水に溶かし、その上澄み液をカビの箇所に塗ります。
この場所に40℃の熱を加え、過マンガン酸液の色が紫から茶色に変わったら還元漂白(主にハイドロサルファイト処理)を行えばカビの色は除去できます。
生地の色も抜いてしまいますが、酸性染料(植物繊維等はアクリル染料)で繊維一本一本を筆で色補正して合わせれば元に戻りますので問題ありません。
この処理は職人技ですので服によっては10万円を軽く超えます。
故に1000円で買った服を10万円で提案することが出来ない訳で・・・例え処理方法を知っている職人でも断る理由は正しくこれなのです。
背景が複雑な理由お分かり頂けましたでしょうか。

裏話②
カビを防ぐにはどうしたら良いのかという話ですが
カビは、80%以上の湿度と栄養があるところであれば、どこにでも発生します。
皮革製品をはじめ、ウールやシルク等の動物繊維は「繊維自体がタンパク質で構成されていますので」、湿気さえあればあっというまにカビが生えてしまいます。
動物繊維以外でも、シミや汚れがあれば栄養の条件を満たしてしまいます。
あと結構知られていないケースがありますが、クリーニングから返ってきたお洋服をそのままにしておくのはいけません。
ビニール袋は大切なお召し物をお客様がお持ち帰りになるまで汚れないようにするのが目的です。
ビニール袋のまま収納してしまいますと、衣服に含まれていた湿気が発散されず、閉じ込められた状態になります。
もうお分かりですね。このままにしておくとカビだけでなく虫の住み易い環境が整ってしまいます。気をつけましょう。
クリーニングしたお品は、包装袋から出し、風通しのよい所に30分ほど掛けてから収納すると、湿気も十分抜けて、より良いより良い状態で来シーズンを迎えることが出来ますよ。

皆様のご参考になりましたでしょうか。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1013712180 より)

知れば知るほど相手は、かなり手強そうです・・・。しかし、更に別キーワードで検索するとこんな記載もみつかりました。

ちなみに口コミ情報では、「服に付いた黒カビを、カビキラーで落とした」という裏技も聞かれました。カビキラーは服地を傷める可能性も高いのですが、見事に黒カビが落ちたケースがあるのだそうです。また、「オキシクリーンで黒カビが落ちた」という話もあります。
http://shinpai.nayamino-tane.com/dress-mold/entry03.html より)

その他にも、実際にお風呂用カビスプレーで黒カビが落ちたという記載も見つけ、私もダメモトでチャレンジしてみることにしました。



3-4. 3rd Battle!!
「カビキラー(風呂用のカビ取り剤)」 vs 「黒カビ」

『♪ポイント、ポイント。漂白、漂白♫ ♪ポイント、ポイント。漂白、漂白♫ ♪ポイント、ポイント。漂白、漂白♫』

小鉢にサランラップをし、その中にカビキラーを注ぎ、更には使用済みの歯ブラシで、先ずはパッチテストです。・・・落ちるっ!!これならばいけると、残りのファインクロスシャツ全てにカビキラーを使ってみました。

その結果・・・、

"I win, I won!!"………God job!! 『Good-bye、黒カビ!!』


4.総括

些細な出来事でしたが、マイナスの問題に直面した際に、自らの行動により問題解決しプラスの状況へ転換できたことが、とても良い経験になりました。小さな成功体験ながら自信を得ることが出来たという感じです。何か黒カビにより自分自身を汚されてしまったような感じすら覚えていましたが、自らを汚す腹黒いヤツらを自らで払いのけたような満足感を得ることが出来ました。

皆さんも同様の状況に直面した際は、お試しあれ!!


中山兮智是(なかやま・ともゆき) / nakayanさん
JDMRI 日本経営デザイン研究所CEO兼MBAデザイナー
1978年東京都生まれ。建築設計事務所にてデザインの基礎を学んだ後、05年からフリーランスデザイナーとして活動。大学には行かず16年大学院にてMBA取得。これまでに100社以上での実務経験を持つ。
お問合せ先 : nakayama@jdmri.jp


ここから先は

0字
※移行掲載時の閲覧は全て無料となりますが、一定期間の掲載を経た後、一部の記事は有料公開となります。

100の企業で働いた男のデザイン思考的ブログ by Ameba ・2005年8月から「木漏れ陽の中から」(当時)として公開を始めたnaka…

頂いたサポートは、書籍化に向けての応援メッセージとして受け取らせていただき、準備資金等に使用させていただきます。