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GIGAスクール構想について

これまでの記事で、iPadの話ばかりしていましたが、現場の話をしようと思います。2021年度からGIGAスクール構想が本格化しました。
現場に徐々に導入される予定だった一人一台端末の実施が、全国の小中学校で昨年から本格的に始まっています。

Society 5.0 時代に生きる子供たちにとって、PC 端末は鉛筆やノートと並ぶマストアイテムで す。今や、仕事でも家庭でも、社会のあらゆる場所で ICT の活用が日常のものとなっています。 社会を生き抜く力を育み、子供たちの可能性を広げる場所である学校が、時代に取り残され、 世界からも遅れたままではいられません。 1人1台端末環境は、もはや令和の時代における学校の「スタンダード」であり、特別なこと ではありません。これまでの我が国の 150 年に及ぶ教育実践の蓄積の上に、最先端の ICT 教 育を取り入れ、これまでの実践と ICT とのベストミックスを図っていくことにより、これからの学校教育は劇的に変わります。

≪文部科学大臣メッセージ≫より引用

大きく現場が変わるときは、1年前の夏ごろから研修があり、時間をかけて準備するのですが、2020年度といえば、現場は感染症対策と、4・5月の臨時休校の分の補修でそれどころれはありませんでした。2月に全教室に大型テレビが入り、3月に教員用タブレットが配布され、4月から児童生徒用のタブレットを配布するから、授業で使ってほしいという感じでした。1年弱使ってみた感想です。

◎待ちに待った大型テレビ


教員になる前なので、もう10年以上前、某都会の教育実習先の学校では各教室に大型テレビが設置されていました。工場で自動車を組み立てる動画をパソコンから大型テレビにつないで流したのを覚えています。教員になったら、映像をつかって授業ができると楽しみにしていたところ、勤務先の大型テレビは学年に1台。予約しないと使えない、特定の教科しか使えないなど様々でしたが、本当に特別な時しか使えませんでした。それが、GIGAスクール構想のおかげで、やっと全教室に導入されました。大型テレビが教室にあるだけで授業方法も、準備の仕方も大きく変わりました。もうA3用紙に印刷した写真を10枚など授業に持っていく必要はありません。私にとっては、大型テレビの設置だけでも大革命です!


△勉強する時間が欲しかった

普段業務に使っているのはWindowsパソコン。プライベートで使うのはiPadやiPhone、android携帯など。配布されたChromebookの仕組みを理解するのに時間がかかりました。使い始めたのは学級経営でいっぱいいっぱいになっている4月。どのような仕組みになっているか分からないまま、見切り発車の状態でとりあえず使わなければならなかったので大変でした。見切り発車の状態だったからこそ、次のことが起こりました。

△子どもたちとの闘いの日々

先生たちが、よく仕組みが分からないままなんとなく使っているのは、賢い中学生にはお見通しでした。
先生が操作に戸惑って、教卓の前でタブレットに向かって四苦八苦しているうちに、子どもたちは、友達にメッセージを送る方法を覚えて、アニメの画像を送ってみたり、WEB上のゲームをしてみたり、Youtubeを見たり。タブレットで「遊んでいないか見張る教員 VS 教員の目を盗んで遊ぶ子どもたち」の状態でした。ある程度のルールを作ってから現場に導入することができれば、このような戦いも最小限ですんだのではないかと思いました。ルールは1から、各学校の担当者中心に作らなければいけませんでした。

〇キーボード付きは意外に良かった


私が子どものころは、それこそ家庭用パソコンやインターネットの流行りはじめなので、休み時間に教室に1台だけあるパソコンを1人3分交代などで使ったのは懐かしい思い出です。
今の子どもたちは、スマホやタブレットに慣れていて家でパソコンを使っていないようなので、仕事をする時に大丈夫かと勝手に心配していました。私の所属する自治体は、キーボード付きのタブレットPCが配られたので、手書きよりキーボード入力がメインになっています。ほぼ毎日使っているので、子どもたちのキーボード入力も速くなりました。ちょっとした短い時間で、ひとりの意見を聞きたいときも、さっと入力してくれるので助かります。文字を書くのが苦手な子どもも、キーボード入力なら喜んでやります。特別支援的な見方でも、キーボード付きのタブレットPCで良かったと思っています。

△使えるソフトが限定されている

個人的に、社会に出てから一番といってよいほど使っているofficeソフトが使えないことに驚きました。WordもExcelもPowerPointも使えません。コストの関係なのか、管理の関係なのか、それこそ時代の最先端だからか分かりませんが、クラウド上でファイルを管理するのは私たち教員も慣れが必要だと感じています。
そして、CD-ROMでダウンロードするタイプのデジタル教科書や教材も使えません。現在、急いでクラウド上のデジタル教科書を作り始めているようです。あとは、個人的には子どもたちが今、一番興味をもっている、動画編集ができるソフトがあれば良かったと思います。

◎連絡をとるにはとても便利

担任をしているクラスや授業に出ているクラス、部活動、教員同士でもGoogleClassroomのグループを作っています。
個人的にこれが一番便利です。
時間割変更があったとき、学級通信を作るまでもないメッセージを文字で伝えたいとき、宿題やテストの範囲を伝えたいとき、部活動の出欠をとるとき、などGoogleClassroomを活用しています。教員同士も、Meetでビデオ通話ができるので、リモートでの研修や打ち合わせで使っています。集まれないことが多い現状、とても便利です。
これからおそらくオンライン授業が入ってくると思いますが、Classroomの活用に慣れてきたので、少しだけMeetでビデオ通話をして、あとはClassroomの掲示板で指示をだし、課題をしてもらうといったようなことができそうな気がします。

◎Form機能はまさに働き方改革!


GoogleForm機能も良く使っています。学校現場で意外と多いのが「〇〇〇アンケート」。学期の終盤が近づくと、子どもたちはアンケートばかり書いているイメージがあります。アンケートをとると、必ず誰かが苦しい思いをして集計していました。それが、Formを使えば、生徒の回答が終わった瞬間に結果が集計されます。見やすくまとめるとしても10分程度で完了します。まさに働き方改革です。
最近授業の導入でもGoogleFormを使ってみています。
「〇〇地方で一番行ってみたい県は?」
「〇〇県のイメージは?」
などアンケートをとった後、すぐに結果を見せると大変盛り上がります。
レディネステストも簡単にとれるので、単元の導入で使うのは本当におすすめです。
あと、学級通信のネタとしてアンケートを作るのもおすすめです。学習にかんするアンケートだったり、思い切って「好きなYoutuberは?」といったアンケートも子どもたちは喜んで答えるような気がします。


これからも模索の日々が続きます・・・

個人的に、現在活用できていると感じているのが、大型テレビ(毎時間、ほぼ100%つかっています)・Google Classroom・Googleformの3つです。まだ活用の仕方を思いついていませんが、Jamboadなども使ってみたいと思っています。

今年度もほとんど研修などがない中で、放課後職員室でいろんな先生方とアイディアを出しながら使っています。時々発想が豊かなクラスの子どもたちからもアイディアをもらっています。私の職場は、若い先生より、ベテランの先生の方がかなり積極的にタブレットPCを使っています(恐らく自分のような世代は、子どもの頃にパソコンや携帯を使って悪いことをした経験があるため余計に怖いのだと思います)。
とはいえ、実際にタブレット端末が配布されている以上、失敗を恐れずにやってみようと思います。せっかくNoteを始めたので、全国で頑張っていらしゃる先生方と楽しく情報交換ができたらいいなと思っています。


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