メールとLINEで緊急連絡システムを作った話【構想編】
ブラストメールとLINEで作る緊急連絡網
今回、職場の福祉施設でブラストメール(メール配信サービス)とLINEを使った緊急連絡システムを作りました。福祉施設や保育園など、比較的小さな単位の団体で使うことを想定しています。間口を広げ、受信者が2つのサービスの中から好きな方を選べるようにしているのが今回のポイントです。
きっかけはやはりコロナウイルスでした。もともと施設では無料の一斉連絡メールサービスを利用し、メールの到達が多少遅れたり届かないユーザーがいてもOKな、ゆる~い連絡体制(本当に緊急の場合は電話連絡)をとっていたのですが、昨今のコロナ情勢により情報のスピードや精度が求められるようになり、仕組みを考え直すことになったのです。
仕様を考える
連絡網の目的は、情報を対象者に対して確実・迅速に伝達することで、かつては学校等では電話番号が記載された連絡網が配られたものでした。しかし、個人情報の取扱いや情報伝達の正確性も問題視され、連絡手段も変わりつつあることから、近年はメールでの一斉連絡が主となっているようです。
こうした状況を踏まえ、私の所属する施設における連絡手段は何が適当なのか、考えてみました。
連絡網の送信相手は主に利用者・利用者家族、関係機関、職員です。年齢層が20代前半~高齢者までと幅広く、広く確実に伝わる伝達手段にまず迷いました。まず、少数ではあるものの一定数「携帯を持っていない」または「メールの使い方がわからない」層の方がいます。主に中年~高齢の方となっています。同じ中年~高齢層の中で携帯を使える方の連絡手段は主にメールかSMSでした。そして比較的若い世代の連絡手段はLINE等のメッセージアプリが主で、この層はメールアドレスは持っていても常には見ていない方も多いようでした。このように世代間で連絡手段に違いがあるというのが福祉施設における特徴だと思います。
以上の分析から、メールとメッセージアプリ(LINE)の2種類からユーザーが選んで連絡を受け取れるようにするのが適当との考えに至りました。あとはこの2種類の連携の方法を考えなければいけません。
APIで連携できるメールサービス探し
昨年LINE公式アカウントを使った勤務サポートツールを作ったのですが、そのとき得たGAS×LINE MessagingAPIのノウハウをそのまま今回も活かせないかと考えました。つまり「GAS×LINE×メールサービス」です。
LINEと同じようにAPIを利用してメール配信ができるようなサービスはないかと思って探してみると、案の定たくさん出てきます。そのうち、いくつかの事業者とのやりとりを経て契約したのが「ブラストメール」というサービスでした。
ブラストメールは契約数9年連続No.1を謳うメール配信サービスの大手?です。「メール配信 API」などと検索すると必ず上位に表示されると思います。他にもいくつかの業者とやりとりしたのですが、最終的にブラストメールと契約したのには、いくつかの理由がありました。
まず1つ目は、APIの仕様がとても使いやすい仕様だったことです。ほとんどの事業者は問い合わせて初めてAPIの仕様を教えてもらえるようになっている中、ブラストメールはHP上にAPIの仕様が公開されていて、問い合わせる前にある程度どのようなコードを書けばよいのか見通しがつき、プログラミング初心者としては大変ありがたかったです。またリクエストに対してJSON形式で返してくれるのも扱いやすく、ポイントが高いところでした。問い合わせてみたらレスポンスはCSV形式、という事業者もありましたが、CSVの取り扱いには自信がない上、手間もかかる印象です。
理由の2つ目は、サポート体制がやたら充実していたことです。7日の無料体験の間に色々コードを書いてみるのですが、詰まってしまってサポートにメールを送ると、「コードを送ってください」という返事がありました。問題点を指摘してもらえるのだと思いきや、訂正されたコードが返ってきました。ここまで丁寧にやってくれたことが、決め手になりました。期待してないことまでやってくれると嬉しくなっちゃいますし、今後のトラブル時も期待できそうです。
そんなわけでLINEとブラストメールを利用した緊急連絡体制の構築が始まりました。次回はこのシステムの全体像をご紹介できればと思います。
書き方の工夫
前回のシリーズを書き終えての反省点として、コードの解説と構想や様々な意図までごちゃまぜで書いてきたせいで、読みづらい部分があったと感じました。今回はその反省を活かして「構想編」「全体像解説編」「コード解説編」と大まかに分けて書いていければと思います。
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