『いま、地方で生きるということ』の感想
『いま、地方で生きるということ』は、西村佳哲さんが、2011年の5月に東北地方、九州地方で地方で生きる方々の体験談をまとめた本です。
まだ震災直後の東北地方で、ボランティアとしてかかわる方や現地に入り、働く方々の話が多く、「動ける」方が多い印象でした。
何か災害などがあったとき、すぐに動ける上に現地の方々の力になる姿は本当に尊敬します。
私は「動けない」方の人間ですから、動くことが良いと言われても性質上難しいところもあるなぁと思って読んでいました。
確かに縄文時代とか狩猟時代には、移動して生活をするということが普通で、遺伝子レベルで移動したい本能があることもなんとなく分かります。
その一方で、農耕が始まると定住して生活することが多くなりました。そうすると、動かない人々も発生します。
動かない側の人間からすると、生活の本拠から遠ざかれば遠ざかるほど、ストレスがたまるのです。
すぐホームシックになるし、この性質には困りったものです。
被災地を支援する川北ありさんがいうことには、
とおっしゃいます。これは動けるようになるための、ものすごいヒントのような気がします。
情報に溢れて交通機関も発達した今だからこそ、動きやすい時代ではあると思います。
そのうえで、生まれてからずっとそこに住んでいる人間がいるからこそ、「動ける」方々にとっても助けとなるのではないかと勝手ながら思いました。
先日読ませていただきました『管理しない会社がうまくいくワケ』に出てきた外向きの考え方をする方も登場したので、ちょっとテンションが上がりました。
読んだ本で得た考え方や知識、技術などが別のところで登場するとテンション上がります。
本書で一番、心に残った言葉が
というものです。
割りの良い仕事ではありませんが、必要不可欠な仕事はたくさんあるという言葉に、私でもやれることはたくさんあるかもしれないと希望を持つことができました。
実際に出来れば私すごいと思うので、おいおい頑張っていきたいと思います。
『いま、地方で生きるということ』に登場する方々は、本当にもう素晴らしい方ばかりで、正反対のところにいる私にとっては、耳が痛いというか、実践するには難しい体験談ばかりでしたが、いろいろな考え方や価値観を学べたのは、とても意義のあることだったと思います。
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