#青ブラ文学部 追いかけないで (ショート)
#青ブラ文学部 I お題 I エピゴーネン
山根あきらさんの企画に参加致します。
(本文 約900字)
追いかけないで
ワラビ(私の女友達)と私も40歳。
まず、腹ごしらえしてと思うけど、喉を通らない。今日はワラビに別れを言わなきゃならない
このまま付き合い続けると、「どうにかなりそう!」
最近、私の真似をしてくる。
同じ美容院
同じマニキュア
似たような洋服
口ぐせや話し方まで似てる気がする。
どこの美容院行ってるの?
どこの店で買ってるの?
2回頷くくせ。
自分は、やるのだか相手がやると不愉快だ。
付き合い長すぎた。
嫌気がさしてくる。
しばらく距離を置きたい。そう話すつもりだ
時間になってもまだ来ない。
1時間後、ワラビはやって来た。
はっきり心情を語った。
「私の全て、やる事なす事、マネしてるよね。しんどいよ、もう嫌だよ!。
少し距離をおこう!」
言いながら涙が溢れてきた。
ワラビは言った。
「マネしてないけど。」
ギョッ!とした。「え?」
「聞いたりはするけど、実際その美容院には、行ってないし、洋服もネット通販だし、マニキュアは私の方が先に買ってストックしてた。」
「今まで、同じ店に行った事ないけど」
「そういうのって、自意識過剰って言うんじゃない?」
慌てて涙を拭いた。
手が震えた。
ワラビが言った。「あなたの本音わかったよ。
ニ度と来ない、会わないよ。
私の方こそ、あなたがなんで、私のマネしてるんだろうと思ってたけど。
自分が正論言ってるなんて思わないでね。」
「私には、あなたが言ってくれたけど、」
「あなたには、私は言おうとも思わなかったから。」
追われていたのか?追いかけていたのか?
マネしてたのはワラビなのか?私なのか?
ただ後ろを振り返り内省はしなかった、前にしか進めないカンガルーの様に。
今日も言い放った。「追いかけないで」と。
どこにも証拠はない。
下手したら名誉毀損は、私?
※追記
カンガルーは前進のみで後退はできません。
常に前進するようにとオーストラリアでは、カンガルーとエミューが国章になってます。
了
フィクションです
《山根あきらさんの公募です》
サブリナ