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大麻がもたらす自我の危機/統合失調症と大麻の心理学的説明



日本と諸外国の大麻の現状


近年、大麻合法化を訴える人々の声が高まっています。諸外国でも合法化が進められ、ドイツでは今4月1日に条件付きでの大麻合法化が認められました。

カナダやアメリカの1部の州でも大麻は合法となっていますが、これによって反社会的勢力へ金が流入することを防ぎ税収を得ることができました。

これらの国では合法化以前から大麻が広く大衆に浸透していたため、やむなくといった部分もあると思います。それに対して、日本では大麻は諸外国ほど浸透していません、よって合法化されることはないでしょう。

日本での大麻愛好家への風当たりは強く、絶対数も少ないため大きな影響力を持っていません。
SNSなどの一部の声が大きいだけで、国政ではそもそも議論の対象となっていないのが今の現状です。

そもそも大麻は良いものなのか?


大麻合法派の意見としては

・違法取引といった犯罪の減少
・経済効果
・依存性がアルコールやタバコよりも低い

といったメリットが挙げられています。
これらの意見は間違っていないと思います、実際私自身もアルコールやタバコよりも身体的な危険性は低いと考えています。

しかし最大の問題点は大麻が人の精神に与える影響にあります。

大麻の使用は自我の危機をもたらします。
これが私が大麻を合法化するべきではないと考える最も大きな理由です。

自我とは

ず、自我について説明する必要があります。
自我というのは私たち自身が健全な生活を送るために必要な心の機能です。

自我を一言で説明するなら「私が私自身であることを位置づける心の働き」と言えます。

自我があることによって、私たちは自分の体を私だと認識することができます。
この私という自我があるからこそ、私と私以外のものを区別し認識することができるのです。

例えば、あなたがリンゴを見つけました。
この時あなたは、リンゴをあなただと思いますか?
...もちろん違いますよね?




この区別を可能にしているのが自我です。

自我によってこれが私であるという線引きがなされるため、その枠外にあるリンゴは私ではないと認識できるわけです。

しかし自我がうまく働かなくなるとどうなるでしょう?
統合失調症という病気では、この自我が上手く働かなくなります。
この病気になった人はこの私というのをうまく線引きすることができません。

それによって自分と物とが一体化した感覚になったり、考えたことが自分が考えたことだと認識できないため、自分の考えが周囲に漏れていると感じます。また、存在の区別がうまく出来なくなることによって考えもまとまらなくなります。

彼らは自我がうまく機能していないのです。
そのため彼らは、自分というのを上手く定義することができません、上記の症状に加え、幻覚や幻聴様々な症状に悩み苦しむことになります。

ここまでで自我というのが私たちにとって重要な役割を果たしていることを理解できたと思います。

しかし、大麻はこの自我を機能不全にします。

大麻による自我の機能不全

大麻を吸うことで現れる作用として

・音楽がよく聞こえる
・色彩感覚が強化される
・時間感覚に歪みが生じる
・疑い深くなる。

などがあります。
これらの全ては、自我の機能不全によって起こります。
区別がうまくできないことによって対象と一体化することができ、音楽や色が「私」という自我のフィルターを通さず感じることになります。

区別がうまくいかないことによって、対象に没入することになります。私たちは情報を処理することで時間の経過を感じるので、情報をうまく処理できないこの没入している状態は時間の流れが遅く感じられます。

例えば、自分の手を何も考えずじっと30秒見つめるのと誰かと話す30秒はどちらが長く感じますか?


もちろん前者のはずです、なぜなら30秒という時間で処理する情報量が前者は手のひらしかないのに対して、後者は会話内容とそれに対して考えたこと、相手の声や見た目といった五感を通じて得る情報など膨大だからです。

前者はまだ30分しか経ってないと感じ、後者はもう30分も経ったと感じることでしょう。

疑い深くなることも、自分の考えをうまく処理できなくなることに起因します。一度浮かんだ考えと距離を取ることができないために真実と感じるわけですね。

このように大麻の作用は、自我の機能不全で説明することができます。

もう気づいた方もいるかもしれませんが、この大麻の作用は統合失調症の症状と多くの共通点が見られます。

幻覚、幻聴、時間感覚の歪み、猜疑心は両者に共通して見られ、また研究により大麻の使用によって統合失調症になるリスクが2倍になることが判明しています。

以上が大麻が自我の機能不全をもたらす根拠であり、私が大麻を使用するべきではないと考える理由になります。

結論

繰り返しになりますが、大麻は自我の機能不全をもたらすため使用するべきではありません。
もちろん、機能不全にも大小があります。毎日大麻を吸ったとしても統合失調病の発症因子がなければ、発症するまでには至らないでしょう。しかし、健全な自我の確立に悪影響を及ぼす可能性が高いと私は考えます。
さらに、同じくドラッグであるLSDでは大麻以上に自我へ大きなダメージを与えることになります。大きなトラウマを抱えることになり、自殺する人や精神をおかしくしてしまう人もいます。
大麻はそこまでの、自我機能不全作用を持っているとは言えませんが、より強い効果を求めて品種改良がおこなわれています。自我への影響を可視化できない以上、大麻ならび薬物は絶対に使用してはなりません。






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