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あにきの「だから僕は音楽を辞めた」を100倍楽しんで聴ける話

たまにめっちゃ好きな曲を推しに歌ってもらえる奇跡ってあるじゃないですか。

私「だから僕は音楽を辞めた」、めっちゃ好きなんですよ。

本家ヨルシカ様のファンでもありまして。

いれりすのヨルシカファンがあにきの「だから僕は音楽を辞めた」を100倍楽しんで聴ける話をします!

本家の歌詞にある物語


https://m.youtube.com/watch?v=KTZ-y85Erus

本家の歌詞、実はめちゃくちゃ壮大なんです。


この曲はヨルシカ様のアルバム、「だから僕は音楽を辞めた」の最後の曲。

このアルバムはもうひとつのアルバム、「エルマ」を知ることでようやく完結するのです。
難しいですね^^


「だから僕は音楽を辞めた」のアルバムではエイミーという青年が主人公になります。
(一応日本人で、ちょっとだけスウェーデンの血が流れてたかと)

彼は音楽家でした。

そんな彼が出会ったのは1人の女性、エルマ。


他楽曲、「雨とカプチーノ」で2人の出会いが描かれています。

エルマが立ち寄ったカフェに、ひたすら歌詞を書くエイミーがいて。

エイミーは歌詞を書いてはその紙を丸め、また歌詞を書く。そんなことを繰り返していたようです。

その丸まった紙をエルマが広い、2人の物語が始まりました。


それからエルマはエイミーにピアノを教えてもらい、音楽の道に進みました。

2人は楽しく音楽をしていました。
しかし、

エイミーは持病で、余命がありました。

その時のエイミーの心境は、アルバム限定曲、「八月、某、月明かり」に記されています。

自暴自棄になったエイミーはなんと、

エルマを置いて、スウェーデンに旅立ってしまいます。


エイミーは芸術家で、思想がありました。

終わりのない物語はつまらない。

だから彼は最後を自分で決めたかったのです。

彼はインクと万年筆、最低限のものを抱えて旅立ち、スウェーデンの至るところで歌を書きました。

彼が決めた最後。
それは

このインクがなくなった時。

このインクが無くなった時に死のう。
そう決意していたのでした。


ここである疑問が浮かぶかと思います。

なぜエイミーはエルマを連れていかなかったのか

これはおそらく、彼の中に嫉妬という感情があったからでしょう。

「だから僕は音楽を辞めた」でも、妬みの感情がありました

どう割り切ったらいいんだ
満たされない頭の奥の化け物みたいな劣等感

だから僕は音楽を辞めた

エルマはどんどんとピアノを上達させ、歌詞もとても上手く書く。
そんな彼女に複雑な思いを抱いていたのです。


エイミーが突然自分の前からいなくなって、
数年経ったエルマの元に1つの木箱が届きました。

その中にはこれまでエイミーが書き綴ってきた詩と写真が。


これを見たエルマはエイミーの旅した道を歩くことにしました。

エイミーの後を追って旅立ったエルマが現地で書いた詩。それを集めたものが次のアルバム、「エルマ」なのです。


ここでエルマの感情がわかる曲を紹介します。「エルマ」の収録曲、「心に穴が空いた」です。



君の人生になりたい
僕の、人生を書きたい
君が残した詩のせいだ
全部音楽のせいだ
君の口調を真似した
君の生き方を模した
何も残らないほどに
僕を消し飛ばすほどに
残ってる

心に穴が空いた

エルマはエイミーを模していました。
それほどエイミーを尊敬していたのです。

「エルマ」というアルバムはまさにエイミーの曲を模して作っています。

「だから僕は音楽を辞めた」
1   藍二乗
2   八月、某、月明かり
3   詩書きとコーヒー
4   踊ろうぜ
5   6月は雨上がりの街を書く
6   5月は花緑青の窓辺から
7   夜紛い
8    パレード
9    エルマ
10  だから僕は音楽を辞めた

「エルマ」
1    憂一乗
2   夕凪、某、花惑い
3   雨とカプチーノ
4   神様のダンス
5   雨晴るる
6   歩く
7   心に穴が空いた
8   声
9   エイミー
10 ノーチラス

inst曲を除いた、2つのアルバム収録曲一覧です。

曲名がよく似ていますよね。

例えば「藍二乗」「憂一乗」、「詩書きとコーヒー」「雨とカプチーノ」など。

似ていない曲も、歌詞でのリンクがあったり、間奏のイントロが全く同じ音だったりします。

これがエルマの模してきた曲なのです。


さて。エルマは旅をして、最後はどうなったのか。
それは「ノーチラス」に書かれています。

MVを見ればわかる通り、

海に身を投げて自殺しました。

彼がMVで口にしたのは花緑青(はなろくしょう)という液体。

これは毒性のインクなのです。

ノーチラスのMVで、エルマが真っ先に自分の書き綴ってきた手紙を投げ捨ててエイミーのギターに抱きついたのは、

「音楽よりも、エイミーが好き」

という思いがあったからでしょう。

エルマはエイミーが好きだから、尊敬しているから音楽を純粋に楽しめた。
エイミーは1番に音楽を愛していて、エルマが嫉妬の対象になってしまったから、楽しめなくなった。

ささいな行動にその違いが現れています。


……て話をさぞ自分が考察したから、みたいに語ってますが、参考のものを要約しただけになります😇

ぜひ詳しく知りたい方はこちらを見てください!


あにきと音楽


ずっとヨルシカ語ってるわけにもいかないので、あにきとの結びつきについて考えます。

あにきは配信で、「音楽を辞めた方がいいのか?と迷っていた過去と決別したくて歌った」と言っていました。

「それでも音楽がしたい」という強い意志が「逆境ストーリー」だとすれば、
「音楽を続けるべきなのか、?」という弱音が「だから僕は音楽を辞めた」なのでしょう。

エイミーのように「音楽を辞める=死ぬ」わけではないにしても、重なる部分はあるでしょう。

エイミーが音楽に苦しみしか見いだせなくなったこと、儲からないこと。終わりがない物語はつまらないという思想。

これらがエイミーに「音楽を辞める」という選択に至らせたのだとすれば、
音楽を辞めなかったあにきには、苦しさの中に、それでも音楽が好きという感情が強くあったのでしょう。


実は私が音楽を好きになったきっかけって「だから僕は音楽を辞めた」なんですよね。

そのころは小さくて、YouTubeでは限られたコンテンツしか知りませんでした。
その限られたコンテンツの中に、替え歌があって。

替え歌を聞いていたら、ふと本家が気になって本家の音楽を聴いたんです。

それまで童謡や校歌しか知らなかった私はびっくり。こんなにかっこいい曲があるのか、と。

初めて知った音楽のかっこよさと、その思想の強い歌詞。これでヨルシカと音楽を好きになったのですが、

もしもあの時、私が「だから僕は音楽を辞めた」を聞いていなければ。
もしもあの時、あにきが音楽を辞めていれば。
もしもあの時、あにきがいれいすに入っていなければ。

今の私はなかった。

ほんとに奇跡だなと思いました。


あにき!音楽続けてくれてありがとう!!




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