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MS社直伝「チェンジマネジメントとは?」

1.はじめに

 新しい活動って、どこから始めたらいいですか?仲間をどうやって集めたらいいですか?私も同じ立場でした。マイクロソフト社(MS)で講座を受けるまでは。それは、『チェンジマネジメント』です。
また、プロジェクトを始めるときに必ず立ちふさがるのが、変革に邪魔なモンスターの存在です。そのモンスターの手なずけ方もわかります。プロジェクトマネジメントはよく聞いたことがあると思いますし、普段皆さん実行されていると思います。チェンジマネジメントとは、変化に対する人と組織の性質に着目した変革実現のフレームワークです。
MAKE HAPPYプロジェクトもこのフレームワークを使って実践しています。

2.チェンジマネジメントとは

あのマイクロソフトがO365、Teamsを各社で導入している手法になります。数年前に5日間10時間のセミナーをMS社にオンランで受講させてもらい、MicrosoftではESM(Employee Success Manager)講座と呼んでいます。
中身はTeamsの導入に関する内容ですが、風土活性化やその他の導入したい事例に読みかえていただければ、何にでも活用できます。
経営者なども部署の部長や課長に置き換えてもらえばどんな組織にも適用できます。そのフレームワークは以下の7つから構成されます。

  1. 戦略とビジョン

  2. スポンサーシップ

  3. ガバナンス

  4. シナリオ

  5. KPI

  6. アンバサダー

  7. コミュニケーション

全て実行しなければならないわけではなく、プロジェクトに必要なところを実線していけばいいです。
では、具体的にMHPの事例を踏まえながら、中身を一つずつ見ていきましょう。

2.1 戦略とビジョン

 まずはプロジェクトの戦略やビジョンを立てましょう。企業のビジョンやパーパスに合致しているか、どの文脈で実践するのか何をどう変えて実現しようとしているのかを明確にする必要があります。
「本来あらゆるものは自己の本質において自分を維持しようとねがう。」レオナルドダヴィンチの手記にある言葉です。人は本能的に変わらないことで安全を担保する生き物です。その本能を変えるときにはなんらかの抵抗が生じます。その抵抗を最小限に抑えることが、まさに、チェンジ マネジメントです。プロジェクトの戦略立案のためにも次に進みましょう。
MHPの場合は、従業員のHAPPYの実現にフォーカスを絞りました。HAPPYになると、定着率があがり、創造性があがり、生産性が上がります。ここが大きな戦略の一つですね。

2.2 スポンサーシップ

 次はスポンサーを見つけましょう。新しいプロジェクトの成功要因と具体例として、
①利活用推進チーム体制
 •変革プロジェクトチーム内に推進力のあるリーダーがいる
②トップの巻き込み
   •経営層が Office 365 の必要性を理解しており、活用推進に前向きかつ協力的である
③周知活動
 •社長からのメッセージ配信など経営層から従業員に向けて継続的に周知している
また、変革プロジェクトは、管理職の支援が得られるとより効果的です。
調査回答者の 85% 以上が、CEO の積極的な支援が見られた場合、
変革プロジェクトは成功したと述べました。
誰をスポンサーとするのか、その選択がまずは大事です。
MHPの場合はステアリングコミッティ(通称:ステコミ)として、社長と常務、企画、人事、経理の合計4人です。この4人がスポンサーになります。3か月に一度報告して大きな方針や方向性の合議を得て進めています。

2.3 ガバナンス

次はガバナンスです。ガバナンス=ギリシャ語で舵取り
 •ガバナンス(舵取り、戦略)
 •トップダウンアプローチ(体制)
 •ボトムアップアプローチ(どう味方を付けるか)
特に大事なのは、変革プロジェクトチームの役割です。
変革の成功のためには技術と人の両面が大事であり、
技術は設計、開発、展開するのに対し、人は、採用、定着、活用する必要があります。チェンジマネジメントとは、人側面での 現状から将来への移行であり、具体的なプロセスとツールは以下の通りです。
①プロセス
 組織:変更の準備・変更の管理・変革の習慣化
 個々人:ADKAR
②ツール:
 •個々人の変革モデル
 •現状調査
 •コミュニケーション
 •スポンサーロードマップ
 •コーチングプラン
 •反対勢力管理
 •トレーニングプラン
 •習慣化
スポンサーとプロジェクトのチーム体制、チーム構造を考える必要があります。どのような体制を作るかが、ガバナンスの肝になります。
MHPの場合、プロジェクトメンバーのメインのメンバーは、2022年10月から専門組織化しました。プロジェクトは一過性のため、無くなってしまうためです。専門組織化することで、プロジェクトを継続的に続ける意思表示になります。メンバーの複数人は社内副業のメンバーです。任期1年で本業の1,2割をMHPの業務に充ててもらいます。業績評価にも組み込み、本業の評価に副業の割合に応じて、加算してもらいます。

2.4 シナリオ

 シナリオとは何でしょうか?そのプロジェクトを実行したときの、大賞部門によるメリットをストーリーにして、具体的な導入後のイメージを持ってもらいます。
そのためにも、対象とするターゲットのビジネス課題の把握をする必要があります。
課題を把握できていれば、具体的なシナリオを作成します。
Teams の活用であれば会議の効率化などが具体的なシナリオになります。
成功事例の横展開アプローチも重要です。社内の成功事例を公開して、自分達もマネしてみようという気にさせることが大事です。活用シナリオを考える上での重要ポイントは、従業員のエンゲージメントです。効率だけでなく、やりがい、納得、楽しさ、も重要となります。
ユースケースに落とし込む方法もいい方法です。活用シナリオからユースケースを誘導するフレームワーク。活用シナリオの対象をより限定することで自分事化しやすくなるメリットがあります。
 MHPの場合は、具体的な活動イメージを学びや交流としているので、イベントの告知時に何が得られるかを具体的にわかるようにしています。

2.5 KPI

つづいて、KPIです。KPIはプロジェクトマネジメントでも使われるのでよく知られています。KPIとは 目標を達成するための施策評価指標
•Key Performance Indicatorの略
•施策が適切に進行しているかを定量的にとらえ、評価するための指標で、
全ての施策のKPIを達成 が 目標の達成(KGI: Key Goal Indicator)に当たります。KPIの前に、KGIを決める必要があります。
『何の施策によって変わった』と定義するか?
施策に期待した効果とは?
よく結果だけを議論するために使われ、
何の施策によって変わったかの議論がおろそかになります。
KPI効果測定の勘所は
①増えたもの(定量)
②減ったもの(定量)
③満足度(定性)
とっても学び多い内容になっています。
 MHPのKGIは、HAPPYになったら、定着率51%UP,創造性300%UP,生産性130%UP、この3つがKGIです。そこで、KPIはそのKGIの一つ定着率に対応するKPIをeNPSにて算出定量化で評価しています。

2.6 アンバサダー

次はアンバサダーの育成です。エバンジェリストともいいます。
チェンジマネジメントには欠かせない存在です。
具体的には、アンバサダーを任命して、
ツールの利活用を現場で推進してくれる人を育成していることです。
アンバサダーが必要な理由は、
同じ目線・同じ業務上の 言葉、背景で話ができる 信頼度が高いためです。

アンバサダーのインパクトは以下の5つです。
① まずは身近な部内でインフルエンサーになり推進できる
② 現場にしかわからない課題や改善案を見つけ出す
③ 他部署を繋ぐハブになる
④ 利活用することで変わる新しい働き方への、
わくわく感・高揚感を周りにも感じてもらいやすい
⑤事務局や経営層に積極的なフィードバックを発信する
アンバサダーはしっかりと業務の一部として位置づけ、社内副業などの制度を使ってアンバサダーをやりたい人がしっかりと実践できるようにするのが大事になります。

 MHPではアンバサダーの一環として、社内副業を活用しています。任期1年でMHPを卒業したメンバーが各職場に戻り、MHPに準じた活動を各職場で実行してもらうことが、アンバサダー活動の一環です。

2.7 コミュニケーション

続いてコミュニケーションです。
早速、コミュニケーションプランを作ってみましょう!
『いつ・誰が・誰に・何を・どう』伝えるのか が大事です。
では、どう伝えたらいいのでしょうか。
それには順番があります。
変革を成功させるための5つのビルディングブロックは、
・A Awareness 気づきの醸成 「なんだか気になるぞ」
・D Desire 動機付け     「やる気アップ」
・K Knowledge 知識     「何を、どうやってがわかる」
・A Ability 定着       「とことん使い倒し」
・R Reinforcement® 習慣化  「全体にスケール」

 MHPでは、このコミュニケーションがとても大事な活動の指針になっています。気づきを与えることや動機付けとなる企画やイベントを立てることがとても大事です。企画に気に入ってもらって、定着させて習慣化することが活動の浸透にとっても大事になっています。

3.終わりに

チェンジマネジメントが理解できたでしょうか?
どんなことも今の状態から新しいことを始めるとき、
このチェンジマネジメントが必要となります。
まずは、今のプロジェクトの状態を確認して、足りないところ、
できるところから始めることが、既にチェンジマネジメントを始めていることになります。まずは、あなた自身のマインドをチェンジすること、それが第一歩となります。
このnoteが少しでも誰かのプロジェクトの進行の参考になれば幸いです。

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