定時制高校

シンヤは晴れて定時制高校に進学した。
学力的には若干物足りないようだが、制服がないのでスカートだズボンだと悩む必要がない。
また私服登校でそのまま体育の授業もやり、プールもないので更衣不要なのも更衣室や水着二悩まなくて良いので気が楽。

事情を知らない同じ小学校の子はいたようだが定時制に進学したのはその子にも事情があり、あまり登校できていなかったためあまりハッキリ記憶していなかった様子で特に大きな問題は起きなかった。

こういう時は男女どちらにもいる名前だったとしても、あえて確実に男子名の通称を使っておくと良いのかもしれないなと感じた。名前が全然違っていれば背格好や顔がちょっと知り合いに似ていても別人だと思う事で身バレしにくいのかもしれない。

シンヤは定時制に進学した第1の理由が朝起きられず昼間に耐え難い睡魔に襲われるので授業中寝てしまう事、24時間起きていても夜になると全然寝られない事。
そのため、定時制の生活リズムはかなり楽なようだ。

ただ進学希望なので学力的に学校の授業だけでは心配なようで、自分で参考書や問題集を買って自己学習している。授業の前に早めに登校すれば先生も教えてくれるそうだ。
予備校や塾、家庭教師にお金が使える家庭なら利用した方が良いのかもしれないが、既に通院、診断のための意見書(保険が効かず全額実費で3万くらいかかる)、ホルモン治療の治療費と2週間に1回という頻度の通院交通費などで貯金はほぼなくなってしまっているため、中学時代の塾までしか費用がなかった。

シンヤにも義務教育までは塾代を出して何とかするのは親の義務だけど、それ以降は自力で頑張るか、無理なら就職してくれと事前に話してあった。
今後は外部の学習環境、親の経済力に頼れないとわかっていると頑張るものなのか、高校はコツコツと勉強して後回しにしない、自分でどの参考書が良いのか調べたり友達に聞いたりしてやっているようだ。

1学期、学力テストが数回あったが中学校出取った事の無い高得点を取っていた。「下の上(偏差値の高くない学校での上位)を目指す(笑)」と笑い話をしていたが、どの学校でも頑張っていなければ上位には食い込めないのでよく頑張った。

バイトは朝起きられない、着替えの必要なバイトには不安がある、接客業だと知り合いと会ったら嫌だな、などが引っかかっているようで、また2年生からは普通4年で卒業の所3年で卒業するために昼間の時間や休日も授業を受ける予定なので、今バイトを始めても1年で辞めざるを得ないからと躊躇したままだ。

それでも1日の生活リズムを整えようと朝方寝ても朝起きたりしていたら、寝不足でメンタルが落ちた事もあった。生きているのが辛い、と言うようになり、シンヤ本人が1番ヤバいと気付いてぐっすり寝たら元気になっていた。

睡眠は心の健康に最も大切だなと実感した。

2者面談も問題なく済み、猛暑なので外に出ない夏休みを過ごす事になりそうだ。


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