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#40 急変対応後の反省と次への活かし方

 急変対応の後、ずっと落ち込んでいる方がいますが、それを終業後まで引きずってしまう方がいます。

 急変対応後の考え方、次への活かし方について、まとめました。

 *一般病棟向けの内容になています。

1.急変後の反省

 急変した患者さんの対応が一段落すると、なんとなく自然と反省会になっていきます。特に、一般病棟の場合、急変の機会は多くはないので、遭遇したときに、動けない自分が情けなく感じることも多くあります。

 「もっとスムーズに挿管の介助ができればよかった」「もっと、スムーズに連携が取れればよかった」「家族への連絡のタイミングが微妙だった」…。言い出したらきりがありません。
 そして、みんなで暗い雰囲気になってしまいます。

2.「できなかったこと」ばかりを振り返りがち

 急変はどうしても命に直結するので、緊張しますし、責任も感じます。
 「もっと早く気づけたかも」は絶対に誰しも思うことです。実際、いつもと何か違うなと感じていたのに、その時は特に対処せずにいたら、急変してしまい、あのとき対処していれば…と悔いることもあります。
 ただ、そのちょっと違う程度を気づけたとしても、何か対応できることばかりではありません。医師に報告しても、経過観察の指示が出るだけのこともありますし、そういった前兆が全くなく、急変に至ることもあります。
 また、急変時の諸対応においても、不慣れさもあって、もたついてしまいうことも多々あり、医師に怒鳴られたりして、できないことが、どんどんクローズアップされてしまいます。

3.「できたことは何か」も振り返ろう

 出来ないことはとても目につきやすく、反省しますが、全てがダメであったということはないはずです。

 まず、患者さんの急変に、その時点で気づけたことは、できたことのひとつです。もしかしたら、もっと早く気づけたかもしれませんが、もっと遅くに気づくことになっていた可能性だってあるんです。

 次に、気づいた後、すぐに行動をしているはずです。応援を呼ぶとか、医師を呼ぶとか。そんなこと当たり前、と思うかもしれません。でも、それをしなければ、なんの対応もできなかったのです。発見したことを、次の段階へつなげることができた、ということを認めましょう。

 そして、あなたがした急変対応が、どんなにもたついたり不十分で、迷ったり、怒られたりしながらやったことだったとしても、途中で逃げ出さず、きちんとキリのところまで実施したということは事実です。
 また、急変対応は人手が足りているため、外回りで他の患者対応をしていたのなら、病棟全体の業務を滞らせないために大切なことを行えていたということです。

4.次につなげよう

 せっかく「〇〇ができなかった」とたくさん気づいたのなら、自分たちで慰め合うだけのものにしないで、きちんと次の急変に活かしましょう。

 次につなげるための例として、症状の発見が遅れたのだったら、ケーススタディなどをして、みんなで共有し、対応などを考えてもいいでしょう。
 そのときは、対応したスタッフを否定するのではなく、改善点などを中心にしましょう。そのときのスタッフを責るのは、相手の成長につながりません。さらに、自分が落ち込んでいるところに外部からのあるがかかり、急変への恐怖心が増強してしまいます。どうしたら良かったのかを気づけるように、働き変えられるといいでしょう。

 BLSやACLSが不十分なら、何回かに分けて、スタッフみんなが参加できるように定期的に勉強会を企画してはどうでしょう。一度やるだけでは、実際に使えるようにはなりません。繰り返しやることで、慣れて実践できるようになります。
 また、連携や連絡について、問題があったのなら、いま一度、手順を確認し、周知徹底しましょう。

 急変ごと、その部署ごとに課題が見えてくるはずなので、問題を克服できるような方法をとっていきましょう。

まとめ

 急変対応で必要以上に落ち込みすぎないようにしましょう。反省すべきは反省し、できたところはきちんと評価して、気持ちを切り替えて、活かすための行動を取りましょう。

  

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