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#12 認定看護管理者教育課程ファーストレベル研修:応募する前に知っておこう

 私自身の経験をもとに、ファースト研修について、応募するときに参考にできそうなことをまとめました。

1.認定看護管理者教育課程ファーストレベル研修とは

 認定看護管理者制度は、簡潔にいうと、看護管理者のレベルを向上させることで提供するサービスを向上させ、社会に貢献できるようにしましょう、というもので、ファースト・セカンド・サードと教育課程が3段回に分かれています。
 その中でファーストは初級編。管理者として必要な基本的な知識・技術・態度を学びます。

2.研修の時期と期間、募集のタイミング

 ⅰ.研修時期と募集時期

 5〜12月頃に1回もしくは2回(春・秋)開催する場所が多いです。
春(5月頃〜)開催の研修は、応募期間が前年度末(〜3月)のことが多いので、その期間の研修に参加する予定なら、年明け以降から、ホームページで確認し、乗り遅れないようにしましょう。

 ⅱ.研修期間

 主に2種類あります。集中型と分散型です。

 集中型は、約1ヶ月間平日がほぼ毎日研修日となります。1ヶ月間、研修に集中して取り組めますが、レポート提出と講義が重なります。
 1ヶ月間、職場には出勤しなくなるため、職場の協力が必要になります。また、座学やレポートを書き慣れていないと、両方の負荷が一度にかかるため、結構きついようです。

 分散型は、数ヶ月(3ヶ月程度)間、週2〜4日が研修日となります。時々出勤、時々研修、時々公休という感じです。研修日は秋の後半や週末にまとまっていることが多いですが、ばらけているところもあると思いますので、確認をしてください。各ホームページに記載されています。
 集中型との大きな違いは、レポートの提出と講義に時間的な余裕があるというところですね。

 ⅲ.場所

 「看護管理者ファースト研修 〇〇(地域)」で検索すると、最寄りの開催場所が出てきます。各年度によって、開催の有無・時期・回数など異なりますので、しっかり確認しましょう。
 主に開催しているところは、各自治体の看護協会、公益法人、大学または大学病院、医療法人です。

 それぞれに、参加受講生の特徴があります。

看護協会
 各自治体の看護協会で開催されます。自治体の中のあらゆる施設から看護師が集まること、看護協会員だと割引されるということが大きな特徴です。

 研修参加費自体が高額なので、割引額も大きくなります。そのため、参加希望者が多く、倍率が高めとなります。

公益法人や国立病院機構
 自治体が主催になるため、その関連の施設出身者が多くなります。
 例えば、東京都なら、都立病院・独立行政法人系施設(元都立病院)が圧倒的に多いです。講師陣も元都立病院出身者または現役の看護部長クラスの方だったりします。

大学・大学病院
 附属病院を持つ大学の教育センターなどが主催です。系列病院からの参加者が多いです。大学の施設を使っての講義になります。専門書の充実した図書館を始め、施設が利用できるなどのメリットもあります。

医療法人
 いくつか系列施設を持っている医療法人が主催しています。こちらも同じ法人施設からの参加者が多めです。開催エリアによって近隣の施設からの参加も多いと思います。

 Ⅱ.選択の基準

職場の条件
 長期間、不在になるため、職場の理解や許可が必要です。職場が条件を提示してきたらそれに従う必要があります。費用に関しても、職場負担・自己負担などありますので職場に確認しましょう。
 個人で選択できいる場合は、あなたの好みでいいと思います。

主催場所の特徴
 上記にも示したとおり、どこが主催するかで雰囲気が変わります。同系施設からの集まりが多い場合、外部者にはよくわからない内輪話があるのも事実ですが、違うからこそお互いが気づけることもあると思います。

講義方法
 2020年度は、新型コロナウイルスの影響で、オンライン講座に切り替えるところ、中止しているところ、今まで通り研修施設で行うなど、対応が異なります。
 来年度以降もその傾向はあると思いますので、ネームバリューだけでなく、内容をきちんと確認しましょう。

費用
 研修参加費以外に、申込時の審査やレポート再提出が有料の場所もあります。各場所によって異なりますので、ホームページなどで確認しましょう。

生活バランス
 普段動き回っていることが多い看護師にとって、座学はどんなに充実感を感じていてもかなり疲労を感じるということです。
 長時間座っていることで腰が痛くなるといったことだけでなく、頭の普段使っていない部分を使うため、座って話を聞いたり、ワークをしているだけなのに信じられないほど疲れます。
 レポート課題、講義(ときには課題が出ることも)、日常業務、家庭のバランスが取れる選択が必要になります。

3.前提として知っておくこと

 ⅰ.その研修ごとに参加者の雰囲気は変わる

 主催場所、地域的なものや、同じ主催であっても各回ごとで、参加者の意気込みや考え方などが変わります。また、主催場所、地域的なものや、同じ主催であっても各回ごとで、参加者の意気込みや考え方などが変わります。

 私は、同僚と交代で、異なる時期に異なる主催の分割型に参加しました。それぞれの研修で、たまたま同じ講師の講義がありました。
 私の参加した研修では「すごいおもしろかった。ああいう人の下で働いて勉強してみたかったかも」といった意見が多かったのですが、彼女の方は、「理想論ばかり言って…。現場はそれどころではないんあだよ」という意見が多くあったようです。
 全く同じ講義内容ではないので一概に比べるものでもないのかもしれないですが、根本的に管理観を語る講師だったなので、伝わる内容が大きく変わらないのではないかと思います。

 また、主催が同じであっても、参加者の雰囲気はその回事に変わります。
 私が受けた研修では、研修担当者(研修の運営)の方々が、「今年の受講生たちは、遅刻もないし、レポート提出もちゃんと期限内に提出する」と仰っていました。それを聞いて私たちは驚いていましたが、そうでない回も多いそうです。

 ですから周囲の人が、前回行ってよかったからと参加しても、あなたの参加する時がいいとは限らないこと、また、研修に対する各々の期待、動機付けによっても感じる印象が変わります。

 ⅱ.主催場所や講師によって講義の課題の差が激しい

 各科目レポートを提出し、合格点以上取れたらよしとなりますが、それ以外の課題が出されることもあります。

 同僚が参加した研修は、講師ごとに毎回課題が出され、提出しなくてはいけなかったようです。私の方は、ほとんどなかったです。あったとしても「〇〇について考えてくる」程度で、提出自体は最終レポートのみでした。

 周りに同じ研修を受けた人がいたら情報収集できますが、いないと情報を得るのが難しいかもしれません。また、講師が変わることもありますので、得た情報が有効かどうかは始まってみないとわからない部分も多くあります。

まとめ

 認定看護管理者教育課程ファーストレベル研修は、集中型と分散型があり、看護協会の指定機関で年1〜2回開催されています。前年度後半で募集が始まる場所もあるのでホームページで確認が必要です。
 長期間の不在となるため、職場の許可や提示条件の確認が必要になります。主催場所や、その回ごとに雰囲気が違います。また、新型コロナウイルスの影響により、講義方法の変更や中止もあるので、来年度以降も確認が必要になるでしょう。
 以上を考慮し、あなたの生活スタイルに合った研修場所に応募しましょう。

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