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#32 期待しすぎに要注意

 「なんで〇〇してくれないの?」「△△してくれると思ったのに…」と相手に期待して、裏切られた感じがしたことってありますよね。
 このことが、職場の状況によってはパワハラ・モラハラの原因になってしまう可能性もあります。

 職場で繰り広げられる期待と失望について、まとめてみました。

1.期待は甘え

 「期待」は相手を信頼している証といった、ポジティブな印象を持つ言葉でもありますが、実は「自分の望むように相手が動いてくれるはず」という甘えを含んでいます。

 こうしてくれるだろう、というある種の信頼を寄せていた相手だからこそ、それに応えてもらえないと、裏切られたと思ってしまいます。

 私たちは、期待するという名目で、勝手に自分の想定する相手の力量、人柄に甘えて、勝手に失望しているのです。

2.自分の思い通りにさせたいという期待は必ず裏切られる

 ⅰ.部下・後輩への期待と失望

 仕事ができる後輩を信頼し、仕事を依頼することもよくあります。きっとやってくれる、やり遂げてくれると思うからですし、その期待に応えようとして、頑張ってくれるスタッフもいます。
 期待する側と期待される側の気持ちのバランスが取れていたら、成長につながる機会になります。

 しかし、「これくらいできるでしょ」「自分が新人の頃はこれができて当たり前だったから、あなたもできて当然」といった発言をしたことがある方も少なくないでしょう。これもある種の期待です。

 このネガティブな期待は、裏切られたとき、相手に不満をぶつけてしまいがちです。「こんなこともできないの」「私の新人の頃は寝ずにやった。それができないなんて、落ちこぼれ」と考えるようになり、上から目線で、落ちこぼれとして接するようになってしまいます。

 ⅱ.上司への期待と失望

 「あんな人だとは思わなかった」「ふつうなら、こんなことしないのに」といったような発言、一度や二度はしたことがあるのではないでしょうか。

 上司は、自分たちを守る存在、なんでもできる存在、自分たちの主張を聞いてくれる存在であるべきだと、スタッフは思いがちです。
 しかし、守るといっても方法は様々ですし、残念ですが、そういう発想がない上司もいます。
 現実的に考えて、現場業務から離れている上司が、急変時率先して動けると思うのも見当違いのような気がしますし、スタッフの主張が必ずしも聞き入れられるとは限りません。

 上司も一人の人間で、得意なことも不得意なこともありますし、性格も、人の好みも様々です。
 また、上司はスタッフの代表である一方で、経営側の考えも持ち合わせていないといけません。

 どんなに優秀で、現場に気を配る上司であっても、その意見が必ずしもスタッフと同じとは限りません。なぜなら、上司はスタッフのように現場のことを詳細には知らないですし、スタッフの方は上司の抱えている仕事内容を知りません。
 お互いの立場や考え方、見ているものが違うので、あなたの考えと異なることは当たり前です。

3.下手な期待をする前に「自分と他人の考えは違う」と認識する

 空気を読みがちな日本人の中で、特に看護師は、観察するとか、察するということを、業務の一環として日々実践しています。ですから、職場の人間関係においても、無意識のうちにお互いを察することが当たり前のように感じてしまいがちです。
 しかし、察した内容が相手の思いに沿っているかどうかは、当人でないとわかりません。

 自分以外の人は、どんなに親しくても、どんなに理解しあっていると思えても他人に変わりはありません。
 同じ経験をしても、捉え方は人それぞれですし、考え方も千差万別です。 

 同じ歳、経験年数も同じ同期たちが、考える内容まで同じかというと、そうではありません。
 年代や経験年数が断ればその差はもっと大きくなります。

4.期待しないと感謝できる

 期待してしまうと、それに応えてくれない相手にネガティブな感情を抱きますが、期待しないと「気付いてくれたんだ」「やってくれたんだ」など、思いがけない相手の行為に、素直に感謝することができます。
 してもらえたあなたと、褒めてもらえたり感謝してもらえた相手、どちらも嬉しいですよね。

 期待をすると失望しがちで雰囲気が悪くなってしまうし、期待をしないと感謝できて雰囲気が良くなるという、紛らわしい構造になっています。

まとめ

 期待は甘えです。周りの人を自分の思うように動いてもらおうと期待すると期待外れで終わります。人はそれぞれ考え方が異なることを認識しましょう。期待をしないと、相手の行為に素直に感謝できます。


 

 



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