＃５　看護師の転職：面接の事前準備

　看護師の転職では、面接の印象は採用不採用の大きな決め手になります。
可能な限り良い印象を与え流ためには、ある程度、事前準備が必要です。

　今回は、面接の前に行う準備についてお伝えします。

１．面接の目的

　得意不得意があると思いますが、看護師の転職面接は、経験内容の確認、人柄把握、コミュニケーション能力です。
　基本的にあなたの人生の経験を話せばよく、難しい質問をされるわけではありません。

　あなた自身の魅力を洗面にアピールしつつ、なぜ働きたいかという思いを伝え、その職場に適応できる人間だということを伝えましょう。

面接に行くまでの準備

スムーズに臨めるよう準備を整えておきましょう。

ⅰ．自分の強み、PRできることは何か整理しておく

　履歴書や職務経歴書を記載し、多少なりともあなた自身のことを振り返るキッカケになったのではないでしょうか。
　あなたが自覚していたよりも、多くのことを経験している人もいれば、これしかできないんだ…と落ち込んでしまう方もいるかもしれません。
　もちろん、立派な方が好ましいかもしれませんが、そうでないからといって、不採用になるわけではありません。

　大切なのは、あなたができること、やってきたことを把握していて、それを転職先で生かしていける、生かしていく意思があるということを伝えることです。

　面接で答えやすいよう、いま一度、以下のことを振り返ってみましょう。必要なら、箇条書きでいいので書き出してみてみましょう。

　・今までの職場で学んだこと
　　　具体的な技術・知識だけでなく、仕事中にしていた工夫や考えなど
　・仕事に対する自分の考え方、取り組み方
　・趣味や特技の経験をどのように仕事に生かせるか

これらを確認しておくことで、あなた独自の返答ができるようになります。

＊文章を作って暗記しない
　あなたの思考の整理のために書き出すのは問題ありませんが、質疑応答の返答案として、文章にして覚えるのはお勧めしません。
　なぜなら、途中でつっかえた時頭が真っ白になってしまったり、思い出しながら話すことで、不自然さが出てしまう可能性があるからです。また、想定とは異なった質問の時に対応できないことも考えられます。
　自分の強みのどの部分を、どんな質問の時にどのように関連付けるかを想定しましょう。

ⅱ．直近の勤務施設の概要を把握しておく

　面接では、前職場がどんな施設だったか聞かれます。これは、施設の特徴や患者層などから、習得したスキルの目安となるからです。　

以下のことを、簡単に思い出しておきましょう。

　・施設：病床数、看護体制、勤務形態、診療科、地域性
　・所属部署：診療科、病棟の病床数、患者の特色
　　　　　　　手術やカテーテル術のおおよその件数
　　＊術件数は、◯件位、週◯件位とかで大丈夫です。
　　　あなたの所属部署が、それらの該当診療科だったの場合のみです。
　　　手術もカテーテルもない部署なら必要ありません。

　転職経験が複数あれば全施設のことを、自分が所属していた時期の状態でいいので答えられるようにしておいた方が望ましいでしょう。

ⅲ．面接先の施設の下調べをしておく

　個人応募では、ある程度調べていると思いますが、仲介会社を通しての応募でも、先方の情報は確認しておきましょう。
　給料は、福利厚生などはしっかり確認すると思いますが、施設に関する情報も必要です。志望動機を伝える際にどんな魅力があるからということを伝えやすくなるからです。
　仲介会社から提示された書類した目を通していない場合、話の内容で先方に伝わり、本気で働く気があるのかなと思われ、印象が悪くなります。
　施設について知っている＝興味があると認識されます。

　・目を通しておくもの：
　　　　施設のホームページは必須‼︎　
　　　　入手できれば施設のパンフレットなど
　　　　口コミサイト

　・入手しておく情報
　　　施設の特徴、専門性、地域性、施設理念、看護理念、教育、
　　　その他看護部についての情報全般

＊余裕があれば…
　検索エンジンで施設名を入力し、どんな予測変換されるか確認して、気になる内容は目を通しておくといいでしょう。

ⅳ．質問したいことはメモしておく

　雇用条件、業務内容、人間関係など、あなたが転職が決まった後、生じるであろう疑問をメモし、面接の最後に確認しましょう。
　面接の最後で「何か質問ありますか？」と聞かれますので、メモを取り出していいので、質問をしましょう。
　質問することで、就職を真剣に考えているという印象を与えます。

ⅴ．前日の準備

　当日慌てて忘れ物をしたり、遅刻しないように準備をしましょう。

　・スーツ類の確認　←　これは前日では遅いのでぜひ早めに❗️
　　　体型が変わっていて入らない、もしくはムチムチのことがあるので、
　　　実際に着て確認しておきましょう。
　・持参するものの確認
　　　施設によって異なるので確認しておく
　・施設までのアクセス確認
　　　乗り換えだけでなく、最寄駅やバス停からの道順も確認

　当日の余裕を持てるかどうかは、面接での態度に影響します。穏やかな気持ちで面接に臨めるよう、準備しておきましょう。

まとめ　

　面接では、あなたの魅力をアピールすること、その職場にふさわしい人間であること、意欲があることをどれだけ伝えられるかが大切です。

　看護師としての経歴に自信がなかったとしても、あなたが今まで生きてきた中で培われた人柄は唯一無二です。その部分をどう新しい職場での仕事に生かせるかを、言葉で伝えられるようしておきましょう。

　看護師は一般的に考えを言葉で表現することが苦手です。面接の場では、態度や経歴も重要ですが、きちんと自分のことを自分の言葉で表現できるかどうかということもチェックポイントになります。

　「しっかり準備しておけばよかった」「あのことも言えたじゃん」と面接後に嘆いても後の祭りです。
　備えあれば憂いなし。悔いの残らないよう準備をしておきましょう。