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介護の選択で、自分の気持ちと向き合うことは大切

今日は、友人Aさんの、義母の介護の話を聞いて思ったことを書いてみようと思います。

家族の介護のことって、いろんな選択肢がある中で、感情と、実際出来るかどうかという現実的な解が必要になります。

家族の気持ちに惑わされず、自分がどうしたいか、これをしっかり考えることって大事だなぁと、自戒の気持ちも込めて感じました。あなたはどのように感じるでしょうか。



Aさんの苦悩

私の20年以上の友人のAさん。2人の子どもは社会人になり、ご主人と2人暮らし。子どもが小さい時に別棟を増築して義母と暮らしています。逆2世帯住宅って感じなのでしょうか。

Aさんの義母は90歳を超えていて、足は不自由だけれど、自分の身の回りのことは概ね自分でしていました。ただ、最近は少し物忘れもあったり(年相応かも?)、買い物や受診など家から出ることは手伝いが必要だし、家の掃除なども手伝っているような状況でしたが、ほどほどの距離感で生活していました。

そんな時に、義母の通っている整形外科の先生から足の手術を勧められ、高齢なので悩んだそうですが、良くなることを信じて手術にのぞみました。手術は成功し、術後経過もよく、リハビリの様子はずいぶん歩くのが楽そうになったという印象だったそうです。

そろそろ退院の話がでる頃、入院中に脳梗塞を発症。現在は、寝たきりになり、食事も摂れず、中心静脈栄養(高カロリーの点滴)を行う状態になってしまったのです。

さて、これから、義母をどこで介護するか、介護を受けるか、そんな問題があり家族内で話し合いが行われました。ここで、隣の県に住む義妹が、Aさんに「仕事をやめて自宅で介護をしてほしい。」と言うのです。

Aさんはパートですが平日は毎日仕事に行っています。そして、ご主人も癌を患っていて、来月手術が予定されています。そんな状況ですから、Aさんは義妹に「仕事を辞めてみることは出来ない。」と言ったそうです。

でも、Aさんはそう言うまでにかなり苦悩していて、「きっと私に看ろって言うんだろうな。そういう家族だもん・・・。」と半ばあきらめモードだったのです。

私からAさんに言ったこと

Aさんの義妹は、親離れできていない面もあり、そして、一緒に住んでいない分、現実を受け止められない気持ちもあるようです。

そして、娘にありがちな“嫁が親をみるのは当然”と考えているのでしょう。

親を看るのは、子どもなら誰でもいいと思うのです。長男夫婦である必要はありません。そして、今回のケースなら、自宅でみてあげたいと思う人が看てあげればいいと思うのです。義妹が家でみてあげたいと思うなら、自分の兄の奥さんに仕事を辞めて看てほしいなんて言わずに、自分が看る方法を考えればいいと思うのです。

そして、Aさん自身も、半分諦めの気持ちもあって、「自分が看なきゃいけないかな、そういう家族だしなぁ・・・。」そんなふうに考えていたのです。

私は、Aさんに言いました。「Aさん自身がお義母さんをみてあげたいって思って家に連れてくるのは反対しないよ。その時は私も出来る方法を一緒に考えるよ。だけど、自分では看れないって思っているのに、家族がそれを望んでいるからという理由で家で看ようと思うのは違うと思う。」

Aさんは、寝たきりで点滴をしている義母の介護を家でする自信はありませんでした。だから、家族の意見にながされるのではなく、自分がどうしたいかをちゃんと言わないとダメだよって言ったのです。

私の経験から

私の義父は脳出血の後遺症で10年以上介護が必要な状態です。私が今の家に転居して一緒に住みだした約2年ほど前は杖歩行で、自分でトイレにも行っていましたが、入院をきっかけに車いすの生活になり、食事もキザミ食、排泄、着替えなど、すべてに介護が必要な状態となり、要介護4、5の状態で約1年自宅介護をしてきました。

それは、私も看護師という職業だったり、在宅調整の仕事を長くしていましたので、自宅で看れる間はみてあげたい気持ちがあってしていたこと。

でも、義妹や義姉はあまり介護に協力的ではなく、時に腹が立つこともありました。自分に看てあげたい気持ちがあっても、腹が立つことがあるのです。それが、家族に言われてする介護なら余計に腹が立つこともあるでしょうし、消化しきれない気持ちが出てくることもあると思うのです。

介護って、思っているよりすごく大変な面があります。

実際行う介護や医療の面という体力的な面ももちろんありますが、介護が必要な家族が常に家にいるという精神的な面も大きい。このバランスが保てるのか、いろんな面から考えないといけないって思うのです。

そして、今までの私はAさんと同じで、「家族がそう言うから」「そういう家だから」という言い訳をしていた気がするのですが、それでいっぱい後悔してきたので、「自分はどうしたいのか」ときちんと自分に問うということをして決断していきたいって思うのです。

何が正解かわかりませんが、Aさんには後悔のないように決断してほしいと思うばかりです。

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