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親ができる“子ども孝行”とは?

子育てが終わり、ほっと一息ついたあとにきたのは、親の介護でした。義父の介護、そして母の介護です。

そして、10年以上前に亡くなった父は、半年ほど病院に入り亡くなりました。食事が摂れなくなり胃ろうを作る予定の前日の急変でした。急でびっくりしたし、悲しかったけれど、父の最後の“子ども孝行”だったのかなと思ったことを思い出しました。

私も50代半ば、だんだんと老後のことを考えるようになり、これから親が子どもにできることって何があるだろうって思うようになりました。


子どもに迷惑をかけたくないが・・・

よく、子どもに迷惑をかけたくないということを聞くのですが、親の老後、介護に子どもが全く関わらないというのは、やっぱり現実的ではないのかなと思うのです。

たとえ、成年後見人がついている人でも、やっぱり医療同意は本人家族しか出来ない現実があります。

だから、自分が意思表示が出来なくなったときに、どこまでの医療を望んでいるか、子どもに話しておくことが大事って思うのです。

医療といってもいろいろありますが、よく聞かれるのは延命治療を行うか。これは、心臓マッサージや人工呼吸器をつけるかどうかということを一般的には言いますが、病状によっては透析をするかという選択があったり、食事が摂れなくなったら、経管栄養や高カロリー点滴を行うかという選択があったりします。

自分の持病から予測されること、老化により考えられることを考えて、自分が望む医療を、自分の意思表示ができるうちに子どもに伝えておけば、いざという時に選択を迫られる子どもの、精神的な負担が少しは軽くなるのではないかと思うのです。

あとは、介護における金銭的な負担を子どもに負わせないために、老後のための資金計画をしっかり立てておくことは大切なことだと思います。

私の勤める病院に入院してきた患者さんの中には、無年金で貯金もなく、息子さんご夫婦が入院費をずっと払っていたケースがあったり、支払いができず生活保護の申請をしたりするケースもあります。

私の母は年金は少ないですが、貯金を十分に持っており、施設で生活する母ですが、私と兄たちは金銭的な負担なく介護が出来ています。

金銭的な負担や精神的な負担をできるだけ少なくできるように準備して、どうしてもの時は少し手を貸してもらうことも、それはそれでいいのかもしれません。だって、今まで子どもを育ててきたのですから、少しはね?

ピンピンコロリが理想だけど

母の母、つまり私の祖母は、元気だったのにある日自宅で倒れていて、そのまま亡くなりました。あまりにあっけなくて寂しい思いもあったけれど、長い介護は必要なく、今思えば、これはこれで良かったんでしょうか。

父は、ある日動けなくなり救急車で運ばれ入院。パーキンソン病の疑いということで、だんだん食事も摂れなくなり、兄たちと相談して胃ろうを作ることになったのですが、前日に急変し亡くなりました。胃ろうは作りたくないという意思表示だったのでしょうか?

問題児だった父の最後の“妻孝行、子ども孝行”だったのかもしれません。

病気の経過が短く亡くなってしまうと家族は寂しい思いをすることも多いと思いますが、介護が長くなるのもまた大変です。ピンピンコロリなんて、なかなか現実的ではないかもしれないですね。

義父は10年ほど前に脳出血になり、介護が必要な状態でしたが、2年ほど前から介護度が上がり、今は要介護5。半年ほど前から施設で生活しています。義母は、長い介護生活に、年金と貯金をみて、「まだかね・・・?」と時折不安そうにしています。

短かすぎても、長すぎても大変(笑)

親の心構えで大事なこと

いろいろ書きましたが、準備をしていく大切さはあるものの、やっぱり一番大切なのは、親自身が楽しく生活していること、できるだけ健康でいること、じゃないかなって思うのです。

自分の楽しいと思うことを、これからもたくさんして、充実した生活を送っていきたいと思います。そしてもう一つ大事なこと、自宅の断捨離も頑張ります(笑)

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