物語3

 僅かな違和感が喉の奥がひきったような感覚を引き起こす。いや、これは違和感と言うよりも恐怖?なんだろう。自分でもわからない。
 窓の外をじっと眺める。いつもと変わらない、退屈なビル群。周りを見渡す。この車両には。そうだ、人がいない!そんなことあり得るのか?空いていると思っていたが、さすがに誰もいないのはおかしい。思わず立ち上がって、右側の車両を覗き込む。どうやら同じ学園の女子の制服が見える。1人だ。左側にはどうやら誰もいないようだ。いくらなんでも人が少ないというか、いない。隣りの車両に移動しようかと一瞬思ったがあまりにも怪しすぎるのでやめておいた。
 時計の時刻を確かめる。11時10分。11時10分?一分も立っていない。まさかと思いスマホを見てみると11時10分。少なくとも起きてからは3分は経ったぞ。状況は掴めないが、なにかおかしいことはわかった。


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