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2022年2月の観劇記録

何公演払い戻しにあったかわからない2月。

@現地
・ミュージカル『ヴェラキッカ』
 (COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール)
・ミュージカル『INTO THE WOODS』
 (梅田芸術劇場 メインホール)
・星組公演『王家に捧ぐ歌』
 (御園座)
・ミュージカル『刀剣乱舞』~江水散花雪~
 (COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール)

@配信
・劇団ココロゴス
・ニコ生「にゃんと陣の生放送やっちゃいます!」第8回
・星組公演『王家に捧ぐ歌』

▮ ミュージカル『ヴェラキッカ』

名門貴族ヴェラキッカ家の当主ノラは、遠縁の親戚であるシオン、異母弟のカイ、シオンの妹ジョー、家庭教師のロビン、執事のウィンターら一族の仲間や、クレイ、マギーら養子たちに囲まれて暮らしていた。ヴェラキッカ家の吸血種たちは、全員がノラに強烈なまでの愛情と執着を見せる。そこに新しい養子であるキャンディが迎えられる。ノラを巡るマウントゲームにキャンディが巻き込まれたことから、ヴェラキッカ家の秘密が暴かれていく。

公式HPより

ヴェラキッカ家のただひとつの掟は「ノラを愛すること」。
その掟どおり、ヴェラキッカ家の人々は異常なまでにノラを愛しています。そこに新たな養子としてやってきたキャンディも、疑問を感じながらも徐々にノラを愛するようになり。。。
舞台の核が「愛」なので、東京公演の配信を観たときは(1月の観劇記録に入れ忘れたな)なんて優しいTRUMP…って思ったんですけど、じわじわ考えるたびに、いや、これは優しくないのか…と思ったり、観る人によってラストの印象は変わるだろうなと思います。
美弥さん演じるノラが登場するたびに鬘も含めて衣装が全て変わっているので、割と序盤からノラは実在しない幻想の存在なんだろうなということがわかります。ヴェラキッカ家全員がノラが存在しているように過ごしていることから「集団幻想」なんだろうなということも。その発端となる人物や出来事がなんだったのか、ということが終盤で明かされるけれど、それも割と順当なのでストーリー的な驚きはそんなにないです。そういう意味でも、今までの作品に比べておだやかなTRUMPだなという印象を受けました。
美弥さんご指名で作られた作品ということなので、徹底的に美弥コレクション。美しい衣装の数々はもちろん、歌にダンスにリフトまで。カイのセリフでも「ノラは僕の…っ!」と兄か姉か言及されないところがありましたが、幻想を観る人によって姿を変える中性的な存在として描かれているのもまさにでした。
今までのシリーズ作品を観てなくても問題なく観れるし、曲も楽しいし、視界も美しいし、新規に観る方が多いことを想定された作品だと思うので、入りやすいと思います。ただここから入って他の作品を観ると心が死ぬと思うので心配。
私のお目当てはカイ役の古屋敬多くんでした。TRUMPシリーズもLeadも追っているけど、まさかそこが交わるとは微塵も思っていなかったので、出演が発表になったときは本当に驚いた。
ご本人に対しては九州男児な一面もありつつも基本的にはやわらかい人だと思っているので、堅物!ツンツンツンデレ!みたいなカイくんが新鮮ですごく楽しかったです。ソロ曲の歌詞の「I love you more than words can say」、言葉にできないほど愛してるから素直にノラに「愛してる」って言えなくてツンツンしちゃうカイくん…。愛しい…。遠縁だなんて言いながらも歓迎会のシーンでは常にシオンと談笑している信頼関係だったり、会ったこともない兄(姉)の不遇に責任を感じてあれだけ慟哭できたり、心ある、優しい人なんだろうなと思います。ジョーと幸せになっていてほしい。
私たちオタクも幻想に恋をしているみたいなところがあるので(その人というよりも、"その人として見せてくれる姿"が好きというか)「現実を生きるには幻想が必要」みたいなセリフは首がもげそうなぐらい頷きそうでした。また夢の中でお逢いしたいです。
主に大阪の平日のチケットばかり持っていたので、一回も観れないのでは…と本当に心配だったけれど、土日だけでも開催していただけてよかったです。チケットをお譲りいただけたりもして、無事に観劇できました。ありがとうございました。
配信では見たけれど、現地で感じるものはまた全然違っていて。音や光や振動、舞台は総合芸術だなと改めて感じます。

▮ ミュージカル『INTO THE WOODS』

村の小さなパン屋の夫婦には、子どもが授からない。なぜなら、魔女の呪いがかけられていたから。「呪いを解きたければ、森へ行ってとってきな。一、ミルキーな白い牛、二、血のように赤いずきん、三、黄色いコーンの髪、四、きらめく金の靴。三日後の真夜中の、鐘が鳴るまでに」。森を目指したパン屋夫婦が出会うのは、赤ずきん、シンデレラ、ジャックと豆の木、ラプンツェルほか、それぞれに充たされない人生の宿題を抱えた、おとぎ話のおなじみの登場人物たち。彼らの前には、魔女の呪い、巨人族の怒りが立ちはだかるが、それだけではない。本当の敵は、誰もが自分だけの幸福を願うがゆえの、ジェラシー、妨害、うそ、策略のわな…。チャーミング、ファンタスティック。だけどちょっぴりシニカルでダークなミュージカルをあなたに。

公式HPより

このあらすじの、困難を乗り越えながら呪いを解くためのアイテムを集めるのがほぼ1幕。誰もが知っているキャラクターが次々に出てくるのも楽しいし、ひとつひとつアイテムを獲得していくのもRPGみたいでテンポがよくておもしろい。
2幕はハッピーエンドを迎えたはずのキャラクターたちのその後と巨人の復讐がメインだったと思うんだけど、冗長に感じるシーンも多くて観劇後の感覚が良くなかった印象でした。ソンドハイムさんの曲ってただでさえ難しいって評判なのに、なんでこのキャスト陣でやろうと思ったのかなという純粋な疑問。というのも、魔女役の望海さんが演技も歌もずば抜けて上手いから、笑いも取れるし歌唱力でぶん殴ることもできるし、一人でも間を持たせられる力がすごかったんですよね。全員が望海さん並だったら全然感覚が変わったんだろうなと思ったりもしました。
でも私は廣瀬さんと渡辺大輔さんのチャラバカ王子兄弟が最高~~~に好きで、パン屋の奥さんの言葉を借りると二人とも推せるのでそれだけで最高に楽しかったです。ウィッグを外した廣瀬王子、マジもんの貴族すぎて最高だった。最高しか語彙がなくなる。

▮ 星組公演『王家に捧ぐ歌』

ヴェルディのオペラとして有名な「アイーダ」を、宝塚バージョンとして新たな脚本、音楽で上演した『王家に捧ぐ歌』。古代エジプトを舞台に、エジプトの若き将軍ラダメスとエジプト軍に捕らえられ奴隷となったエチオピアの王女アイーダとの悲恋を、荘厳な音楽に乗せて華やかにドラマティックに描いた本作は、2003年星組での初演が絶賛を博し、第58回芸術祭優秀賞を受賞致しました。2015年宙組での再演も好評を得たミュージカル大作が7年振りに宝塚歌劇の舞台に登場。ビジュアルを一新し、礼真琴を中心とした星組がお届けする『王家に捧ぐ歌』の新たなる世界にご期待ください。

公式HPより

歌のパワーーーーーーーー!!!!!!
私論理では曲が好きなミュージカルは100回観ても飽きないので、また100回観れるミュージカルが増えました。
私はヴェローナの亡霊なので星組さんもロミジュリから入らせていただいたんですが、舞空さん演じるヒロインに出会って、生きる意味を見出す礼さん!ヒロイン以外は二の次になってしまう礼さん!一緒に死んでいくことなこ!既視感がありすぎる展開にここはもしかしてヴェローナ…?と思うなどしました。エジプトでした。
ラダメスはもちろん元々戦士としての才能があり、周りからも一目置かれる存在として生きていたんだろうけど、割とそれは流れに身を任せる中でのぼんやりした立ち位置だったのかなと思っていて、アイーダに出会い恋をして、アイーダのためにエチオピアを開放したい、それを成し遂げるために将軍になる(権力を手に入れる)という目標を得ることで、初めて自分の人生や指針が鮮明になったのかなと感じました。
アイーダとアムネリスは、ラダメス自身を愛していたアイーダと、国のためにラダメスを愛していたアムネリスという対比。ファラオになってからのアムネリスは確かに高潔でかっこよかったけれど、女官たちと集団でアイーダをいじめる陰湿さが嫌いすぎて(自分で女官たちをけしかけておいてやめなさいはないわ)(しかも自分が愛しているはずの人を簡単に死んだことにできるのドン引き)(収まるとこに収まるのよっていう歌の内容もひどすぎ)、最後まで「でもあんなに陰湿ないじめをする女だから…」としか思えなかった。あそこでアイーダとタイマン張ってくれてたら好きだったかも…。
まぁ言うてアイーダも、自分が父に情報を漏らすことでエチオピアが滅ぼされるきっかけを作ったのに「あなたがもたらした結果よ!」は(ど、どの口が言う…!)でした。
2人とも強弱の違いはあれ、幼い頃から絶対的な父のもとで偏った価値観を植え付けられて育ったんだろうから、父のせいといえば父のせいなのかもしれない。
価値観を植え付けられて育てられたのはアイーダの双子の兄・ウバルドもそう。アイーダより更に洗脳に近いレベルで、狂信的に父の存在が絶対だったんだろうなと思う。同じように育ったはずなのに、そこから外れて敵国の男に惹かれていくアイーダは彼からしたらそりゃ裏切り者で、妹を奪っていくラダメスなんて憎くて憎くてたまらなかっただろう。ラダメスが自白しなくても、ウバルドの息があと数秒長かったら裏切者としてラダメスの名を口にしたんじゃないかと私は思っている。混乱を巻き起こすより、憎いラダメスを陥れるために。4500年も彷徨い続けてお疲れ様だよ。TRUMPかよ。
それはそうと、ウバルドが板付きでモノローグから物語が始まったんだけど、極美さんてあんなに低い太めの発声をするイメージがまったくなかったから、第一声からすごく驚きました。役としても骨太な感じがしたし、その美貌とスタイルの良さから放たれる華やかさは変わらず。ウバルド兄さんめちゃくちゃかっこよかったです。髪型もかわいかったなー。
礼さんがなんでもできすぎて何を観ても満足感がすごいので、少しでも長くこの立場での姿を見たいと思う一方、早く外部でいろんな役を演じられる(いろんな曲を歌われる)姿を見たいなとも思ってしまう矛盾を感じています。

▮ ミュージカル『刀剣乱舞』~江水散花雪~
井伊直弼と吉田松陰が仲良くなったゆえに起こる幕末の歴史改変。
「放棄された世界」は今までもあったけれど、そににいたるまでの、ここまで変わっちゃったらもう放棄するしかないよね、の話。
兼さんの「生きて生きて生きて生きて!この世界を抜け出すんだ!」は、この情勢に向けてのセリフかな。
ライジングのオタクなので小竜景光役の長田くんを楽しみにしていたのですが、怪我により1部は声のみの出演。アンサンブルさんが影として動いてくださってましたが、2部で出てきたときにやっぱり小竜くんってめちゃくちゃ華やかだなぁと思ったので、1部でも影を縫い付けた姿が見たかったなと思いました(ピーターパン的なやつです)。でも怪我は残ると大変なので、しっかり治して、いつか小竜くんが戦う姿も見れたら良いなと思います。
とーらぶ的には土佐刀が好きなので、ミュでも肥前くんがすごく素敵で嬉しかった!
ミュは結局「とーけんらんっ!」の瞬間が一番楽しいところある。テーマ曲の強さを感じる。Jのグループは結局デビュー曲が一番強いみたいなやつ。違うか。ところで「とーけんらんっ!」の曲、個人的には時空を移動しているときの曲なのかなと思ってるんですけど(出陣時とか、今回だと帰るとき)違いますか。

ここから配信。

▮ 劇団ココロゴス

即興で紡がれる物語の中に散りばめられたミッション
ステージ上での様子はプロフェッショナル心理カウンセラーが常に観察
相手の考えを探りながら協力してミッションを達成していくことで深層心理を分析する
新感覚心理テスト即興ステージここに開演!

即興劇は即興劇だけど、そのときに取った行動をもとに心理分析するよっていう企画。劇団の主催が富田翔さん、劇団に入るためのオーディションを受けに来た陣くんと伊崎龍次郎くんという設定。
昼は宇宙空間、夜は事件現場という設定でのエチュード。
笑いあり驚きあり癒しありまさかの感動あり(!)で楽しかったです。癒しはやなぎださんです。ペンギンです。
肝心の心理分析ですが、陣くんは「コミュニケーション力に長けている」とか「チームとして結果を出す」とか「追い込まれるほどに力を発揮する」とか、こちらが普段陣くんに抱いている印象だったり、それにまつわる具体的な事柄がすぐに頭に浮かんでくることばかりで、どれだけが即興劇だけで判断されているのかはわからないですが、めちゃくちゃ当たってるなぁと思いました。
余談ですが、富田さんと一緒にお芝居をするのが初めてだった陣くん、本当に嬉しそうで「役者は一緒にお芝居をすることでわかることがある」的なことも言っていましたが、その後、王家に捧ぐ歌を観ているときに、ケペルとメレルカが「戦でしか生まれない絆がある」的な友情ソングを歌っていたので「これかぁ!」と一人で納得したりしました。

▮ ニコ生「にゃんと陣の生放送やっちゃいます!」第8回
ゲスト:田村心くん
陸奥会!バレンタイン会!チョコをいっぱい食べる男子たち!幸せ空間!今度関東に行ったらナチュローでピスタチオのチョコ買います。

完全に観劇機会を失ったのが、BANANA FISH後編、シラノドベルジュラック、宙組さんのネバセイでした。
うーん、悲しい。。。
みなさんが想いをこめて作られた舞台が、ちゃんと届く世の中でありますように。

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