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Starting over

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傷ついて立ち止まっていた人々が歩き始めるまでのお話
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#二人

【ショートストーリー】雨にお願い

【ショートストーリー】雨にお願い

「走らない?」
彼女はそう言ってカバンを肩にかけた。
「でも、まだ雨が…。」
僕はそう言ってフロントガラスに打ち付ける雨を見上げる。確かに少し降り方が落ち着いてきたみたいだけど…。
会社の駐車場に車を停めた途端、滝のような雨が降ってきた。建物までそう離れていないのだが、外に出たらあっという間にずぶ濡れになってしまうだろう。社用車の中、僕と彼女は無言で雨を見つめていた。
彼女は今、何を思っているのだ

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