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古代タミルの神々と紀元前 400 年のサンガム文学 (トルカッピヤム) より

割引あり

 ここに描写された書かれた時代のことが述べられているのか、あるいはそれ以前の時代のことなのかは定かではないが、古代タミルは5 つの地域に区分されたと考えられる。(地理的特徴に基づく。)

• クルンジ〈山岳地〉Kurunji
• ムライ〈森林〉Mullai
• マルダム〈耕作地〉Marudham (Cropland)
• ネイダル〈海岸〉Neidhal (Seashore)
• パアライ〈砂漠〉Paalai

そして各地域にはそれぞれ独自の神が存在する。

• 山 クルンジ -> セヨン Seyon
• 森 ムライ -> マアヨン Maayon
• 田畑 マルダム -> ヴェンダン Vendan
• 海辺 ネイダル -> カダロン Kadalon
• 砂漠 パアライ -> コトラヴァイ Kotravai


セヨン:Seyon
山の神(別名ムルガン)、後年には北部/アーリア人の影響を受けヴェーダの神カルティケヤと習合。今日でもムルガン寺院のほとんどは山の上にある。

マーヨン:Maayon
ムライ地域の神として信仰を集め、パランポルルParamporul(パラマートマ※と一体性を有する地位)を享受した唯一の神とみなされる。現在ヴェーダの神ヴィシュヌ神と習合。

※ 注: パラマートマ
  最高神による救い。モーシャまたはムクティとも呼ばれる。すべての輪廻の後、ひとたび罪がなくなるとモーシャ/ムクティに到達する。(唯一の真の神と融合すること- 宇宙)


ヴェンダン: Vendan
雨/雷雨の神、現在はヴェーダの神インドラ(神々の王/ 天の支配者)と習合。

カダロン: Kadalon
水/海の神、現在ヴェーダの神ヴァルナと習合。

コトラヴァイ: Kotravai
母なる女神、戦争の女神。現在ヴェーダの神パールヴァテ​​ィーと習合。

〓村の神様〓
 
これらの神々とは別に、多くの神々を崇拝してきたタミル人。

  村の神々は偉大な人生を送った祖先(主に戦士)で、死後グラディアンの精霊として崇拝されたと推察される。タミルナドゥ州全域で今でも崇拝されている有名な村の神は、

男 ✳︎ ムニヤッパン
性 ✳︎ カルッパナール・サミー
神 ✳︎ アイヤンナール

女 ✳︎ マーリアンマン
性 ✳︎ カリアマン
神 ✳︎ カッテリアマン

など

 これらの男性神はほぼ村の守護神(タミル語でカヴァル・デイヴァム Kaval Deivam)で、その寺院は村の外れにあり、偶像は武器を携えた猛々しい戦士、女性神は豊饒、健康、富、雨のための崇拝対象である。
 こうした村の神々は、今日ではヴェーダ・ヒンドゥー教の神々と同化しているが、崇拝方法には依然として顕著な違いがある。

 1. 村の神々の崇拝パターンは、古代の民謡、物語、郷土芸術などの非ヴェーダ的方法が主である。
 2. 供物を捧げる司祭は、ほとんどが非バラモン(バラモンが支配するヴェーダの神とは異なる供物)。
 3. この神々への礼拝は、サンスクリット語ではなくタミル語のみ。
 4. 動物の生贄(鶏、ヤギ、水牛)は、村の寺院において特徴的。

 眷属神(けんぞくしん: 大きな神格に付属する小神)の神々とは別に、クラデイヴァム※(氏族の神の一種)を崇拝することは、今でもタミル人全体の伝統である。

 ※注: クラデイヴァム
 何世代にもわたる (父系の) 本家によって祭祀される家族神。クラデイヴァム崇拝はタミルナドゥ州全域に広まり、家族全員の結婚、出産、家内安全と繁栄に関わる重要な事柄の前に、特別な祈願を捧げるものである。

 感想: インダス文明の衰退した後にも、移住先の南インドにおいてタミルの民はその遙か昔の文明を受け継ぎながら独自の文化を保ち続けており、大変興味深い。移住先の日本列島で古代文明を受け継ぎながらも独自の文化を花開かせた日本に通ずるものがある。「偉大な人生を送った人物」を(又は呪いの封印の為に)神社に祀り崇拝対象とするところなども。
 タミルの方がまとめてくださった文章を参考に翻訳。

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