初恋は実らない〜高校時代回想7〜
*マイノリティ表現を含みますので苦手な方はゴーバック!
いつも通り読み苦しい文章ですがご了承くださいm(_ _)m
まぁまぁ色々あって一瞬不登校になったり、
2年の最後の方には進路の問題なんかもあったりで。
3年はとりあえずそのまま理系に進んだ。親が予備校に通わせててくれたおかげでテストやら模試やらにはそんなに困らなかった。(そこそこに)
3年になって、Oくんとはクラスは別になったし顔を合わせることもなくなった。Nとは相変わらず別のクラスだったけど、一緒に帰ったり遊んだりしてた。
あれから学校が凄くつまらなくてしょっちゅう遅刻や欠席して、堕落した毎日を過ごしてた。そんな中でハマったのはアルバイトだった。当時の時給は高校生の最低賃金だった気がする。
3年と言えば受験生だし周りは「どの大学にする?」とか、「模試の判定どうだった?」とか、そんな会話ばっかり。
学校に行くと嫌でも会話を合わせなきゃいけなくて息苦しかった。特に勉強が嫌いだったわけでもないけど、進路なんて漠然としてたから正直どうでもよかった。
出席日数と単位だけ取って、卒業出来ればいいかな。なんて思ってた。
学校に行きたくない日は予備校に行って自習室で赤本片手に過ごして、学長によく「あれ、今日学校は?」って聞かれたなぁ。
ほとんど3年の思い出はバイト先か予備校の思い出しかない気がするくらい学校に行きたくなくなってた。
そんな中、バイト先で年に1回の大会(毎年8部門くらいある)があって何故か店舗の代表に選ばれた。
一応、自分のいた店舗で店長が選考して選ぶんだけど
店長「ぽん太はどこでも満遍なく出来るからどこで出してもいいんだけどどうしようかなぁ?」って言われ。
わけも分からず、地区予選みたいなのに勝ち、次の大会でも勝ってしまった。元々そのバイト先のお店が好きで働いてたから、好きこそ物の上手なれじゃないけどやり甲斐を凄く感じてた部分はあったから当時はどんな事よりも嬉しかったし、嫌なことを全部忘れさせてくれる時間だった。
もちろん、楽しいことばかりではなかったけどそれ以上の何かがあったんだと思う。
でも、やっぱり世の中にはすごい人がいっぱいいて次の大会では負けてしまって全国大会には駒は進められなかった。
相当悔しくて散々泣き散らかした。当時、大っ嫌いだった(今でもあんまり好きじゃないけど)店長が初めて
店長「よくやった。でも、少しの差だったから誇りを持っていい。」
って、言って慰めてくれた。
バイト先の大会も終わり、一応受験生なので長期休暇をもらった。
それからは、学校と予備校の毎日変わらぬ単調な往復。
志望校も決めて、人並みに受験生をこなした。
いつしか時は過ぎ去り第2志望は受かり、第1志望の合格発表日。
なんか電話で発表聞いた気がする。
……補欠。
まぁ、結局繰り上がって無事合格→入学。
あとは卒業式さえ迎えれば終わりだった。
卒業式前日・・・・・・最後の予行練習が終わった。内心、『やっと明日でこのつまらない生活も終わる』なんて思っていた。
色々荷物を片付けるので少し下校が遅くなってしまった。
帰ろうと廊下を歩いていると、意外な人物から声を掛けられた。Oくんだ。
Oくん「ねぇ、ぽん太。俺の事ずっと避けてたよね?なんで?」
自分「別に避けてない。」
久しぶりにOくんと会話をした。
Oくん「俺、なんかした?一緒に弁当食ったりしたのに、嫌われたまま卒業とか嫌なんだよね。」
自分「別に嫌ってない。」
急な展開過ぎて上手い言葉が見つからなかった。
Oくんは真剣な眼差しだった。
多分、ずっと自分が今まで逃げるようにして避けてたんだろう。Oくんが腕をガシッと掴んで来た。頭の中の整理が追いつかなかった。
自分「離して。別に嫌ってないし、避けてもいない。」
声が震えて必死に吐き出した言葉がこれだった。本当に情けない。
Oくん「お前、俺が喋りかけようとするとずっと避けてたじゃん。なんで?理由が知りたい。」
まだ腕は力強く掴まれたままだ。
自分「今さら話す事なんて何も無い。それに嫌ってるのは自分の方じゃなくてOくんの方でしょ?」
本当はいっぱい話したい事があった。でも、これこれ以上嫌われたくなくて、差し伸べられていた手をずっと拒み続けたのは間違いなく自分だ。
その場の空気に耐えられなくなって、力いっぱい彼の手をやっとの思いで振り払ってトイレに逃げ込んで個室のカギをかけた。
Oくん「待って!」
まさかのトイレまで追っかけて来た。
個室を叩かれる音。
Oくん「ぽん太が出てくるまで俺待つから」
しばらくすれば帰るだろうと思って耐えた。
多分、1時間くらい経ったんだと思う。
引き返す足音は聞こえなかった。流石に自分も帰りたかったのでドアをあけた。
が、やっぱり彼がいた。
Oくん「やっと出てきた。」
顔を見た瞬間涙が止まらなかった。
Oくん「なんで避けてたの?ちゃんと話して。」
自分「ごめん・・・・・・本当にごめんね。」
声が震え過ぎて伝わったのかすら分からない。
不意に抱き寄せられた。
Oくん「落ち着いてからでいいから。話がしたい。」
涙なんて枯れ果ててしまえばいいとどれほど思ったか。Oくんの胸の中が心地よすぎて胸が締め付けられて一向に止まらなかった。気づけばOくんの制服を濡らしてしまうほどに。
どれくらい経ったか分からない、やっとおさまった。
Oくん「話せそう?」
自分「うん。」
Oくん「で、なんでずっと避けてたの?」
自分「嫌いになろうと思った。」
Oくん「なんで?」
自分「覚えてないかもしんないけど、2年の時に送ったメール・・・・・・」
Oくん「あぁ・・・・・・あれか。覚えてるよ。それで、なんで嫌いになろうと思ったの?」
自分「あれ、間違えたわけでもギャグでもなんでもなくて本当に好きで・・・・・・でも、次の日学校来たら皆に広まってて・・・・・・」
Oくん「そっか。」
自分「本当にごめんね・・・・・・好きになって・・・・・・。しかも男だし、その上デブで気持ち悪いと思われたと思ったから・・・・・・迷惑かけたくないと思ったし。」
Oくん「何となくは気づいてた。俺も思わせぶりな態度取ってごめん。ぽん太、いつも挙動不審で面白いから笑い取りにきてんじゃないかって思ったんだよね。」
自分「ううん。おかげで痩せられたし前よりは自分をちょっと好きになれたから、感謝してる。」
Oくん「ごめんな、気持ち気づけなくて・・・・・・。でも、気持ち悪いなんて思った事ないよ。ぽん太はぽん太じゃん。ずっと好きでいてくれてありがとう。」
自分「うん・・・・・・。」
また涙が溢れて来た。
Oくん「でも、やっぱり俺は女が好きだから気持ちには応えられない。」
自分「うん、わかってる・・・・・・。」
Oくん「ごめんな、辛い思いずっとさせて。ありがとう、話してくれて。」
Oくん「お互いの為に、もう忘れよう。」
自分「うん、ありがとう。初恋の人がOくんで本当に良かった。相変わらずカッコイイね。いつかOくんより好きになれる人頑張って見つける!」
Oくん「おう、ぽん太ならいい人見つかるよ!」
そう言って、彼は最後におでこにキスをしてくれた。ノンケは残酷だ。
嬉しさと切なさがごちゃ混ぜになってた。最後まで優しくて、誰よりもカッコよくて・・・・・・本当にこの人に出逢って、好きになって良かったなって。
その後、どう帰ったかは覚えていない。
次の日、無事に卒業式を終えた。
高校時代回想終わり。
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