[詩]2023.11.25(01)
僕はライオンではないんだな。
勇敢な子供ひとり乗せて
砂漠を駆けるほどにはライオンじゃない。
僕は人間で、それも弱い人間だ。
だからともかく胸を張ってやってみたまえ。
例え翌朝には音を上げたとしても
僕は愛そう。
苦しいことはやりたくないと僕は言うけれど
それならやめてしまえ。
しかし永久にやめるのでなく
いつでも試合に戻れるよう体をあっためておかなくちゃ。
勝負ごとに例えるのは嫌いだって?
気にするなよ。何に例えたってなくなるものじゃない。
だって僕は近所の工事現場を見たはずだ。
警戒色をした八本の鶴が夕焼けにそびえ
コンクリートが湾曲して巨大な劇場を造っていた。
僕はそこで月を見て、その白さに仰天したではないか。
そうして自分自身に落ちていった。
だから胸を張りたまえ。
少しは姿勢よく見えるってものだ。
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