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短編小説

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涌井が創作した小説(短編・掌編)をまとめています。
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記事一覧

短編小説「ホーミー」

ホーミー  チムニーは目を覚ますと、まずさいしょに葦の茎でできたカーテンを目いっぱいに開…

涌井学
1年前
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短編小説「麻子とアキ 第二話 詐欺師」(4)

(はじめから「麻子とアキ 第二話 1」へ) (前「麻子とアキ 第二話 詐欺師3」へ) 4…

涌井学
1年前
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短編小説「麻子とアキ 第二話 詐欺師」(3)

(はじめから「麻子とアキ 第二話 1」へ) (前「麻子とアキ 第二話 詐欺師2」へ) 3…

涌井学
1年前
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短編小説「麻子とアキ 第二話 詐欺師」(2)

(前 「麻子とアキ 第二話 詐欺師」1へ) 2 「何でおれまで」 「探偵みたいで楽しいじ…

涌井学
1年前
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短編小説「麻子とアキ 第二話 詐欺師」(1)

1 ------------------------------------------------------------ < Eisuke Nakamura 8/10 …

涌井学
1年前
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短編小説「麻子とアキ 第一話 トラブルメーカー」(2)

(前 「麻子とアキ 第一話 トラブルメーカー」1へ) 2 〈シバさんと連絡とれたか?〉 …

涌井学
1年前
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短編小説「麻子とアキ 第一話 トラブルメーカー」(1)

1  勝手な言い草なんだ。もし、彼女の口にした言葉を一言一句書き留めて、それを箇条書きにして相手に見せたらきっと裁判沙汰になるだろう。けれど、彼女がその薄い唇を震わせて雨に濡れた小犬みたいな声を搾り出してそれを言うと、それがまかり通る。道理が引っ込んで無理が通るんだ。麻子(あさこ)はひどい嘘つきだから。  最近は大人しかった。今朝、出社前に見た彼女はぼくがローンで買ったソファに足を投げ出して、ソファからはみ出した爪先でスリッパをブラブラさせていた。口に体温計を咥えて、基礎体

短編小説「飛びミミズ」

飛びミミズ  腕に小さな水ぶくれができた。ちょうど肘の少し上のあたり、シャツの裾で隠れる…

涌井学
1年前
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短編小説「電話病」

電話病  電話の鳴った音がした。  俺はそのときようやくやってきた眠気にうつらうつらし始…

涌井学
1年前
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短編小説「外に出ようとする男と女」

外に出ようとする男と女  今日の分の支払伝票をファイルして、ロッカーにそれをしまいに行く…

涌井学
1年前
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短編小説「あのころ」

あのころ  夏休みが明けてすぐ、通学路を歩くトッコの足取りは重かった。  黒く日焼けした…

涌井学
1年前
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短編小説「横浜元町エレクトリカル・パレード」

横浜元町エレクトリカル・パレード  アイカは自分の名前が嫌いだった。愛する花。なんて恥ず…

涌井学
1年前
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短編小説「声」

声 「なあ、聞いてるのかよ」  あんまり反応が鈍いものだから、おれは生卵を握りつぶすくら…

涌井学
1年前
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