オンライン英会話体験記

子どもの英語教育環境は自分の時とずいぶん変わっている。高校卒業時に英検準1級レベルを目指すと聞き、子どもに英語を習わせるのに親ができなくてどうする?ということで、大人のやり直し英語を始めた。NHKラジオの語学講座を聴いたり、通信教育を受けたり、本を買って自習したり、英会話スクールにも通った。その後オンライン英会話も体験。当初の目標である英検準1級もなんとか取得。英語学習は細々と続けているが、使う機会がほとんどない。コロナ禍になって中断した、12社にわたるオンライン英会話の体験内容をここにまとめておく。

オンライン英会話スクールを選ぶポイント

オンライン英会話を始めた2015年は、まだまだ「オンライン英会話って何?」というレベルだった。今ではたくさんのオンライン英会話スクールがあり、コロナ禍もあって、多くの人がオンラインに慣れてきていると思う。だからこそ、スクールが乱立していて選ぶのに苦労する。選ぶポイントとしては、

学習プラン(何を学習するか? どのくらいのペースで? どの時間帯でレッスンを受ける?)
1レッスン25分のスクールがほとんど。レッスンの前後に予習復習をすることで効果があがるので、それを含めてどれだけ学習時間をとれるかによる。一般の人が起きていると思われる時間帯は開講されていることがほとんどだが、たまに、スタートが遅いスクールもあるので、朝活に使いたい人は要注意。

料金(毎月いくらかかるか?)
王道のDMM英会話、レアジョブ、ネイティブキャンプなど、毎日1レッスンで月額6500円~のところが多い。1レッスン当たり〇〇円~という表示を見かけるが、これは最大限利用した時の金額。最初はどれだけレッスンを受け続けられるかわからないので、毎月いくらまでならお金を出せるかという方から考えたほうがよい。

教材(種類と有料か無料か?)
市販の教材を使用する場合は、別途有料で用意しなければいけないことが多い。無料の教材も質や種類、レッスンの受けやすさ、予習復習のしやすさは要チェック。

予約の取りやすさ(何日前から何レッスン予約できるか? キャンセルはいつまでにすれば無料か? 講師は選びやすいか?人数は?)
講師情報が少ないと、どの講師を選んでいいかわからない。人数が少ないと選択肢が限られる。急な予定が入った場合、変更に融通がきくかどうか、逆に急に空き時間ができて受講したいといった時に対応できるかなどがチェックポイント。

システムの使いやすさ(Skypeか専用システムか?)
Skypeだと教材を見るために別ウィンドウを開かなければならず、ウィンドウ操作に慣れていない人はストレスになる。画面が小さいスマホでは受講しにくい。専用システムだと、必要な情報が1画面で表示されるので、ストレスフリー。

その他(講師はネイティブかノンネイティブか? スマホでも受講できるか? スピーキングテストが受けられるか? 無料体験はどれだけあるか?サポート体制は? など)
ネイティブの講師は受講料金が高い。ノンネイティブのほとんどがフィリピン人だが、ネイティブと遜色ないレベルの講師はたくさんいる。
その他、あるといいなと思われるサービス内容をチェックするとよい。
最近は良くなってきていると思うが、講師が自宅からレッスンしている場合などに通信環境が悪くて聞き取れないということもある。そういう場合のサポートはどうなっているのか、気になるようなら事前にチェックするとよい。

印象は受講当時のもの。最新の状況は各スクールのWebサイトをご確認いただきたい。

はじめての体験はDMM英会話

DMM英会話の最大の特長は、多彩な国籍の講師がたくさんいること。そして、予約がいっぱいで希望の時間に予約がとれないということはない。1日1レッスンの場合、レッスン後に次のレッスンの予約ができる。人気の講師にこだわると予約がとりにくいかもしれないが、様々な国の講師と話ができるのは楽しい。

当時はSkypeを使用したが、今は専用システムがあるので受講はしやすそう。スピーキングテストもあるので、レベルチェックもできる。レッスンの進捗状況は能動的に管理しないといけない。

教材も豊富だし、英語学習プログラムiKnow!も無料で使えるので、レッスン外の学習も充実。

最近は、プラスネイティブプランで英語ネイティブのレッスンだけでなく、中国語や韓国語のレッスンも受けられるらしい。

教材と連携しているアルクオンライン英会話

株式会社アルクの教材と連携したコースがあるのが特長。インプット用の教材を利用してアウトプットしたいという人にはいいかも。講師はネイティブか日本人なので料金は高い。Skypeを使用するが、指定教材画面は講師が画面に表示してくれるので見やすかった。私は無料体験のみ受講したので、予約のとりやすさはよくわからないが、以前より講師の数は増えているよう。

カランメソッドをQQEnglishで体験

QQEnglishは留学もできるフィリピンにあるスクールで、講師はもちろんフィリピン人。講師はスキルや経験によって違うポイントが付与されている。受講料金はポイントに換算され、そのポイント内で講師を予約する。2週間後まで事前に予約できるが、慣れるまではお気に入りの講師の予約に手間取るかもしれない。

特に必要に迫られていないので何を話していいかわからない、でも口を動かして英語に慣れたい、という人は、カランメソッドを受講するのがおすすめ。ということで、カランメソッドをQQEnglishで体験してみた。

カランメソッドは、講師が同じ質問を2回繰り返すので、それを聴いて即座にその返答を質問の内容をそのまま使って文の形で答えるというもの。スキルのある人でも基本はStage1から進める。テキストは全12冊(12Stage)。質問後、講師がすぐ答え(の冒頭)をガイドするので、それにかぶせるようにすらすら言えるまで何度もトライする。

私は早口ではないので、講師が先に答えを言うのを聞いてしまい、消化不良だった。無料体験でストップ。

English Bellで本格的にカランメソッドを継続

ここが一番長く2年ほどお世話になった。

フィリピンにあるスクール。レッスン単価は若干高めだけれど、自分の学習ペースにあったプランで支払うことができるので無駄がない。予約は7日先まで確保できるので、ペースが乱れるということもない。カランメソッドの他、カランメソッドの足りないところ(例えば、質問に答えるだけでなく、質問をする方もできる)を加えたDMEメソッドも学習できる。講師はフィリピン人で、シフトが決まっていて役職付の講師かどうかもわかるので、講師選びも困らない。レッスンの内容を引き継いでくれるし、履歴が残るので、レッスン状況が把握しやすい。唯一の欠点は、眠気と戦っている講師が何人かいたことだ(笑)。カランメソッドやDMEメソッドばかりレッスンしていると、確かに疲れて眠くなってしまうのはわかるが…?

私はここでカランメソッドをStage8の初め(Lesson112)まで進めた。カランメソッドは、Lesson一通りだけでなく、1つのStageが終わったり、レベルがあがったりする毎に復習ステージがあり、かなり長い道のりである。最初は簡単な文だが、急に長い文が出てきて戸惑うこともある。文法事項も英語で説明できるようになる。ヨーロッパで作られたメソッドなので、文化の違う日本人にとっては内容的に???と思うところがある。レベルが上がってくると質問に対する答えが日本語でもどうしても思い浮かばなくて困ることが出てきて英語学習からちょっと外れる悩みになりそうだったので、そこでやめた。

Skype使用。カランメソッドやDMEメソッドはテキストの購入が必要。1つのStageが終わる毎にテストがあるので、達成感はある。

English Bell の姉妹校イーメソッド

イーメソッドはEnglish Bellと同じ系列でカランメソッドとDMEメソッドに特化したスクール。English Bellで空いている先生の稼働率を上げるために作られたようだ。ポイント制で、講師によってポイントが異なるが、有効期限は長い(6ヶ月)。単価がEnglish Bellより安くなるので、講師にこだわらずカランやDMEを安く受講したい人向け。

英検対策のValue English

バリューイングリッシュは他とはちょっと違い、英検からIELTS、通訳案内士、TOEFLのスピーキング試験対策中心のスクール。英検のライティング対策もある。独学では難しいところにフォーカスした対策がメイン。講師は少数精鋭のフィリピン人で、試験について熟知している。通常レッスンよりは単価が高めだが、独学できるから足りないところだけを補いたいという人にとっては格安で、本当に必要なところにだけお金をかけられる。メルマガやブログもお役立ち情報が満載。世界に通用する国際人を日本から育てようという意気込みが伝わってくる。

私は、英検準1級のライティング対策と2次面接対策でお世話になった。Skype使用。講師の人数が少ないので驚くかもしれないが、どの講師もレベルが高く、時間ギリギリまで熱心に対応してくれる。試験間際は予約が込み合うが、臨時でコマを増やすなどして対応してくれるというのも小規模スクールならでは。英検対策ができるスクールは他にもあるが料金が高いので、バリューイングリッシュは本当におすすめ。

回数無制限のネイティブキャンプ

ネイティブキャンプの特長は、1日のレッスン回数が無制限であること。思い立ったら何度でも短時間でもレッスン可能。毎日1レッスンをコツコツ受けるというのが向いていない人は試してみる価値あり。講師はフィリピン人だけでなく世界各国にいる。ネイティブもいるが、ネイティブ講師は別途コイン(有料、無料でプレゼントされることもある)が必要。お気に入りの講師を事前に予約しておきたい場合もコインが要る。必要コインの数は講師によって異なる。カランメソッドの受講もコインが要るので、料金+コインで考えたほうがよい。自習教材も充実している。専用システム使用で、スマホでも受講しやすい。

私は、仕事のない日しか受講できない時期に、毎日1レッスンが基本の他スクールではもったいないと思いネイティブキャンプを選択してみた。時間の枠を気にせず、思い立ったらいつでも受講できるという気軽さは、すきま時間を有効に使うにはよかった。ただし、講師を選ぶのに迷っていると、あっという間に他の人に取られて?しまい、よりいい講師を選べないのがストレスになってしまったのは残念。1つの教材のボリュームが大きいので、キリのいいところで終われないこともあった。効率よく受講するには、予習をして必要なところだけをレッスンしてもらえるよう最初に要望を伝えた方がいいのかも。

ビジネス英会話のBizmates

仕事で英会話が使えるといいなというあこがれから、ビジネス英会話専門のスクールBizmates(ビズメイツ)を無料体験してみた。フィリピン人の講師だが、ビジネス特化型だけあって、料金は高い。最初にレベルチェックがあるのだが、ちょうど無職だった時に受講したので、自己紹介すらうまく言えず、最初のレベルからのスタートになってしまった。仕事が決まっていなかったので、具体的に職場のイメージもできず、あえなく撃沈。当時はSkype使用だったが、専用システムも選べるようだ。

王道の3スクール目、レアジョブ

必要なサービスが一通りそろった王道のスクール。教材は他スクールに比べると少なく、見直しもたびたびあるので、教材にこだわる人には少々使いにくいところがある。教材は順番に沿って進めなくてもかまわないが、例えば実用英会話教材はキャラクター設定、ストーリー性があるので、慣れるまでは順番を変えると不都合な点が出てくるかもしれない。

講師はフィリピン人で、タイプがバラエティに富んでいて、自分にとっての当たり外れが大きい気がした。専用システム使用。

ZA English(Ays Englishより名称変更)

しばらくオンライン英会話から遠ざかっていたとき、プレゼントで紹介していただいた、カランメソッドもあるごく一般的なオンラインスクール。レッスンの進捗は基本自分で管理しなければいけないスクールが多い中、スパルタコースがあるので、やらなければならない環境に身をおきたいという人や、一歩踏み出せずに躊躇している人にはいいかもしれない。残念ながら私には受講したい内容がなく、講師も選ぶ基準がなかったので、体験のみで終了。

自習内容をチェックするスパトレ

新しいスクール。講師はフィリピン人中心だが、他国講師もいる。Skype使用。開設当時は安い料金体系があったため、それを狙って受講してみた。市販教材とオリジナル教材があり、初回の実力テスト後におすすめ教材を提示される。そのおすすめ教材を自習し、その成果をレッスンでチェックするという仕組み。残念ながらおすすめ教材がいまいちピンとこなかったため、断念。

子どもから大人までKimini英会話

学研系列のスクール。子ども向けの積み上げ式カリキュラムが充実しているが、大人も受講できる。平日昼間のみ受講ができる安いウィークディプランが専業主婦だった時期には重宝した。子どもでもわかりやすく使いやすい専用システム。全体的にフィリピン人講師が若くて経験が浅いのがかえってフレッシュな感じ。

様々な分野のトピックで会話ができるようにニューストークコースを受講。ニュース記事が長いので、25分では最後まで終わらない。数段落に区切って音読し、発音のチェックや内容を確認し、トピックに関することをディスカッションした。時々、話し過ぎて聴く時間が長くなってしまう講師がいたので、そこに食いついていく能力も養いたいなと思った。

まとめ

何を話していいかわからないという人は、まず口を動かす練習としてカランメソッドやDMEメソッドがおすすめ。メソッドに対応しているスクールはいくつかあるが、English Bellは安定した環境を提供している。英検などの試験対策で独学では足りないところを安くフォローしてくれるのはValue English。学校で習った英語を積み上げてスキルアップしたい比較的若い人にはKimini英会話も良い。

無料体験のレッスン数を増やしたい人は、価格.com経由で申し込むといい。

迷ったらまずは無料体験。体験していくうちに、スクールを選ぶ基準がわかってくるので、最初から1つのスクールに決める必要はない。無料体験だけでも相当のレッスン数が受講できる。自己紹介も洗練されてくる。

ちなみに、私が次に試してみたいのは、中国語の体験もできる産経オンライン英会話Plus、ネイティブ講師とグループレッスンが受けられるEF English Live、ネイティブ講師と短時間から受講できるCambly。




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