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「マリンガ★マランガ」企画書

🔽キャッチコピー(50字以内):


人とサキュバスのコンビで織りなす
 エッチでハッピー💖な騙し合いサバイバル


🔽あらすじ(300字以内):

 100年に1度の魔王選抜戦。
 魔界からやってきたサキュバスによって選ばれたのは、引きこもり大学生の猪橙いとうだった。
 当初は突拍子もない話に戸惑っていた猪橙だが、魔王となり超常の力で『願い』を叶えるため、参戦を決意する。
 しかし淫魔から分け与えられた簡易魔法ファストアビリティを扱うには『淫力』が不可欠。よってサキュバス、地雷系幼馴染の春菜はるな、もう1人の王候補・まななどといちゃいちゃチュッチュエロエロしながら他の王候補を打倒していく。
 7人の魔王候補・マランガと、彼らを見い出し仕える使い魔・マリンガ
 性癖をこじらせた彼らとの過酷な生存競争が始まる。


🔽第1話のストーリー(1000字以内):

 とにかく現世こっちでえっちなことしてしまくって私と魔王を目指しましょう!
 断るっっ!! 誰がするか!

 日課の自家発電中に現れた裸の女。
 幼馴染・春菜のあられもない姿にひっくり返る猪橙いとうだったが、その正体は彼の『愛する者』に変化したサキュバスだった。
 あなたを魔王にしに来たと嘯く痴女を叩き出そうとする猪橙。が、合鍵を使って春菜本人が入ってきたので、ベッドの下へ隠す。
 春菜は着替えながら、猪橙に大学に来るようにそれとなく話す。しかし上の空の猪橙に、春菜はなにを思ったか彼のデカい腹を勝手に枕にし、眠る。

 朝。猪橙はガラ空きのファミレスにサキュバスを連れ出す。サキュバスは2人の仲を茶化してから話す。
 ――100年に1度、7人の淫魔が地上に降り立ち、淫魔らに選ばれた者の、1人が魔王になる。
 ――王候補をマランガ、使い魔である淫魔をマリンガという。
 そして契約はすでに成されたと伝える。猪橙には、両親の離婚を止めるため、悪魔のお呪いに縋った過去があった。
 しかし済んだ話であると一笑に付す猪橙に、サキュバスは初めて笑顔を崩す。

「悪魔との契約を舐めてもらっては困ります」

 魔法を使う。店員や客をまとめて昏倒させ、羽をはためかせて向かう先は、猪橙の弱所。
 春菜のいる大学だった。

 その頃、春菜は大学の友人(ゆめかわ系)に愚痴を溢していた。
 内容は猪橙のヘタレぶり。次の講義に向かった春菜を見送ると、すぐに汗だくの猪橙が到着。高層階へ行ったことを伝える。

 太った体で懸命に駆け上る猪橙は過去を想う。
 離れていく人々の影。
 戸を出ていく母の背。
 幼馴染が、合鍵を受け取ってくれた時の顔。

 講義室の学生をみな昏倒させ、春菜を抱えるサキュバス。
 猪橙は口にする。
 恩義を返さなければいけない。そのために懸ける願いを思い出した…と。
 決意を聞き、あっさりと春菜を離す。
 というよりサキュバスが魔法を使えるのは説明用の1時間だけであり、あとは魔王選の間使用が禁じられる。階下より人が迫り、慌てる猪橙にサキュバスは魔法を与える。それは、悪魔が最も得意とする魔法をひとつ貸し与えるというもの。

 簡易魔法ファスト・アビリティ外貌変化マスカレード
 
 春菜を運び、警備員の姿を解く。途中で目覚めた春菜に、猪橙は後で話すと言う。

 ある優男が言った。
 忌まわしき魔王選抜戦マランガ・フィートが始まった、と。

🔽第2話以降のストーリー(3000字以内):

2話
 サキュバスの魔法は説明のための1度きり。以降は簡易魔法ファストアビリティとして王候補マランガ自ら力を振るわなければならない。
 その発動には、人が性接触の際生み出す『淫力』を必要とする。事を知った春菜は淫力精製の協力をおずおず申し出る…。

 サキュバスの指導の下、部屋の雰囲気づくり、アロマの用意、ホットチョコレートの摂取など様々な下準備が行われる。これらは古代・中世において媚薬として機能したものだ。
 薄着になり、細かく手指や足先に触れ合い、昂りを交換する。撫で合い。ハグ。初めて味わった密着する互いの肢体にますます熱気があがる。
 サキュバスの指導下で行われた『徴収の儀』で淫力の素となる精力を吸われクタクタになる春菜。一方で、色んな所が元気いっぱいな猪橙。サキュバスによれば猪橙は「精力が極端に強い体質」であるという。
 春菜は舌と舌をキスさせ、今日はまだ・・これで、と部屋を後にする。
 お互い、悶える。

3話
 自室で煩悶繰り返す猪橙にサキュバスはナンパを提案する。
 一つに、引きこもり生活で弱った対人力の改善。
 二つに、猪橙の簡易魔法ファストアビリティはあくまで外見の変化だ。同時に欺き謀る技術を磨かなければ使い物にならない。
 という理由であった。
 適当な雑誌のイケメンに変化し、繁華街へ出た猪橙たち。当然失敗を繰り返す。サキュバスは外貌変化マスカレードの力を借り、小動物に化けて見守る。
 そんな中、やけに喰いついてくる女学生が1人。…見たことがある。それは春菜の友人のゆめかわ女子・麻美まさみだった。
 話を聞けばモデルにしたイケメンが彼女の『推し』アイドルだったらしい。不幸な偶然に、偽名で乗り切ろうとする猪橙。グイグイ来る麻美。振り払おうとして、転ばせてしまう。

 手を差し伸べた瞬間、細腕が背後から麻美の胸の中心を貫いていた。

4話
「…これ・・じゃない」
 腕が引き抜かれたが、麻美の胸には傷一つない。しかし意識が途絶してしまう。
 背後に立っていたのはツリ目がちな、病的に細身な少女。次はこちらに狙いを定めてくる。
 猪橙たちは麻美を抱えると瞬時に『煙幕』を張る。
 王侯補マランガの襲撃に備え設定した、外貌変化マスカレードの応用形である。
 動揺する群衆をよそに、通りの外れまで逃げてきた猪橙たちだが、構わず現れ、少女は的確に猪橙を狙う。
 触れるなというサキュバスの助言に従い、何とか躱し抜く猪橙から少女は狙いを移し、意識のない麻美を捕まえる。
 麻美の腕を掴むが、すり抜け、2人は路面に沈んで消えた。
 
 人質を取られ、サキュバスは撤退を提言する。しかし麻美は春菜の友人である。恩人の友を見捨てることは猪橙にとっての義に反する。
 透過する少女の出方を待つ間、殺気立つ猪橙と違い、サキュバスは冷静に思案を巡らせる。
 透過は古来より寝床にもぐり込んで来た淫魔らしい魔法だが、詐欺や誘惑ではなく透過それを最も得意とするとなれば、かえって淫魔らしくない。彼女にはそれが不審だった。

 数十分後、矢文の形で知らせが届く。
 講文社ビル。3時間後に来いと。

5話
 未だ舌キスの余韻が抜けず自宅で暴れる春菜に、サキュバスから着信があった。
(サキュバスは猪橙からプリペイド式スマホを与えられていた) 
 事情を話し、もしもの際の淫力供給役として春菜を呼びつけた。それに人質奪還戦となればまず人手がいる。

 夕刻。猪橙は時間通り構文社ビルへ足を踏み入れた。使い捨てのスマホが置いてある。メールで次々指示が送られてくるので、そのうちサキュバスと分断される。
 ひとり地下へと赴く猪橙。その胸中は不安でいっぱいだった。恩義の為なら自分の身は惜しくない。惜しくはないが、怖い。失敗して人を死なせる事も、春菜を傷つける事も。
 着いたのは、密閉された狭い地下室。
 身を躱す場所もなく、透過を使う少女は逃げ場に困らない。
 すり抜けた腕は死角から猪橙を狙う。しかし当たらない。猪橙は外貌変化でネズミになった。人では入れないダクトから逃げる。慌てて少女も透過を駆使して追う。
 彼女はインカムの通話で誰かに呼びかける。

 一方サキュバスは人間への外貌変化を活用し監視カメラ室へ侵入。カメラで麻美を探す手筈だが、しかし中には警備員ではなくもう1人の淫魔がいた。

「ネフティス!」
 
 エジプト九柱神がひとつ。
 彼女は神として伝えられるが、しかしネフティスは長兄オシリスの寝床へ秘かにもぐりこみ、不貞を働き子を孕んだ伝承を持つ。
 ミイラ作りにも関わる神で、サキュバスが視る、包帯のみを体に巻いた姿は、つまりその正体が吸精の妖怪・マミーであることを表している。
 サキュバスは即座に猪橙へ連絡を飛ばす。

 しかし猪橙はネズミなのでスマホを見られない…。

6話
 時間はやや巻き戻り、作戦実行前。
 サキュバスは淫力と簡易魔法ファストアビリティの関係について詳しく説明する。
 現状猪橙たちが溜められる淫力は、変化の幅の大きさにもよるが、外貌変化マスカレード5分程度が限度。それは敵側もさほど変わらない、どころか、猪橙の精力は優秀無比。敵がそれ以上の淫力を保有している可能性は低い。追いかけ合いになれば敵の淫力が先に底を尽きる。
 そして使い魔マリンガは『説明のための1時間』を除き、主人の簡易魔法ファストアビリティ以外の魔法の使用及び、人間への直接的な暴力を禁じられている。サキュバスが場所さえ伝えれば、非力な春菜でも危険なく人質を奪取できるだろう。
 以上を踏まえ、猪橙は春菜の参戦をしぶしぶ了承した。

 そして現在。
 逃げおおせ、猪橙は当初より広めの部屋に滑りこむ。
 同時に淫力が尽き、簡易魔法が解ける。サキュバスから着信が入っていたことを汗だくで確認する。メッセージで「正体はネフティス」とだけ送られても猪橙には分からない。
 そこへ、上階から敵の少女が透過してくる。
 なぜか半裸だった。
 やや唖然となる猪橙。
 思わず尋ねると、彼女もどうやらハイになっており、あっさり答える。――先ほど行きずりの露出プレイで淫力を補給して来たのだと。20秒しか持たないが、彼女は触れた相手ごと透過できる。そして相手の透過範囲のみを意図的に狭めることによって、触れて捻れば即切断の攻撃を仕掛けることができる。
 勝利を確信し、透過の少女は紅潮した顔で妖しく笑った。

 一方、春菜と通話するサキュバス。
 監視カメラで掴んだ麻美の居場所を教えながらも、猪橙の状況を見てヤバいヤバいと慌てる。20秒間触れてはいけない相手と狭い一室で一騎打ち。もう魔法は使えない。
 そんな状況に春菜は言う。

「それなら大丈夫でしょ」
「アイツああ見えて元中学柔道チャンピオンだし。そのくらいなら楽勝よ」

 ……。
 少女を袈裟固めにする猪橙。 
 大きな体格。太い四肢。透過の少女の毒手を避け続ける反射神経。そして無尽蔵の精力。猪橙とはまさしく柔道・柔術に非常に向いた男であった。
 透過が切れ次第10秒で締め落とした。なまった体にしては上出来である。
 そのうち春菜から連絡が入って、麻美を無事確保したことが分かる。ほっと一息を吐く。
 さて…この娘はどうしたらいいか。
 意識を失い倒れる華奢な少女に、恐るべき巨漢の影が近づいていく。


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