Marvel's AvengersとANTHEMは何故死んだのか

特にANTHEMがな!!!!
いやいや分かってるんです。
バグが多い以前にトレハンゲームにした癖に最高レアがめっちゃ渋いとか、バグが多かったが故にデバッグに時間を取られすぎてコンテンツ内容を増やせなかったとか。ロードがゴミとか、とかとかとか。
そんな主な死因ではなく、良い点悪い点を語った上で、むしろ死ななければどんなゲームになっていたのかと言うIFを妄想したい。
まだプレイ出来るので死んで無いとか夢見がちな事は言いません。もう殆ど死んでます。
それぞれに良い面と悪い面がありますし、共通した良い面と悪い面はあまりないと思われます。

Marvel's Avengers
2023年9月30日、開発会社であるクリスタルダイナミクスは本作の販売及びサポートを終了しました。
2020年9月4日、全体的に荒削りながらも唯一性を持って世に放たれた一本のゲームは、この度俺に惜しまれつつも大枠この世を去りました。
天にましますゲームの父よ、資金繰りって残酷ね。アーメン。

それはさておき。
まずアベンジャーズの良い面は何を置いてもキャプテン・アメリカを筆頭に、アベンジャーズの面々をアクションゲームとして遊べる事。そしてそのアクション面の出来が良い事です。
また、操作方法はある程度共通にも関わらずキャラ毎のプレイ感覚がしっかりと差別化されているのでプレイ幅が広い。その上で各キャラに近接特化・遠距離特化・スペシャル技特化という大まか3つの成長方向がある為、キャラクター一人でもビルドによって使用感が変わるのも良い。
しかし、そのビルドを保存しておく事が出来ない為、キャプテン・アメリカの遠距離ビルドがある程度固まったから次は近距離ビルドを試してみる……というプレイスタイルはやりにくい。
このクエストはこのボスだからこのビルドにして行こう、がやりにくいのはゲームとしてマイナス点になります。

また、クエスト制を採用しているがマップの広さと食い合わせが悪い様に感じる。
フィールドはクエストによって色々用意されているし、それなりに広い。
それだけなら良い面として数えても良いかも知れないが、同じコンセプトのフィールドが2つも3つもあってもあまり意味がない。
それなら一つのフィールドを1.5倍に広げて、スタート地点とゴール地点をクエストによってバラけさせた方が余程良かったし、一つのフィールドを(平地になっている所や入り組んだところ等を盛り込んだり)もっと作り込みめただろう。
更には広いが故にクエストクリアにも地味に時間がかかるというデメリットがある(そうではないクエストも勿論ある)。
それに、無目的にフィールド探索が出来ないのも痒いところに手が届かない。

しかし、リアッセンブルからエイムを狙え、ワカンダの戦いのメインシナリオやキャラ毎のミニシナリオと、プレイアブルキャラクター数を6キャラから最終的に12キャラまで無料で増やしたのは途轍もない努力の賜物であったろう。が、マネタイズの失敗でもある。
キャラクターのコスチュームやモーションでマネタイズするつもりだったのだが、初期のコスチュームはコミックスベースだった為フォトリアルな3Dグラフィックとの親和性が著しく低く、有り体にいうと非常にダサかった。MCUインスパイアのコスチュームは出来の良いものも多かったので、最初からそれが出ていれば良かったと思うが後の祭りである。

もっとサービスが続いていたのならキャプテンマーベルやウォーマシン、アントマンくらいは追加されていたはずで、そこまでキャラが増えればシビルウォーとしてPvPも実装されたかもしれない。というかシビルウォーが一つの到達点になるだろうし、実装されれば不動の人気を獲得出来たと思う(アメリカではな!)。
最近のMCUの動向を鑑みるに、ロキやシーハルクも実装されたかも!?なんて夢は広がるばかりである。
ストーリー面では、エイムを狙え時点で5年後にクルー人が地球侵略にやってきて人類は負ける……という未来が提示されていました。
それを回避する為にAIM、アベンジャーズの敵であるモニカは暗躍し、それにホークアイも協力しています。
が、その5年が経つ前にサポートが終了してしまい地球はクルー人に襲われずじまいで、おかげでこのゲームの地球は更なる混乱に陥らずに済んだ……なんて皮肉が効きすぎているだろう。
その為にメインストーリーの敵がAIMだけで終わってしまい、敵の幅が少ないという負の影響までもがある。
個人的な妄想だが、発売から一年でAIMを狙え、二年でワカンダの戦い、三年目でアントマンの復活があれどアベンジャーズ内で諍いがあり、四年目で決定的な決裂を迎えシビルウォーに突入しアベンジャーズが分裂・離反、五年目にクルー人が地球に攻めてきてキャプテンマーベルの参戦と離反したチームも協力してクルー人の勢力第一陣を退ける……なんて流れがあったのかも。

発売直後はメインストーリーを繰り返し遊ぶ事も出来ませんでしたし、ヒーローは世界に一人だけという思想によりマルチプレイで同じヒーローとマッチングする事はありませんでした(個人的には素敵な表現だと思っています)。
販売後しばらくして追加されていった新しいゲームルールのタキオンストームクエストも魅力に欠けたのが痛い。
それでもキャプテンアメリカとして盾を投げ、アイアンマンが空を駆け、ハルクが敵を薙ぎ倒す。このアベンジャーズ体験は他のゲームには無い最大の魅力です。
今ではダウンロード版でもセールで1000円とかだったりするので、気になる方も手に取りやすい。
MCUを追いかけるくらいのマーベルファンであればマストバイの一本でした。過去形が悲しいですが。

思いの外長くなってしまったので、ANTHEMの話はまたの機会にしたいと思います。

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