56.運動は好きじゃない

 学校の近くには遊園地があり、部活のない日曜日など、友達同士で遊びに行ったり、豊島園のプールにもよく行っていた。
私は小学生の頃から、友達の家に遊びに行く時も、友達同士で出かける時も、いつもバスや電車。
学校が家の近所ではないから、必然的にそうなるわけだけど…

それを考えると…
我が子ども達の小学生の頃は、近くの公立小学校に通っていたし、普段電車に乗り慣れていない。
友達同士で近くのプールに行くのも、心配で仕方なかった。
ケータイのある時代、まぁ迷子になっても友達のケータイでなんとかなるだろう。
(ケータイは持たせていなかったから)

電車に乗って遊びに行くのは反対していた。
事故に遭ってしまわないだろうか、どこかで攫われてしまわないだろうか、心配は尽きないので、小学生のうちは行かせなかった。
自転車で行かれる範囲のみ。
正直、自転車も事故に遭ったり人に迷惑をかけてしまわないか心配で仕方がない。

でも、昔はケータイなんてそんなものはなく、電話番号も殆ど頭の中で覚え、何かあればあちこちにある公衆電話に駆け込む。

私の母は、どんな気持ちで私を送り出していたのか…
それとも慣れてしまって、近所に行くくらいの気持ちだったのか。

私は、心配が多すぎて無理…^^;
心配し始めると、底なし沼にはまったようになるので、もし何かあったらその子の運命だと考えるようにしていた。
毎日心配は尽きなかったが、大きな事故には遭うことなく彼らは大人になった。

夏休みが終わると、初めての文化祭。
女子校に、唯一男子が入れる二日間。

「〇〇ちゃんの彼、文化祭に来るんだって〜!!」

いいなぁ〜

「ねぇねぇ!
好きな子いるんでしょ⁇
文化祭に呼んじゃいなよ!!」

と、そそのかされKくんに電話してみる事にした。
誘ってみると…

「行かねーよ」

一言で終わった。
そりゃそうだろう^^;

Kくん、ごめん。
いいんだよ、それで。
文化祭に来ちゃったら、私の方がビックリしちゃうよ。
あ…声変わりしてた

文化祭では、高校の校舎に行って、先輩たちの模擬店やお化け屋敷、〇〇研究会とかのお部屋を回った。
校庭では、ソフトボールの試合をやってる。
友達が大活躍してた。
体育館では創作ダンスの発表や演劇、カラオケ大会が行われていた。

たくさんのお客様が来ていた。
ご近所の人たち、子どもたち、生徒のご家族やお友達、学校見学の高校生。
一番最初の小学校の時に見てた文化祭とは、雰囲気も規模も違うけど、学校にいるのに、楽しんでいられる二日間は夢のような時間には変わりはない。
食べ歩きしても、誰にも怒られない!

そんな楽しい二日間もあっという間に終わり、中学1年の大きな最後の行事、体育祭の練習が始まる。
球技大会に引き続き、憂鬱な日々。

中学校での体育祭は高校生と一緒に行われる。
私は応援団に入った。
中学生の制服はセーラー服。
応援する時は、この夏の白いセーラーが衣装代わりとなり、ネクタイだけをブルーの透けるような薄いサテンに替えて、白いスコートを履いて、両手にポンポンを持って応援する。

身長143cm、体重38kg ちっちゃな私だったから、先輩に振りを大きくするように指導された。
ポンポンの作り方も、この時に教わった。
幅広のビニール紐がこんなフサフサポンポンになる事に感激した。
上手く丸くできなくて、友達が手伝ってくれた。
私は愛おしい我が子のように、毎日ポンポンを櫛でとかした。

楽しいのはここまで。

体育祭なんて、どうしてあるんだろう…
ついでに球技大会も無くしてほしい。
折角、スキー教室のない学校を選んだのに〜…

答えの出ない事によく悩む。

校庭が狭いため、体育祭は東京体育館で行われる。
初めて入った時、その広さに圧倒された。
体育館の緑の床。
めちゃくちゃ滑りそう。

転んだらどうしよう…とか、振り付けを間違えたらどうしよう…とか、悩みは尽きない。
根がネガティブなのでたくさんのことで悩む。

あんな硬そうな床で転んだら、どんなに買いたいだろう…

案の定、徒競走などで何人かの先輩たちが転んでいた。

ひゃあ〜…

それを見たら、ますます怖くなった。

応援団のみんなと応援している時が、一番ホッとした時間。
そして、みんなで食べるお弁当の時間と、休憩時間の体育館散策が、唯一私の楽しい時間。
運動嫌いなので、体育祭は心から大嫌い。

体育の授業も、唯一好きだった跳び箱が全く飛べない。
だから最後の数人の中に入る。
みんなに見守られながら、最後の一人になりたくなくてとりあえず、頑張る。
M学園の時は、七段まで跳べたのに…
なぜ、中学生になったら、跳び箱の幅が広くなるのか。

ちっちゃい子もいるんだから、サイズを変えて欲しいよ…

来年は中学2年生。
制服を作る時に、
「すぐ大きくなるわよ。」
と、採寸のおばちゃんに言われ、大きめに作った制服。
まだまだ大きい。

早く背が伸びないかなぁ…

毎日鏡でスカート丈を確認する。

…続く……🎭


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