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セクシー田中さん、と小悪魔教師♡サイコの騒動に見る残酷な現実


まず、記事を書くにあたって芦原妃名子さんのご冥福をお祈りいたします。

漫画、小説のクリエーターと商業化。セクシー田中さんの騒動と芦原さんの自死のニュースを知り、ついこの間も似たようなことが起きたな、と思った。ネットのコミック、小悪魔教師♡サイコをめぐる原作者、漫画家、出版社のいざこざを思い出した。

ことの経緯は、三石メガネ氏が小説として小悪魔教師♡サイコを執筆し、原作管理をtasky社が行っていたのを、ぶんか社が合田蛍冬氏に作画依頼して漫画として出版したもの。ところが、tasky社が同じストーリーの漫画を並行して出版。私も実はこの漫画の読者だったのだが、同じタイトルの作画の違う漫画が広告に出てビックリしたものだ。

これが問題の発端となり、もとの作品の作画の合田氏が驚愕。後発漫画の差し止めを要求。tasky社と今回の件でビジネスを行ったぶんか社に対しアクションを求めた。当然だろう。

この過程で、原作管理者で後発漫画を出したtasky社は原作者、作画者の三石氏、合田氏ともにクリエーターとしてリスペクトしており、クリエーターに非はない、と声明。また、後発作品に対しても修正を実施した。

いっぽう、ぶんか社については、合田氏は誠意ある対応に欠け、訴訟の可能性を言われたが嘘だったこと(これはびっくりしますよね)と主張。tasky社に対し矛をおさめたものの、ぶんか社に対しては訴訟を起こした。詳細な経緯についてはこちら。

https://www.corporate-legal.jp/news/5417

tasky社とぶんか社。クリエーターに対しリスペクトがあったのはどちらだろうか?

合田氏の代理人を務める弁護士はこうコメント
「漫画とは、漫画家が心身を削って創作するものです。原作をベースに創作した漫画が、努力により大ヒットした場合、原作者側が同じ原作を使って参考にして制作でき、出版社もその行為を止める義務もないとすれば、先行する漫画を創作した漫画家は使い捨てのような扱いを受けることになります。このような行為がまかり通れば、全ての漫画家は本件と同じようなリスクを負うこととなり、今後、原作付の漫画が創作されない事態にもなりかねません」(一部改変)

このままではクリエーターが浮かばれない。あまりにも残酷。原作者であれ作画者であれ脚本家であれ、モノを作る人たちに対してもっともっと敬意を払う社会でありたい。

今回のセクシー田中さんの件で、日テレと小学館に対応に間違いはなかったのか?まるで他人事のような日テレ。丁寧な説明が待たれる。

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