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文春に一太刀

お笑いタレント、松本人志やサッカー日本代表、伊東純也に対する週刊新潮、文春の性加害疑惑報道をきっかけに、週刊誌、とりわけ週刊文春に対する見方が厳しくなってきた。

大手メディアが取り上げる影響力はいまだ大きい。最近では週刊誌がその力を持つようになっているようだ。とりわけ、週刊文春の記事は文春砲などとされ、ひとたび文春砲を浴びればその人の社会的地位が吹き飛びかねないほどすさまじいもの。もはや文春自体が閻魔大王よろしく絶大な力を持つかのようになったのが昨今のありさま。

ところが、松本人志報道でその潮目が変わりつつある。文春に対する疑問が持たれ始めてきた。確かに、文春を鵜呑みにしてターゲットになった人の名誉を、時には社会的地位をなくしてしまっていいものかと強く思う。

実は文春は結構裁判で負けている。ジャガー横田、のん(能年玲奈)、橋本徹、東国原英夫、ざっと挙げただけでこの通り。問題なのは、文春に記事が出て、当事者の名誉は大きく傷つけられたのにその名誉は裁判でも回復されにくいと言ったところ。特に、かつて立憲民主の衆議院議員であった青山雅幸氏のケースはあまりにもひどい。青山氏は、当選直後に女性に対する加害疑惑で文春砲を浴びたが、これも女性の虚偽によるものであることが裁判で判明。しかし、そのときは既に青山氏は政治生命を断ち切られ、すべてのキャリアを台無しにされている。

同じように最近では自民党の木原誠二官房副長官の妻に対する文春の記事が問題になった。記事は自殺が実は他殺ではないかということ、更に木原氏の妻が関わってるのでは、というもの。が、肝心の証言があやふやで、私も文春主催の記者会見を見たが、客観的証拠はなく、“刑事の勘”が主な証拠。とてもまともにとりあうものではなかった。

文春はいい記事も書いている。アマゾンやユニクロの労働環境、ジャニーズ性加害など、社会的意義のある“文春砲”だってあるのだ。しかし、無条件に権力を持たすのはやめよう。いま、ここで文春に一太刀、は必要かもしれない。もっとも、文春の記事を鵜呑みにする人たちがいて、これが権力の源泉となっている。そうした人たちをこれからは文春信者と呼ぶことにする。盲信はダメ、絶対。

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