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新分野進出の落とし穴(ケーススタディ)

*新分野へ参入する際によくある話です。

このケースは、長年、産業機器製造に特化していたX社が、自社の技術を用いて全く新しい市場に進出した事例を記載しています。新しい素材の採用と異なる業界の顧客への対応が主な焦点です。

長年にわたり産業機器の分野で特徴的な機器を製造してきたX社は、ついに産業機器以外の分野への進出機会を手に入れました。ある会合での出会いが、新たな商談へとつながったのです。

新しいビジネスでは、X社の既存技術を活用することになりましたが、使用する素材は従来の経験とは異なるものでした。幸いにも、素材の取り扱いに問題はなく、ビジネスは順調にスタートしました。

しかし、生産がスタートすると、様々な課題が浮かび上がりました。特に、異業界の取引先からのクレーム対応において、X社は未経験の対応を迫られました。これにより、リソースの追加が必要となり、外郭団体とのやり取りや素材に関する内部教育が増加しました。

結果として、市場シェアを奪われ、生産は終了してしまいました。幸い、自社技術による投資が少なかったことは、不幸の中の救いでした。

長年のビジネスでは深堀の限界があります。隣の芝が青く見えることもあるかもしれませんが、新規事業の特性を見誤ると、冷や汗ものです。

議論点

  1. 新規市場進出の際のリスク評価の方法は?

  2. 異業界への進出において、どのように業界固有の課題に対応すべきか?

  3. 新しい素材や技術を採用する際の挑戦とリスク管理は?

  4. 既存技術の新しい市場への適用時に考慮すべき点は何か?

*X社はケース上の企業です。

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