前回「シャント」のつづき

前回は「シャント」を作るまでをお話ししました。これで物理的には透析を受けることができるようにはなりました。しかしこの状態で「透析クリニック」へ行ってもすぐにやれるわけではないんです。

 わたしは30年来の糖尿病から糖尿性腎症になり、結局腎不全となり人工透析となりました。現在の処(2023年)透析はほとんどが公費負担、国保においては手続きのしようで0円で受けることができます。社会保険でも月額10000円程度でできるところがほとんどのようです。本来なら一回で30000円位かかる治療です。それ故開始にあたっては厳しい審査があります。血液検査を繰り返し、数値の悪さが一定数を超えないとGo!してくれません。透析を通告する内科では、だいたい3ヶ月後には透析になるなといったところで通告してくれるんですが、この時点で身体がどうなっているかというと、尿毒症で足はパンパンに浮腫み、100m歩くのも容易ではなくなってしまっています。歩いているとしだいにしゃがみ込んでしまうくらい足が動かせなくなります。このタイミングで転んで怪我でもしようものなら、傷口からバイ菌が入り、脚チョッキンとなることが多々あるようです。元々糖尿病の悪化だけでも脚や目とさよならしてる人もいるくらいですから、この3ヶ月間は充分な注意が必要です。働いてる人はひとまず休職しておいた方が良いでしょう。

 透析クリニックの先生は、この審査待ちの間、浮腫をとりあえず抑える為、利尿剤の飲み薬を大量に飲ませ利尿を促進させ水分を取ってはくれるんですが、これが逆にクレアチニンの検査数値を下げてしまい、なかなかGo!が出せないといった事にもなってしまいます。この間わたしは何回も自費でも良いから透析を始めてくれとお願いしましたが、先生曰く「人間はそんな簡単には死なないから」と言ってやってくれませんでした。すなわちGo!出せる数値を一度でもクリアしないと自費で行った透析で検査数値が改善してしまい、透析を導入できないまま検査検査の繰り返しとなってしまうわけです。
何ども、透析始める前にこのまま「死んじゃう」じゃないか思ったものです。
それにこの頃「新型コロナ」の全盛期で、志村けんさんは亡くなるは、岡江久美子さんも亡くなり、わたしと歳の近い有名人が大勢亡くなっていました。医者からは「コロナもらったら100%死ぬよ、透析よりもそっちを気をつけて」なんて事、マジで言われたもんです。ほんとうにこの頃は恐くて病院へ行く以外はほとんど家でごろごろして凌いでいました。

 まあ、好き放題やってきた代償というやつですね。ようやく我が身に降りかかって気がつきました。

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