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山ちゃんのこと④いのちを守ること

山ちゃんは、動けなくなって3日後の7月11日に亡くなりました。

その日は日曜日で、朝10時半頃様子を見に行ったのですが既に息絶えていました。まだほんのり暖かかったので亡くなってからそんなに時間は経っていなかったと思います。

一人ぼっちで死なせてしまったことが、更に心引き裂かれるような思いになりました。が、それ以上に山ちゃんはもっと心細くて不安だったろうと思うと苦しくて自分の思いなどどうでも良いと思うほどでした。

恐らくは要麻痺だったのだと思います。
でも、死因の究明はされないままでした。亡くなったヤギは産廃扱いになるという事もその時に知りました。それはどうしても受け入れられず、レンタル会社の人にお弔いしてほしいと頼みました。

山ちゃんがよく食べていた草を切って亡骸の上に…

担当者の方が会社に掛け合って、ペットとして和束町のペット霊園でお葬式をして貰えることになりました。これこそ、人間の勝手…人間の心を納得させるだけの事なのだと痛感。
それでも、最期はみんなで送ってあげたかった。

山ちゃんの亡骸を運び出すとき、チョウロウはずっと付き添っていました。そして見送っていました。
あんなに頭突きしてたのに、でもやっぱりチョウロウは仲間の事がちゃんと判っているのだとその時にも驚きました。
海と凪は、ママが死んだ事もわかっていなくて…いつも通り、草を食べていました。強いものだなと思います。

※以下、山ちゃんの亡骸が運ばれる様子です。苦手な方は閲覧にご注意ください。



この日は酷い蒸し暑さで、少しでも温度の低い所へと運んで頂きました。
チョウロウはずっと横にいました。情の深い子だと思います。

…もっと大切にしてあげたかった。

思う事はただそれだけ。

‘動物‘という、今まで触れた事のなかった生き物への覚悟が無かった自分と、甘く考えていた自分。
動物と暮らすという事は、綺麗な事ばかりではない。
辛い状況にも立ち向かえる覚悟も勇気も必要だった。
この先も同じことが起こったらと思うと、怖さと自分への情けなさで、ヤギさんを手放すべきかとも思いました。

後に起こった、だいちゃんの事と状況は違いますが、自分の甘さや間違いを正さなければという思いにもなりました。

山ちゃんが残してくれた海と凪をしっかり育てる事、チョウロウの頭突きにも立ち向かいチョウロウを理解する事で少しは見える事があるのではないかと思いました。手放すよりもその方が辛いし、しんどいかも知れないけれど…私はチョウロウ達と一緒にいる事を選びました。

山ちゃんのお髭と首輪…今も傍に置いています。

お髭、綺麗だったね。まだ6歳だった…

臆病で、のんびりやさんで、おっとり者だった山ちゃん。
もっとブラッシングとかしてあげたかったよ。
美味しいもの優先的にあげたかったよ。

ごめん、ごめん、ごめん、ごめんね……

今でもだいちゃんの事と同じく、山ちゃんを思わない日は無い。
でも、自分の`辛い`なんて大したことじゃなくて…

山ちゃんが亡くなってから、チョウロウ達を飼い続けるのなら覚悟をしようと決めた。

この環境で飼うための覚悟と、動物と過ごすための覚悟。
簡単ではなかったし時間もかかったけれど、カエルも蛇も、チョウロウの頭突きも怖くなくなった。
※カエルは子供のころのトラウマにより、本当にダメだった。情けないけど…写真やイラストを見るのさえダメだった。
今は触れはしないけど、大丈夫。共存しています。

今の私だったらもう少し守ってあげられたかも知れない…
ヤギと過ごすなら、この子たちを守るんだという覚悟と決意を持つ事を山ちゃんに教えられたのかな…

山ちゃんが亡くなった翌日、チョウロウにごめんねを言いに行った。
その時のチョウロウの表情…

こんな悲しそうな顔見たことなかった。
チョウロウは山ちゃんが死んだこと、ちゃんと判っていた。

チョウロウがこんな顔をしたのは、後にも先にも初めてだと思う。
こんな悲しそうな顔…
チョウロウと一緒に泣いた。

改めてたくさんの事を教えてもらった。
山ちゃん、ありがとう。
チョウロウ、こんな私でも一緒にいてくれてありがとう。

山ちゃんが亡くなって1年2か月後にだいちゃんが亡くなった。
その時の思いは、「だいちゃんのこと」で書きました。
学習出来てなかった事もある。
命を預かるには私は未熟でダメなところ一杯あるのだと思う。

それでも、今いるチョウロウ、海、凪、水君…この4匹の命はとことん大切にしたいと思っています。
4匹も確実に年を取っています。
私より先にいなくなる…日々そんなことを思わない日はありません。
その日が来たとき、私は耐えられるのだろうか?と思うと怖くなる。

それでも、一緒に過ごせる時を大切にしたいという思いが勝る。

本当にヤギレンタルと云うシステムには疑問しかありません。
※きちんと管理し、大切にされている業者さんもあると思うので、そこは私の思いとしてお許しください。

吐き出したいような思いもありますが、だいちゃんの事も併せて全て記録し、データとして然るべき所へ報告したいと思っています。

飼養されているヤギさん、それ以外の動物の全てが愛されますように。
愛せないのならば、手元に置くべきではないと思います。

山ちゃん、海と凪を生んでくれてありがとう。

4匹がしっかりとヤギ生を終えるまでは…

山ちゃんが残してくれた海と凪のいのちを守る…チョウロウと水君が健康でいられるよう観察する。
私の生活はヤギーズ最優先です。
今は、それが幸せだと心から思っています。


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