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謹賀新年・山ちゃんのこと②

2024年となりました。
本年もどうぞよろしくお願い致します。

止まっていた記事の続きを書こうと思います。読んで頂けると嬉しいです。

角のあるチョウロウはとにかく強い。
山ちゃんはいつも小突かれていた気がします。
可哀そうだと思っていても、私もまだチョウロウに慣れておらず、山ちゃんは山ちゃんで傍に行けば警戒心でサッと離れてしまうしで、なかなかコミュニケーションが取れなかった。

そして、その当時の私は強い子は強い、弱い子は弱い…自然ってそういうものだ、とぼんやりと思っていた。

普段は、法面に生えている草を食べていました。冬だったので、枯れている物も多かったですが、まだ地面には青草もあり、乾草と青草の両方を口に出来ている状態ではありましたが…美味しそうな物を食べていると、チョウロウが必ず邪魔をしに行くのです。

あの強い角で「どけっ!」と一突き。
おっとりの山ちゃんは怖がって逃げるしかなかったようでした。

でも、今にして思います。
もう少し守ってやれば良かった、と。
せめて人の手から何かあげている時は、山ちゃんもしっかり食べられるような工夫をしてあげたらよかった、と。
だってこの子たちは野生の中で生きている訳じゃないのだから…

年が明けて、大雪が降っても元気に外へ出ていっぱい草を食べていました。
子ヤギだった海と凪も、チョウロウに小突かれながらも少しずつ距離を取る事を覚えたり、逃げる事を覚えたり…。
絶対亭主関白のチョウロウ一家はそれなりに幸せな光景を見せてくれていました。

四匹連れだって草を食む姿は本当に癒しでした

3月頃から…
山ちゃんの鼻先の毛が薄くなった気がしていました。
それから、授乳しなくなったおっぱいが大きくて重たそうで…そのままで良いのか?すごく気になっていました。
でも、やはりレンタル会社の人はその様子を見ていても特に対策を取るわけでもなく自然な事なのか、神経質になる方がおかしいのか、と思っていました。

後から振り返ると耳もかじられた跡がある。
チョウロウにかなり小突かれていたのかな。脚の爪もものすごく伸びている。
こんな状況を許してはいけないのだと、今は心に強く思っています。

記事を書きながらも、山ちゃんの写真を振り返ると、この時にどうしてこの状況を「異常」だと判断できなかったのか、自分の無知さ、鈍感さに腹が立ちます。この姿が、しっかりSOSを出していたのに…

チョウロウに追いやられるストレスもあったのか、時々お腹を壊してもいました。でも、お腹に関しては自然と治って(そう思っていただけ)コロコロのうんちになっていた事もあり、そんなに大変な事とも思わず…
そして、冬の間はこの法面に生えた草だけを食べていました。殆ど枯れたものです…。栄養も足りて無かったのだと思います。でも、レンタル会社の方はその点に関しても問題視していないようでした。

春が来て、青草が生えて、食べる物が増え始めて少しホッとしていました。が、気温が上がり始めた頃に、やっぱり山ちゃんが元気がない、と確信しました。
お腹も壊している事があって、なんとかお薬を貰って飲ませてという日々を繰り返していました。調子の良い時もあったりしましたが、見ていて毎日の不安はぬぐう事は出来ませんでした。

そして、6月末…京都の梅雨は高温多湿が厳しく…山ちゃんの体調も不調続きとなっていました。
ヤギさんにとってはこの気候は大変厳しかったでしょう。時を戻せるならもう一度山ちゃんに会って、もっとできる事をしてやりたかった…
今でも苦しいほどに思います。

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