紙の加工屋さんを探す

紙の加工はいろいろあって、加工屋さんを探すのはなかなか難しいです。

つい先日も、紙を重ねた真ん中を糸で縫うタイプのノート(学習帳みたいな感じ))の加工会社を探すことになりました。
僕は製本の知識はほとんどないので、このタイプのノートの製本の呼び名すら知りません。

「糸」「製本」「糸綴じ」とかいろいろ思いつくままに検索をしていたところ、「糸綴り」という加工があることがわかりました。
「糸綴り」という加工が、今回お願いしたい加工かどうかもわかりませんが、とりあえず聞きに行ってみようと思い、「糸綴り」屋さんをグーグルマップで調べたところ、いつもの僕の行動エリアにあることがわかり、一度行ってみることにしました。

入口のテントに「○○糸綴り」と書かれていましたが、中には誰もいないかんじでした。
「すみませーん。」を徐々にボリュームを上げながら3回~4回繰り返し、ようやく、社長らしき70歳前後の男性(以下社長)が出てきてくれました。

名刺を出しながら、「お忙しいところ申し訳ありません、紙屋なんですが・・・。」と話し始めたら、すぐに、
「ウチは紙買わない。」と言われました。
これは、「お客さんの印刷物を預かって、加工をしているから、自社で紙を買うことはない。」という意味です。
僕は急いで、
「すみません、紙の売込みではないのです、糸とじの製本のご相談です。私は紙屋ですが、製本のことは何にも知らないのです。お客さんから聞かれて・・・。」とか言うと、
「あ、そうですか、紙の売込みではないんですね、そしたら、機械見ながらのほうがわかりやすいと思うから、どうぞ。」
と中へ通してもらいました。

初めて見る機械でした。糸が機械の中を複雑に通されていました。
社長がゆっくりと機械を手で回しながら、「これがこうなって、ここを通って、こういう風になります。」と丁寧に説明してくれました。
僕は、持っていっていた加工見本を見てもらい、その加工ができる方法があるか、ちょっと粘り強く聞いてみました。
ですが、結局のところ、残念ながら今回僕がお願いしたい加工はできないということでした。

要件が終わり、少し社長と雑談しました。
非常に著名な方の作品写真集の仕事を毎年続けていること、昔は同業者が近所に数十件あったが、今はほとんどなくなってしまったことなど、いろんな話を聞かせてもらえました。
僕みたいな素人にも親切に時間を割いてださり、ありがたいことでした。

こうして、いろんな加工屋さんと話をさせていただきながら、次の仕事の依頼先を見極めるカンみたいなものが養われていくと思っています。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?