若さをできるだけ使わないように生きてる

サガンの処女作「悲しみよこんにちは」を読んで 
気に入った言葉。

今読んでよかったなとすごく思う。
未熟で未完成な少女の思想に心から共感するには
読者が未熟である必要があるから。

主人公が部屋でもんもんと理論武装を固める姿や
自分の考えを人にぶつけて、それに相手が感心してくれたら信じられないほどの快感が身体をめぐるあの感覚。

もう子供であることが言い訳にできない年齢に近づくと
知性や教養によって、周囲の大人たちに認められたくなる。

シリルの気持ちがよく分かる。
愛しさと共感で、抱き合いたくなる。


自分より歳を重ねている人が
まるで神のような、悟りを開いた存在に感じることがある。
そのような人の人間らしい姿は、私を幻滅させるかもしれない。
きっとそのことも、その人は分かっている。
よりいっそう、遠い存在になる。

言葉にできない感情を
絶妙に言い当てられる気分になった。

サガンの作品を初めて読んだが
独特な言い回しが多いから
翻訳はさぞ難しいのだろうなと思った。

悲しみよこんにちは

心の中でつぶやきたくなる響きである。

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