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だれかの独り言

僕はどこにでもいるただの人間だ
それといった特技も特徴もなく
才能やセンスがあるわけでもない
生きるだけで一苦労な
そんな人生を送っている
二十年この世界に住んでみると
憧れが現実という言葉に壊されかけている感じがする
夢を叶えても苦しむ人がいれば
夢を叶えれば楽に暮らせる人もいる
後者の方が多い気がするが
何も知らないのに結論だすのは今はやめておこう
とにかくこの世は理不尽なことが多い気がする
おかしいな
この世は理不尽じゃないと思っていたんだが
子供の頃みた世界はフィルターでもあったんだろうか?
そのくらいこの世は理不尽で、平等でもなく、公平でもなかった。
いつ気づいたんだろう
それはきっと小学生の頃だ
僕は生まれつき皮膚の病気を持っていた
ものすごい重症という訳ではないが、
それでも毎日辛かった。
親や友達も「大丈夫?」と心配してくれるが
逆に言えばそれだけだった
これ以上を求めてしまう僕も悪いが
子供ということもあってわからなかったんだろう。
そしてこんなこともよく言われた。
「あなたよりも、辛い人はたくさんいる。それに比べればあなたの病気はまだマシ。」と
小学生の頃はたしかにそうだなあと思っていた。
しかし高校生の頃になると考えは変わっていた
僕よりも病気の症状が重症の人はいっぱいいるだろう。
だからと言って僕も病気を持っている。
僕だってつらい
重症者に比べればマシかもしれないが、
持病をもっていない人から比べれば僕もつらい方に入るんじゃないんかって。

そう考え始めた頃から、僕は病気を持たない僕の人生のことを考えてみた。
いわゆるもしもの世界だ。
おそらく偉大なことは成し遂げられていないと思うが、今よりは楽に生きているだろう。
またこんなことも考えていないんじゃないんかって。

もうひとつ考えてみる
仮にもしもの世界に行けるとしたら行くだろうか?
今の年齢のままそちらの世界にいけるとしたら本望だが、また最初からなら遠慮したい。
まだ二十年しか生きていないと第三者は思うだろう。
しかし僕はもう長いこと生きているような感じがする。
何なら十五歳くらいにはこの世のすべてを知っているつもりだった。
流石に今のは戯言だが
とにかく長いんだ僕からしたら人生というものは。
飽きたわけでもない、つまらないわけでもない、死にたいわけでもない
ただ長いそれだけだ。
そこにきっと答えはない
少しくらいなら答えがない問題があっても誰も何も言わないだろう。
多分ね
そんなことを考えていると空がオレンジ色に染まり始めた

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