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今どきのサボり方

うちの専門学校は、毎週日曜日にオープンキャンパスが開催されます。
高校生を対象に色んな体験をしてもらうのですが、洋画吹替体験では私が講師を務めます。

授業はもうないし、課題も提出してもらい、2年生はみんな卒業を待つばかり。
よーし、今度入学するかも知れない高校生たちに楽しく体験してもらうぞー! 講師の中で一人だけ学生とお揃いのTシャツを纏い、私は張り切ってオープンキャンパスに挑んだ。
しかし、その直前に2年生の担任の先生からショックな事実を告げられた。

「如月さん……、課題の事なんですけど……」

出席日数の足りなかった数名の学生に、今回私は3時間越えの映画の感想を課題とした。
文字数も800字以上とした。
文字数なんて指定したくはなかったけど、指定しないとまるでメモ書きみたいな課題を出す学生が居るからだ。
課題は授業に出ていなくても卒業してOK!の認定を出すもの。これくらいは向き合う時間を持って欲しい。

そうして提出された課題はどれも読みごたえがあり素晴らしかった。
うんうん、しっかり見て、自分の糧にしている! 気になったところ調べたりもしてる! 
「もう一度やり直し!」
と言った事もあるけど、今回の課題に関しては全員が一発合格だった。
ところがだ……。

「A子の提出した感想は、ネットのレビューのつぎはぎでした」

?!

「B男のはチャットGPTで作らせたものでした」

?!?!

な……んだと……。

ガッカリしました。
悲しかった。
色んな感情が湧いたけど、やっぱり悲しいが一番大きい。

はぁー、今どきの子はこうやってサボるのか。
私の時代にはなかったサボり方だよ。
悲しいな。そうやって手に入れた卒業認定、何か意味あるんかな。
正直やたら出来が良いと思ったんだよな。

それにしてもすごいなチャットGPTって。気付けなかったのも悔しいし。
講師としても、作家志望者としても、敗北した気分です。
やられた。

よし分かった。
今後は絶対に不正が出来ない様な課題を考えるからな。
今日のところは退散だー! ばかーっ!

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