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お菓子の王国はっぴーディアーズができるまで。~お店の売上を18倍UPさせた方法~Part1 建物編

お店のご紹介「お菓子の王国 はっぴーディアーズ」
HP https://happy-deers.com/
Twitter https://twitter.com/happy__deers

北海道長万部町にあるお菓子の王国「はっぴーディアーズ」と言います。
タイトルはたくさんの方に見ていただきたいため、興味を惹き付けるために過剰なタイトルとさせていただきましたが、本当のことなので嘘ではありません。自分たちのやってきたそのままをお伝えしたいと思います。
場所は北海道の長万部町という場所にあり、函館と札幌のほぼ中間地点、人口も5000人しかいない町です。

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昔は、かにめしや鉄道で栄えた町なのですが、近年は過疎化が進み、どんどんと廃れてきています。商店街も閑散としていますが、ほたての養殖が盛んなところで何とか保っているような場所です。

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(上)5年前、当時の写真。
ーーーそんな場所で5年ほど前、2015年から廃校になった小学校を改築し、お菓子の製造工場にしました。その時にかかったお金も莫大でしたが、そもそも借金のある会社でしたので、改装でさらに借金がかさんだわけです。
その時の心境は絶望です。
ほんとやっていける自信はどこにも無かった。
うまくいく確率を計算しても計算しても0.0%と常に考えていたくらいです。
売上を上げるために取引先を増やそうと営業に歩いても「あんた誰?」みたいな顔をすごいされて、最終的には新らしく口座開くの時間かかるんだよとお決まりのお断り文句を言われる日々です。直接取り引きをしてくれるところは無く、必ず問屋さんからというのがルールみたいでした。
長万部から函館・札幌は営業回ってからですと日帰りはできず宿泊の経費がかかりすぎる。その1万円さえも苦しい経営状態でした。

当時直売店をおまけという形でやっていて、月に30~60万円くらい売上でした。当時の写真は以下。

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まだお菓子の王国ではありません(笑)
またお客さんが靴を脱いでスリッパに履き替えてお菓子を買うというどうしようもないシステムで、大変ご不便をかけていたのにも関わらず、当時の私たちの思考はそれができる限界でした。
お客さんは口を揃えて「この建物は一体なんだと入ってみたらお菓子屋だった」ということで、かなり隠れ家的菓子直売店でした。

どうしたらよいのだろうか。
お客さんが来る方法は無いのだろうか。と模索する日々。
1日の売上は1~2万円ほどのお店。
改装しようにも大工の心得はなく、本職にお願いするとウン百万円もかかるとすぐ予想がついてしまうほど大きな建物です。

お店の近くにある「浜ちゃんぽん」というおいしいラーメン屋さんがあるのですが、そこはものすごい混んでいて、なぜうちにはお客さんが来てもらえないのか、答えのない日々と一向に良くならない経営状態。

【ご紹介】通称「浜ちゃんぽん」三八飯店さん
https://tabelog.com/hokkaido/A0105/A010503/1004641/

北海道で有名なところを模索することに。
そうすると自分たちのよく行くようなお店にそのアイディアがありました。

そうか、
北海道は「びっくりド○キー」と「ラ○キーピエ○」だ!

いつでもお客さんがしきりなしに大混雑してる。
びっくりド○キーとラ○キーピエ○を2で割ったお店を作ったら、おもしろいに違い無い!
でもモノマネになってはいけないのでスターバ○クス寄りにもしよう。でも色がマッチしない。ならばコ○ダ珈琲寄りにしようと、ざっくりとそう考えたわけですが、いろいろな問題はたくさんあります。
お店を作る技術が圧倒的に無い。
大工経験者もいない。のこぎりさえもったことが無い。
でもとにかくキャッチーなものをデザインしようということで、イラストレーターでロゴをデザインし、
やはり有名なところにキャラクターありということで、北海道と言えばエゾシカだからバンビっぽくしようと、知り合いのHuman Factory山口くんにお願いしようということでキャラクターを書いてもらいました。
ラ○キーではさすがにまずいので、ハッピーにして、鹿はディアー(deer)ということで、元々小学校だった場所ということで子供たちがいた場所だったのでディアーズ(deers)という複数形にしました。
ここでようやく「はっぴーディアーズ」というアイディアに至るわけでございます。

【勝手にご紹介】Human Factory
http://humanfactory.net/

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(上)思い切って、ロゴとキャラクターを作ってしまった。

ーーーさぁここからどうしようか。
デザインはできたけど、どうすることもできない。
繰り返しになりますが、建物を作る技術が無い。
ネット検索とYouTubeを見て調べる日々が続きます。
看板を作りたいけど、看板が高くて作れない。
そこで、看板よりも安く仕上げる方法を考えて考えて、カルプ看板というものにたどり着きました。

カルプとは板状の素材のひとつで、発泡ウレタン樹脂のことを指します。合成樹脂をベースに添加剤を加えた素材なのです。基本的な素材として発泡ウレタン樹脂が多く使われます。「カルプ」とは「カルシウム・イン・プラスチック」を略した単語。

カルプ看板ならば、約30万円くらいで作れる。しかも目立つ場所に!
お金が無いのですごく抵抗しましたが思い切ってクレジットカード5回払いで注文!
早速届いて、近所の大工さんから足場を借りて足場を組み、漆喰いで壁を塗り、カルプを取り付けました。
この作業する際にもいろいろな方にアイディアを聞き、本当にものすごく助けられました。

高所恐怖症にめげる時もありましたが、
本当に人は何かをやり遂げようとする時、目の輝きや表情など。そういう心から本当に出る何かを人は見てくれていて助けてくれるのかもしれません。その時は本当にうまくいくのかカルプで資金繰りがショートしたらそれなら仕方ないというくらいの覚悟をもって挑んでいたように思います。
いつでも背水の陣です。

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(上)壁にカルプ看板が付けられた。

ーーー作業風景の写真を誰も保存していないほど、必死だったのでしょう。笑
本当は載せたかったのですが、完成写真だけです。
この時点だけでも、むしろ工事現場の方がお客さんは何をやっているんだろうと来てくれたような記憶があります。

このあたりで1日の売上が4~5万円ほどで月に100万円以上の売上が出るようになりました。

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(上)カルプ看板完成でお客さんが入ってくれてここまで売上が上がりました。

ーーーそれから1、2ヶ月後、すでにライトがついた写真しかありませんが、電気屋さんにアーム型の投光器も発注しつけてもらった記憶があります。
たしか35万円くらいかかりました。

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(上)カルプ看板が光った。

ーーーちょうどテントを貼っている写真なので、思い出すと、お客さんを呼ぶためにはお祭りみたいな感じを出すのが一番だという理論があってよしそれやろうということになり、このテントでたこ焼きを焼くことになりました。
お菓子屋が作ったたこ焼きということで8個300円で売ったところGWに1日2~3万円売れたのを覚えています。
来てくれたお客さん一人一人に紙コップでたこ焼き1個をタダで配り、
外はたこ焼きの試食でしょっぱいもの、中ではお菓子の試食で甘いもの、プラス無料で珈琲を配り中和させるというサービスをやりました。
お客さんがいたれりつくせりですごく喜んでくれた光景が目に浮かぶように思い出さされます。

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(上)当時のお店の中の様子。

ーーーまだまだ経営は苦しいですが、これと同時期あたりに技術的な問題にぶちあたります。
「大工」です。
のこぎりでは切っているだけで時間がかかる、かといって丸のこを使うのが恐すぎて買えない。むしろ丸のこを買うお金さえももったいなくて買う気になれない。
そう思っていましたが、ちょうどイエローグローブで実家が大工の同級生に出くわし、連絡をとるようになり、お礼するからちょっと手伝ってほしいと誘ったところ、快く引き受けてくれたので、1日7000円払って手伝ってもらいました。

まず木材ってどこで買ったらいいんだろうかと相談し、たしかここって教えてもらって30km近くの八雲町の業者に電話して、お菓子屋なんですが木売ってくださいと。
「は?」って感じだったと思いますが、木材をタルキやコンパネや貫を買うことからはじまりました。当然木の名前も知らないので、指でさしてこれとこれと注文しました。大工やってくれる同級生がいるので心強いです。笑
適当に買って、さぁこんなの作ってくれってお願いし、商品を陳列する什器を作ってもらいました。什器1台の木材の材料費は5000円程度。
それにペンキを水性か油性か調べ水性のペンキを買って塗る作業。
商品もたくさん並べることができるようになりました。

ーーーそしてここからが大掛かりです。

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この吹き抜けの部分を店にしたくなったのです。(絶句)

続く。

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