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エツコさんとジョーさんに感謝

江戸絵画の華 〈第1部〉若冲と江戸絵画
@出光美術館
2023年1月某日

【1】生きものの楽園 ─ようこそ、プライス・コレクションの世界へ
【2】若冲の墨戯 ─絵筆による冒険
【3】浮世と物語 ─躍動をかたちに

1月7日から始まった「江戸絵画の華」。
出光美術館がエツコ&ジョー・プライス夫妻(プライス財団)から伊藤若冲の作品を中心に190点ものコレクションを受け継いだのは2019年のこと。2020年に展覧会でお披露目される予定でしたが、コロナの影響で開催延期を重ねていました。
ようやく観られる~と高鳴る胸を押さえつつ、ねっとり鑑賞してきました。グッときた作品を振り返ります。

【1】生きものの楽園 ─ようこそ、プライス・コレクションの世界へ

メインイベントは間違いなく「鳥獣花木図屏風」でしょう。枡目描きにクラクラ。予約制でそれほど混んでいなかったのでじっくり観られました。出光美術館の、一段下がったあの場所に鎮座しています。

枡目のなかにさらに4つの枡目が描かれていたり、グラデーションになっていたり。枡目は四角なのに、描かれている動物や鳥たちはまるっこくてキャラクターのよう。細密・超絶技巧に裏打ちされたほっこり感がたまりません。

すき間がないくらいたくさんの種類の鳥獣が描き込まれいて楽しい~。若冲お得意?前後左右に折り重なる鳥獣たち。めくるめく楽園の世界。よくこんなユニークな絵を描こうって発想しましたね。改めて若冲のおもしろさを堪能しました。

他の作者のパンチのある絵も。

・牡丹に唐獅子図屏風 水上景邨
 三者三様白緑茶のお獅子。緑のお獅子がいい面構えでこちらをガン見

・虎図 谷鵬
 かわいい顔していかり肩むっちりボディの虎

【2】若冲の墨戯 ─絵筆による冒険
水墨もすごい若冲。濃い墨薄い墨、筆遣い、自由自在に操ります。テクニックが冴えわたります。

・鶴図押絵貼屏風
 8羽の鶴 さまざまなポーズ 一筆描きで胴体を描いたかと思えば、表情や羽は繊細な筆遣いで。ずっと見てられるわ~

・黄檗山萬福寺境内図
以前訪れたことのあるお寺なのでチョイス。手前の岩が味がある

・鯉魚図
写生ではないデフォルメとトリミングの妙で勢いを感じる鯉。こりゃ龍になるわな~

・群鶴図
若冲といえば群れる鳥。ぐねぐねと折り重なる鶴たち。この鶴の足はどれだ?この足の鶴の頭はどこだ?

【3】浮世と物語 ─躍動をかたちに

・蕭白筆群童遊戯図屏風模本 横山華溪
曾我蕭白の元絵を写したもの。どうりでなんか観たことあるな~と思っていたら。オリジナルがすでに不気味ですが、この写しもなかなか。ぎょろっとした目、くわっと開いた口、それぞれに遊びに集中しすぎてイっちゃってる表情の子供たち。鼻水が垂れても気にしない

・婦女遊楽図 不詳
お姉さんたちが仕事の合間?の息抜き的にリラックスしながら戯れている。当時の風俗が感じられてなんかこういうちょっと力の抜けた感じの好き

・達磨遊女異装図 竹田春信
 着物を取り替えて、すんとすましている達磨さんと遊女。なにか禅の教えがあるのかもしれないし、ないのかもしれない

・妓楼酒宴図 河鍋暁斎
スポンサーをもてなす幇間の顔と体の動きが秀逸。プロ根性を感じる。冷静にお代の話をする遣り手とお大尽と淡々と接客する芸妓たちのコントラストがこれまたおもしろい。
暁斎先生の絵って、結構いろんな展覧会で展示されてるけどすぐわかる。独特なあくの強さがあるのかな。好きです。

他にもものがたりを感じる屏風もおもしろかった。
いやー改めて、ジョー・プライス氏の審美眼と財力に敬意を表するっ!

最後に…今日のおみや
どこの図柄が出るかはお楽しみ~なピンズ入り抹茶飴。
ぬるっとした海の動物が出ました。


抹茶飴にはいっていた謎の生き物のピンズ

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