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「転ぶしかない」とき

スキーやスノボをする人なら「初めてリフトで山の上に登ったとき」を思い出してみてください。パノラマに広がる銀世界に感動しながら、「果たして自分はここから平地に生還できるのだろうか?」と足が竦み震える瞬間。

「こんなふうにして滑り降りていけばいいだろう」とシミュレーションしていたはずだけれど、いざ滑り始めたらアイスバーンやらコブやら他の滑走者やら。想定外の障壁が現れて、あれよあれよと態勢が崩れ、「転ぶしかない」状況に陥ることがあると思います。

私が最近「転ぶしかない」状況になったのは仕事の中ででした。「初めて学生さんに講義をする(持ち時間長め)」チャレンジがありました。

講義のはじめは快調に滑り出せたのですが、中盤に来て想定しなかった事態が起こり始めたのてす。「何だか流れがチグハグで話しにくいな」「学生さんたちの反応が薄いな、楽しくないのかな」など、不安と自信のなさがどんどん大きくなっていきました。それでも取り繕いながら話を進めていきましたが、ゴール間近で途端に弱気になり、ついに、

「もういい、よく頑張った」

という心の声が・・・「転ぶしかない」という号令がかかり、用意してきた内容を飛ばすという残念なことをしてしまいました。

講義後、後味が良いわけがなく、凹みました。でも、どんなに用意周到に備えたとしても、“初めて”のときには誰だって転ぶはず。大切なのはきっと、転んだあと、どう起き上がるか?

「初めての」は怖いけれど、そこを乗り越えたから強くなった気がします。次は100分、転ばずに滑れるように、反省をバネにしようと誓うのでした。


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