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公共交通機関格安移動ファイル3:足で稼いで見つけろ!チケットショップ

前回まで話していた大阪から北陸へのアクセスはもちろん他の移動、特に主要都市間の移動は主にネット予約により安く移動できるものであるため購入が面倒くさいと感じる人もいらっしゃる。
そこで今回は足で稼いでみよう。チケットショップだ。


アナログ派の格安移動の要

ネット予約が苦手な人にとってはチケットショップはまさに格安移動最後の砦というべきだろう。
支払いは現金のみ。キャッシュレス化進む昨今だが、取引の関係上クレジットなどはいずれも導入するつもりはないだろう。

色々な券を取り扱っているからJRの株主優待券については次回話すとして、かつては使えていたのに、廃止された商品の多発により苦境に立たされているところを話そう。

淘汰されていく商品達

2010年代後半からチケットショップは窮地に立たされている一因は「客寄せパンダ」とも言うべき「商品」を鉄道各社が次々と販売終了したからだ。

JR昼間特割きっぷや普通回数券の廃止

2018年9月末まで販売し、2018年ギリギリまで利用が出来たJR西日本の企画乗車券の中でも圧倒的人気を誇っていた「昼間特割きっぷ」。
平日は10~17時の乗降が、土休日は終日使えるいわば「時差回数券」であり、当時のチケットショップでは仕入れ原価+少し追加の薄利でバラ売りされていた。
これをエサに他商品の購入促進に繋げる関西のチケットショップの看板商品だった。
参考価格(販売終了の2018年時点)
・大阪~三ノ宮
通常運賃:390円
昼特きっぷバラ売り一枚あたり:250~300円
・大阪~京都
通常運賃:540円
昼特きっぷバラ売り一枚あたり:350~380円
これを見ればICカード使うのがバカらしくなるほど安く使える乗車券だった。
しかしこれはICカードを普及させたいJR側にとっては由々しき事態であり、2018年に販売終了の強硬手段に走った。
昼間特割きっぷが無くなった後普通回数券はかろうじて売られていたが、昼特きっぷに比べればかなり割高だ。通常運賃に比べても20~30円安い程度だった。それでも少しでも安くいきたいから購入していく人は多かったが、競合する私鉄の回数券の方に流れていたトコは否めない。
そんな普通回数券も2022年末に販売が終了しいよいよアナログ派の格安移動が厳しくなってきた。ICに移行させたいあからさまなJRの悪策にチケットショップと利用客はため息ばかり出ただろう。

近鉄特急のお得なきっぷの終了と株主優待券の高騰

名古屋と大阪を結ぶ近鉄のきっぷも当初は乗車券と有料特急券がセットになった回数券をバラ売りで3500円くらいで販売されており名阪間を安く行くのに重宝していた。しかし近鉄も次第に特急券はチケットレス割引に転換していき、そのきっぷも販売終了。
大阪~名古屋の乗車券のみの回数券のバラ売りがたまにみられる程度になった。
そこで代わりとなったのが近鉄の株主優待乗車券だ。前のきっぷの販売終了前は「例の回数券」が売り切れてたらチケットショップ側が進めるサブ的な立ち位置で影が薄かった。販売価格も1,500円前後だった。
しかし「例の回数券」が無くなると株主優待乗車券がメインになってしまい価格が高騰!販売価格も2,000円前後になってしまった。そこにアーバンライナーの特急券料金(1,930円)を足すと4,000円前後になってしまった。
まあ近鉄の通常運賃も値上がりしてる分まだ安い感はあるのだけれど…

新幹線回数券の廃止

かつては新幹線用の「指定席回数券」が販売されていたが2022年に販売終了。スマートEXやEX予約に移行するよう促すためであった。
2024年7月現在東海道新幹線においては「自由席回数券」は一部の区間が販売されており、チケットショップはそれを仕入れてバラで販売している。
しかしそれも2024年末に販売終了して2025年3月には利用も終了してしまう。
これはチケットショップ潰しが加速化してしまう…

ネット予約とICへの傾倒化

ここまで便利で安いきっぷはチケットショップと利用者を共に潤してきた。しかしそれを妬んで次々と回数券販売を終了させて、ネット割引による商品を提供し続けてきた。さらにはICカード普及のために改悪ばかりしてきた鉄道会社。
これによりチケットショップは大打撃を受けた。

悪あがき商品

だがチケットショップ側も黙ってはいない。根気よくチケットショップを回っているととんでもない代物に遭遇することもある。

それが日付・方向完全限定の格安新幹線切符。これはさすがにネットでは見つからない。
・自由席のみ(追加料金による指定席変更ができない)
・新大阪→東京への完全な片道きっぷ。方向変更不可。
・大阪市内、東京都区内の他の駅までの乗車不可。
・乗車日時完全固定で変更不可。
とめっちゃ縛りがある。
でも自由席ならどの新幹線でもOKなので都合が合うなら11,500円~で新大阪→東京に乗れてしまうものなのだ。
また乗車券のみを2000円くらい安く販売して、特急券を別に買ってもらうと言う手でしか生き残れないのだろうか?

昨年これを見つけた時、GWに東京で突発的に行きたいところが出来たので購入してみた・・・
その切符の正体は「実際に探して買った者のみぞ知る」と言うくらいすごい特殊な「仕入れ方」をしているものだった。
しかし帰り用の東京→大阪方面の切符はなかったので帰りは日付変更可能な自由席特急券で帰りましたが・・・(12,500円くらい)
これでも24,000円で大阪~東京を新幹線で往復できたというなら安い方だろう。

ここまでくると鉄道会社はICカードやネット予約への移行促進以前にチケットショップ潰しにかかったなと悪意ある行動しか見られない。果たしてこれからチケットショップが生き残る道は、そしてアナログ派が安く移動する為の手はあるのだろうか?あと頼るのは交通以外のイベントや映画だろうな。
今回はなんか格安移動ファイルと言いながら、過去の商品ばかりですみませんでした…

後これは戯言になるが一番言えるのはチケットショップに頼るアナログ派でもスマホは持っているわけだから、JRは購入方法や操作を一から教えるコンシェルジュを配置するべきである。それくらいしないとチケットショップはなくならないよ。

次回はそんなチケットショップで扱っている株主優待券について語ろうと思う。

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