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私が出来上がるまで(初めての彼氏)30

初めての高校。
制服はありません。
洋服をケチな母が買ってくれるはずはありません。
仕方なく1〜2着は買ってくれたかと思います。
子供の頃からお洋服をあまり買ってもらえてなかったのがトラウマになってか、大人になってからはお洋服に散財しました。
貧しくはないはずの家系なのに、母の超始末屋の性格でとにかくお金を使ってはいけないと感じた時期が続きます。
15才の子供の私がお金を生み出すには至難の業でした。

少し幸運なことに、私は成長が早かったので、小5あたりから155センチくらいあり、高校に入る頃も160センチあるかないかくらいであまりサイズが変わっていないのです。
既存の洋服を色々アレンジし、大した知恵もない中ファッション誌やテレビのタレントの衣装を参考にそれ風にしていました。
母の仕事着を借りたこともあります。
紺のスラックスを制服に見えないようにシャツやベルトでアレンジしたつもりでした。
私は決してセンスがいいわけではないです。
なのできっとダサいのがバレていたと思います。

この高校でバスケットボール部に入りました。
バスケは以前から得意だったのと、球技が大好きでした。
ポジションはシューティングガードというポジションでしょうか。
点取りではなく、ボールを敵から奪い取るのが得意でした。
走るのが速くて、すばしっこかったのです。
敵の隙がよく見えていました。
一瞬を逃さず、体に触れることなくボールを奪っていました。
そして、何よりも負けず嫌いで気が強かったのがスポーツする時に出てました。
高一で補欠選手でしたが、試合に出してもらえました。

ここで、私は少し大人の恋をします。

バスケ部のキャプテンに。
私は面食いです。
背が高くてジャニーズ系の王子様のような人が好きでした。
そのキャプテンI先輩は全然理想とは違います。
高三なのに老けてました。
お顔立ちはお猿かゴリラに似てます。
当時私はハンドメイドに凝っていて、フェルトマスコット人形をよく作っていたのですが、その先輩にお猿のマスコットを作ってプレゼントしたことがあります。
身長もすらっと高い人が理想でしたが、そんなに高くもありません。
姿勢も悪いし、ちょっとヤンキーちっくです。
趣味でバイクを乗っていました。
見た目は全く好みではありません。
しかも不良っぽい人は特に好きではありません。
けれど、どんどん惹かれていくのです。

キャプテンになるだけあってしっかりされてました。
話をするととても大人びて見えました。
16才の私には18才のキャプテンは大人です。
I先輩は人を責めたり、すぐに怒ったりしません。
何事も的を得たことを言います。
物事の考え方に魅力を感じていたのです。
包容力を感じていました。
それでいて結構面白いのです。
中身が好きになれば、外見までいい顔に見えてきます。
いい顔をされていたと思います。

私は好きな人には素直に全面に出る方です。
人懐っこい性格なので、よりなつきます。
なので、とても可愛がって貰いました。
クラブの帰りには自転車で二人乗りをして途中まで帰りました。
毎日先輩に会いに学校に行っていた感じでした。
あの時間がとても楽しくてドキドキして、貴重な時間でした。
小学生の時の恋とは少し違う気がしました。
I先輩とカップルになりたいと思ったのです。
ずっと一緒にいたかったのです。

けれど、先輩には既に好きな人がいました。
一つ年上の先輩がずっと好きで思い続けているのです。
付き合っているわけではないけれど、一途に好きだと聴きました。
告白してフラれているとも聞いていました。
それでも思い続けているというのです。
なので、私は彼女にはなれないと悟りました。
私のことは妹のように思ってくれていたのだと思います。
それにしてもずっとペアでいました。
私がくっついて行ったからかもしれませんが。
私を特別に可愛がってもらっていました。

この先輩の親友で同じバスケ部にN先輩というひとがいます。
彼はジャニーズ系の甘いマスクで、かっこいい先輩でした。
そのN先輩からある日告られたのです。
N先輩の目線から、好んでもらっているのは気がついていました。
けれど私はI先輩が大好きだったので、2人で話したこともありません。
けれどもI先輩と実ることはないのです。
見た目しかわからないけど、超ハンサムなN先輩の告白に好きでもないのにOKを出してしまいました。

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