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お店で(3つの話)



1話 所沢のホームセンターで


店内を探し物をしながらしばらくうろうろしていた私は、通りかかった店員さんに声を掛けました。

👴あのー、すみませんが…。

👩はい、なんでしょう。

👴火をつける、あの、何とか言うのを捜しているのですが…。

👩それは、マッチとか?

👴マッチじゃなくて、ライターでもない。あっ、「ガッチャマン?」でしたっけ?

即座に
👩はい、それはアニメになりますね。(笑)


👴あははー!

👩うふふ。

👩チャッカマンはこちらですよ。

👴ありがとうございます!

かくして、笑いに火をつけてから、無事、目的の商品を購入することができました。



2話 池袋のデパ地下で


夕方の混雑するデパ地下の中で、妻と私はカレーセットを買おうとしていました。

👩‍🦱夜は、このカレーセットにする?

👴いいね。ご飯は家にあるから、ご飯はついていなくていいんじゃない

👩‍🦱そうね・・・

これを聞いて店員さんが話しかけてきました。

👧サフラン米のサフランは消化を助けるって言いますね。

👴・・・しょうか・・・


これにクスッと笑った店員さんが続けました。

👧で、今の時間はナンがつくんですよ。


ここで妻から、まさかの親父ギャグが。

👩‍🦱そうナンだ・・・



もうダメというくらい笑い転げながら、頑張って付き合ってくれた店員さん。

👧そうナンですよ! あら、私たち同世代ですね!(大笑)

👴じゃあ、二つお願いします。

👧ありがとうございます。

カレーを受け取りながら詫びを入れる妻。

👩‍🦱(笑いながら)寒くてごめんなさいね。


すると店員さんから洒落た反撃が。

👧温めてお召し上がりください。


完全に負けました。




3話 オークランドのショッピングセンターで


買い物苦手な私だが、孫に玩具の一つでもと街中をさまよい、ひょいっと入ったショッピングセンターの目の前で、化粧品売り場の若い女の子二人が待ち構えていました。

👱‍♀️👩‍🦰あ~ら、そこのお兄さん、このクリームを試して!

👴なんじゃね、それは?

👱‍♀️👩‍🦰いいから、これで手に付けてゴシゴシやってみて!

👴ふむふむ。しかし、買わないよ。


👱‍♀️👩‍🦰いいから、いいから。ほら、こんなに汚れが!

👴あらら。今朝、シャワーを浴びたばかりなのになぁ。

👱‍♀️👩‍🦰おじさん、ちがった、お兄さん、死海って知ってる?

👴もちろん、知ってるとも! 

👴じゃあ、わしからの質問ね。死海の海面が毎年低くなっているのを知ってるかな?

👱‍♀️👩‍🦰知ってるわよ! 



👱‍♀️👩‍🦰話をそらさないで! これは、その死海の塩を使った商品で、素晴らしい美容効果があるのよ。

👴わしは男だ。綺麗な男なんて気持ち悪いわい!


👱‍♀️👩‍🦰まあまあ、そういわないで。試しに買ってみない?

👴いらんわい。



👱‍♀️👩‍🦰(話を何とか繋げなきゃ・・・) そうだ、おじさん、もとへ、お兄さん、毎年どの位の人が死海に行くか知ってる?

👴いや、知らん。どの位?


👱‍♀️👩‍🦰500万人よ!

👴ゲゲゲ、の鬼太郎じゃな!


👴じゃあ、あなたたち、毎年、死海で何人死んでいるか知ってるかい? フフフ・・・。

👱‍♀️👩‍🦰えっ、・・・。


👴ウフフフ・・・。

👱‍♀️👩‍🦰し、死んでないわよ!!


👴まあな。じゃあ、死海の塩がどうしてミネラル豊富なのか知ってるかな?

👱‍♀️👩‍🦰そ、それは、色々な理由があってよ。


👴色々って?

👱‍♀️👩‍🦰色々は・・・色々よ。


👴オリンピックの水泳選手たちがプールの中でオッシコしている話は知っているだろ? 

👱‍♀️👩‍🦰それは、話題にしたくないけど、聞いたことある…。


👴死海に入った人たちも同じだよ。紀元前から今日に至るまで、信じられない数の人たちが、こっそり海の中でオシッコしたり、ウンコしたり。

👱‍♀️👩‍🦰やめて、やめてー!!


👴それが1滴残らず塩の中に。君たちはそれを顔に、体に・・・

👱‍♀️👩‍🦰きゃ~、もうダメ――! 


👴さらばじゃ!




会話の最後は、あんなふうに話しの展開をしたら面白かったろうなーという創作だが、死海の水はどこにも流れ出ないので、あらゆるものが沈殿、凝縮しているのは間違いいない。


そんな死海の塩を使っている人でも、泥エステや鶯の糞エステもあるから、気にしない、気にしない!

それにしても、あのセールスガールたちは、朝から厄介な年寄りに声をかけてしまったことを悔いたことでしょう(笑)。


あの後、彼女たちから逃れた私は、なぜかこっそり手の甲をさすってみると・・・

なんと! すべすべーー!


こんなにすべすべ肌になるなら、男はやめて女の子になりたい!と思った程です。


あれを買うべきだったか悩みながら夜を迎え、次の朝になってもすべすべーー!


飛行機に乗って、日本に戻って女房に見せた時もすべすべすべー!


「あああ、妻のために買っておけば良かったかな~~~!」
(まあ、日本でも買えるけど)と、少し後悔しながら、その夜は風呂に入り旅の疲れを落としました。


そして、翌朝。

再び、すべすべを期待しながら手を見ると、そこにはシワシワの手が!😱

「えっ!」


そんな筈じゃないと、妻に見せると

「あーら、いつもよりシワシワじゃない?」

「やっぱり!?」

ワッハハハハーーー。

二人で大笑いです


慌ててニベアクリームを塗りましたが、どうなんでしょう? もともと、シワだらけだったのかもね。


何はともあれ、束の間、高級感に浸れた幸せがありました。

今度、「伯方の塩」で試してみるかな・・・。

 




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