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靴のこと

小学校の音楽で「木琴をぶら下げて通ってた」ことを懐かしんでいたら、冬の体育ではスキーを担いで行ってたことも思い出した。

そうそう、ブルドーザーがかき分けた雪道を友達と前後になっておしゃべりりながら歩いていて、友達の話に振り返ると、担いでいたスキーが前の人に当たったりしてね。ごめん、ごめんって。

当時のスキーを履いている写真が1枚あってね、それが上の写真なんだけど、スキー靴じゃないんだ。普段の長靴のままスキーが履けるタイプで「カンダハ」と呼んでいた。今のノルディックのように踵が上がるんだ。


この写真を眺めていたら、突然、長靴のマークが「」だったことを思い出した。そうだ、ミツウマだ!!

恐ろしい。それこそ60年も考えたことのなかったメーカー名を、こんな風に思い出すことがあることに驚いた。小さかった頃のことを思い出そうとしていたら、体のどこかの細胞が「はい、どーぞ」と、記憶の扉を開いてくれたに違いない。なんと有難い、なんと不思議なことだ。


外履きの短靴もミツウマだった。ゴムの短靴は水が入ると何とも言えない奇妙な感覚あったが、川に行ったときなどは、靴一杯に水を入れ、上から「パン!」と踏みつぶすと水が勢いよく飛び散って面白かった。そんなことをして遊んでいた。

雨上がりの道路には、自動車から零れたオイルで虹色に輝いている水たまりがあったが、「靴が弱くなっちゃうからね」と入らないように注意されたものだった。


上靴は「月星ぐつ」に変わっていった。最初に買ったとき、洒落た感じの名前で選んだことを覚えている。

ミツウマ」に「月星ぐつ」…そんなことを懐かしんでいたら、今、またもや突然に、「アサヒシューズ」のマークが記憶の底から飛び出してきた。


いろんなことを思い出してきて楽しく驚いている。この不思議な能力を、物忘れが激しい昨今の自分に使えないものだろうか?

(まこと)



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