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文化祭の思い出/お化け屋敷と第三の男

■お化け屋敷

高校2年の文化祭。もう、遠い昔のことだ。僕は先輩たちの「お化け屋敷」に誘われた。

一教室を借りて部屋をカーテンで真っ暗にする。通路は他の教室から幾つもの下駄箱を借りてきて作り、下駄箱の上や陰からお化けの格好をして入場者を驚かすのだ。暗闇の中には「ヒュ~、ドロドロドロ~ン」と不気味な感じの音楽が流れる。これは先輩がエレキギターで弾いてテープレコーダーに録音したもの。

脅かし役には、「絶対に触ってはいけない」のルールが敷かれていた。竿に吊るした「こんにゃく」はOK。

前年は気絶者が3名だったので、全員、記録更新を狙っていたが、その年は2名で終わった…(笑)。


■フォークダンス

その「お化け屋敷」の準備中、体育館からフォークダンス曲が聞こえてきた。文化祭最終日にグランドで焚火がたかれ、そこで踊るための練習だったと思う。

行きたいなー」と思っていたら、お化け屋敷の仲間が「ちょっと行ってきていいぞ」と言ってくれたので、喜び勇んで走って行った。

紋別北高校のグランドでの焚火。
両写真とも1969年卒業アバムより。

お目当てはフォークダンスのひとつにあった「第三の男」。

マイムマイムやコロプチカなどは、ただ、ワイワイしているし、その上、好きな人が来たと思ったら、ただすれ違うか、最悪、直前で逆回りして、純粋な高校男子を不幸にするシーンが多かったけど、「第三の男」にはそういうのが少なかった。

また、「第三の男」には背中合わせのシーンがあった。不思議なもので、コロプチカのように両手を取り合っている時よりも、背中合わせの方が、より胸が高まった。手の届かない、はかない恋のような雰囲気があった。

練習でもキャンプファイアでも気になる女子とは踊れなかったが、いまだ気になっているのは、あの振り付けが「全国区だったのだろうか」ということ。それとも、北海道片田舎のオリジナル? どちらにしても素敵な振り付けだった。


「第三の男」の曲は、背中合わせの恋心を思い出させる。

(まこと)



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