テープレコーダー
■初めて聞く自分の声
小学3,4年の担任は海津良知先生でした。その海津先生が、確か4年の音楽の授業に重そうな電気製品を持ってきました。
「これはテープレコーダーと言う機械です。これに音を入れることができて、それを聞くこともできます」というような説明をされました。始めてみるテープレコーダー。メーカーはコロンビアだった気がします。
テープレコーダーのカバーを開けると先生は、「自分の声を聞いてみたい人はいないか?」と尋ねられましたが、返事する者はいませんでした。
すると、「じゃあ、神元君、そして女子は服部さんが歌ってごらん」と二人が指名されました。僕が歌った歌も服部さんが歌った歌も、うっすら思い出せそうな所まで来ていますが、あと一歩で思い出せません。でも、服部さんは声楽家のような歌い方をして、とても上手だったことは良く覚えています。
二人が歌い終わると先生はテープを再生しました。初めて聞く自分の声。「変な声に録音されるんだなー」と思いましたが、次に、服部さんの歌が流れると、綺麗な声のままで、それにも驚きました。
「自分の声は自分が思っている声とは違う」ことを知った瞬間でした。
■放送劇
当時、放送委員もやっていました。放送室に入ると左奥に、丈夫な段ボルーで出来たドラム缶の形をしたものが二つ三つ置かれていました。中身は脱脂粉乳です。
放送委員の仕事は、大したものがなかった気がします。何しろ、一番記憶にあるのが「下校のお知らせ」位なのですから。下校の時間が来ると放送室でマイクをオンにして、チャイムを鳴らします。
♪ピンポンパンポーン♪
全校の皆さん、もう下校の時間となりました。
早くお家に帰りましょう。
そしてまた明日も、元気に登校しましょう。
♪ピンポンパンポーン♪
そんな、平凡な仕事ばかりだったある日、確か海津先生だったと思うのですが、「今度、放送劇をやろう」と言いました。放送劇を吹き込んで北海道のコンテストに応募するのです。そうした考えが出たのも、小学校にテープレコーダーが入ったからでしょう。
残念ながらコンテストの結果は参加賞のようなものでした。放送劇の内容も効果音を入れたかどうかも思い出せませんが、男女4人くらいで、台本片手に行った放送劇の練習は、新鮮で楽しかったです。
■東芝のテープレコーダー
高校の時、どういう訳か家庭教師を2軒していた時期があり、頂いたお金でテープレコーダーを買いました。それは東芝の製品で、当時、民生用で初めて出た画期的な「縦型」タイプでした。
モデル名は忘れましたが、気に入った機能がふたつありました。
ひとつは、テープの切り貼り出来る場所があったこと。そこにテープをセットして、テープを斜めに切ることができました。また、その場所で、斜めに切ったテープ同士を正確につなぐこともできました。
もう一つは、別売のセンシングテープ。再生でストップしたい場所にそのセンシングテープを貼ると、テープレコーダーの再生中、その場所にくると「ガシャ!」と再生がストップする仕組みでした。
気に入った製品に出会うと、そのメーカーが大好きになります。
(まこと)
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