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現地生活費

吉岡逸夫 『青年海外協力隊の正体』 三省堂 1998年 p.116
「(青年海外協力隊は)JICAから送られてくる海外手当てを極力抑えることによって、現地の人の生活レベルに近付けようとしている。」
 
青年海外協力隊はボランティアといわれていても、生活費が支給される。僕が派遣されていた南米・ボリビアでの現地生活費は当時365ドル。現在はもちろん値上がりしていると思うが、いくらになっているのかは分からない。
 
僕の場合、この現地生活費で十分生活することができた。田舎に派遣された隊員は金を使うことがなく、使いきれずに貯金していて、帰国時にその分を持って帰り、日本での生活費に充てたいう話も聞いたことがある。逆に都会に派遣された隊員は、この現地生活費では足りないと文句を言う人もいた。都会は物価が高いこともあるが、金さえあれば何でもできるからである。都会は途上国であっても物が溢れているし、日本食レストランもあり、誘惑も多い。
 
この現地生活費、住居費(家賃)と医療費は別。家賃と医療費は全額JICAが面倒を見てくれる。そのため、現地生活費は食費、光熱水費、日常用品など本当の生活費。そういうところでは恵まれているボランティアである。
 
「海外手当てを極力抑えることによって、現地の人の生活レベルに近付けようとしている」
というが、青年海外協力隊員は現地の人よりもかなり生活水準は高い、いい生活をしている。
 
このJICAのシステムを知らない現地の同僚から「あなたはボランティアだから」とたまに軽食や飲み物をおごってもらっていた僕は、何者だったのだろうか・・・

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