他人ごとではないルワンダ虐殺と扇動ラジオ放送

NHK「なぜ隣人を殺したか〜ルワンダ虐殺と煽動ラジオ放送〜」を観た。

1994年アフリカ・ルワンダで、3ヶ月間に多数派のフツが少数派のツチを殺害した大量虐殺事件。ラジオ局「千の丘」からはツチの殺害を促すかのような番組が盛んに放送されていた。番組は拘束される13万人の虐殺加担容疑者の中から初めて釈放される青年の帰郷を追う。

NHK
ゴキブリどもを血祭りにあげよう

支配、被支配の逆転。多数派、少数派問題。政府はフツ、ツチと身分証明書に民族名を記載することを徹底した。テレビ・新聞がなく唯一のメディアであるラジオは、ゴキブリどもを血祭りにあげようと扇動した。

私はこの番組を観て「コロナ禍」のことをどうしても思い出してしまう。
なぜなら、ツイッター(当時)でコロナワクチン非接種者を「ゴキブリ」と呼んだ人がいたからだ(医師)。

さらに反ワクチンはコロナに感染して死ぬと言われた(医師)。あるいは藁人形を使い反ワクチンは死ねと言われた(医師)。





その他にもフリーライダー、公衆衛生の敵と言われ、非接種者差別が普通に行われていた。当時はコロナワクチンを打たないと言うとキチガイ扱いされた。作家の小池真理子は日経新聞に「世の中が一方向に傾くとき」というタイトルでこう書いた。長いが引用する。

医療機関以外の場所で、マスクをつけている人が格段に少なくなった。仲間うちでも、めったに新型コロナの話題は出ない。何が起こったのか、何が正しくて、何が間違っていたのか、判然としないままに時が流れた。すべてがうやむやになり、過去のものとして封印されてしまったようにも感じられる。
私は一度もコロナワクチンを接種していない。がん治療を続けていた夫が力尽きたのは、コロナパンデミックが起こる直前だったが、彼の身体に起こったことをつぶさに見てきたから、というのが接種を拒否した最大の理由である。夫は通常の抗がん剤ではなく、承認されたばかりの免疫治療薬を使った治療を受けていた。免疫細胞に直接働きかけ、自力でがんを縮小していく、という画期的な新薬である。
即座にすばらしい効果が表れたが、一方では思ってもみなかった多彩な副作用が出現し、止まらなくなった。生体に本来、備わっている優れた免疫機能を故意にいじることは恐ろしい、と何度か感じた。
今回のワクチンを本能的に遠ざけたのはそのためである。科学的根拠ではない、自分の直感に従ったまでだ。しかし、周囲の理解は全く得られなかった。親しい人々は真顔で呆(あき)れ、真剣に忠告してきた。到底、理解できないと言われた。変人扱いされた。
世界大戦が始まる時のように、いきなり世の中が全体主義に傾いてしまったように感じられた。強い恐怖を覚えた。
ファシズムは、私たちの日常の中からこそ芽生えると言われている。あの時期、私が感じ続けていたのも、まさにそれだった。

日本経済新聞2024年6月14日

そう、あの時、非接種者が感じていたのはまぎれもなくファシズムだった(マスクもそう)。


時は流れ今現在。名前をⅩに変えた旧ツイッターではコロナワクチン接種者に対し「DNAが汚染された人たち」とか「シェディング(伝播)を巻き起こす」と言う人たちがいる。

自己増殖型のレプリコンワクチンが始まれば更にシェディング被害は甚大なものとなり、日本は第3の原爆を落とされるに等しいものになると言う人もいる。日本は海外に渡航できず封鎖される。バイオハザード、コロナワクチン接種者を「ゾンビ」という人も現れた。

シェディング被害を恐れ、ある医師はレプリコンワクチンを接種した人は診療をお断りするとのメッセージを出した。そういう断り書きを出すホットペッパーに登録している美容院や整体院も増えてきているらしい(さっき見た。『正しい知識 拡散!』と書いていた)。

私は科学的知識は皆無なので、これらが本当のことなのかどうかは正確に判断はできない。ただ、こういうことを言う人たちの投稿を見て怖いとは感じる。不安と恐怖心を煽り、それに同調する人たちが増え一方を差別する構造が、まんまワクチンやマスク圧が強かった時と同じだからだ。

「反ワクチンはゴキブリ」が、反ワクチンのインフルエンサー(いろいろと問題あり)に煽られ「コロナワクチン接種者はゴキブリ(あるいはゾンビ)」に変わる。

そのとき、非接種者の少数派として差別を受けて恨みを感じていた側が、今度は接種者を差別し攻撃に転じる。彼、彼女らにそそのかされて先鋭化した人たちが何か事件を起こさなければいいがなとも思う。

人は弱い。虐げられた少数派が、立場が逆転すれば今度は虐げる側に回る。そのとき多数派にいた安心感から少数派を差別していた人たちは、立場が逆転すれば今度は逆襲され差別をされ攻撃される側になるのだよ(だから差別しなさんな)。

同調圧力の強い日本では、寄らば大樹の陰とか長い物には巻かれろという言葉があって、多数派に属したいという気持ちが強い人が多いから余計そう思う。

ルワンダの虐殺(80万人が殺された)は決して他人ごとではないと思った。

ちなみに、ここでも慎重派は少数派だ。もちろん、私はこちら側にいるけど。タハハ。



と、あえてこちらに、しかもこんなに長く読みにくくして書くのは批判を恐れてのこと。シェディングはあるに決まってるだろーから逃げるため。はい、ヘタレどす。

ま、もともと読まれないし、その上ここまで長けりゃ誰も読まないだろう。日記や。


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