ハカセとアタシ 後日譚 うつうつ是好日

ハカセは建築士であった

某動物園の設計もしていた

しかし、
「やり甲斐」
の仕事よりも
「生きがい」
の仕事がしたくて、
個人住宅の世界に入った

わかる

あたしは自分が必要だと、認められる存在でいたかった
だから、仕事には、心血を注いだ
お荷物になるのはいやだったから
それはやりがいでもあり、承認欲求であったのだろう

家族にも、子どもの時からも諦められてきた
あんたはねぇ〜


ハカセ、ごめんなさい
あたしはあなたを傷つけたくなかった

生きがい

そんな素晴らしい生き方を選択できる、
あなたを傷つけたくなかった
だから、あなたに対しては迷惑になりたくなかった
あたしはモンスターだから

あなたがどんな思いでここまで生きてきたのか
知ってるから

あなたのお父さんが亡くなった時、
これまで散々憎んでいた父の死を前にして
涙がとまらなかった、と

人間の感情には大きな振り幅がある

殺したいほど憎んだ人でも、それでも愛して欲しかった、と、泣くのだ


彼が生きがいの中で生きていてくれるのなら
うれしい
望みはたったひとつ、



最後まで読んでくれてありがとうございますペコ

またお会い出来れば

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