見出し画像

ジ叙伝 (痔骨神経痛の人)

前記事、「偉人伝異聞」の続きです。元ブログに2016年07月17日に書いて載せたものを一部修正しております。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

先月、夫が
「まさかの痔」
で呻吟しつつ、恐怖におののきつつ、わななきつつ、悲壮な決意と覚悟も決まらぬうちに痛みと不安に耐え切れず、この山姥妻にケツを叩かれるかのようにして(実際叩いてませんよ、ワタシ優しいから)病院へ行った騒ぎについては書いた。

あの後快方へと向かったかというとそうではない。


このところ現場が遠く、長時間の運転や、誰かの運転の時は長時間座りっぱなし、そうでなくても早朝に起きてパソコンに向かい何をしているかと思えば、
「平和のためにゾンビと戦う」

(それも甚だいかがなものかと思うのだが)、椅子に座っているのでだんだん辛くなり
「ダメだ・・・」
と肩を落としワタシに訴えるのである。

「痔」
のほうは、医者の診立てだと
「ひどいのが5とすると、アナタのは0.5」
と言われたそうで、処方された坐薬も
「もったいないからそんなに使わなくても大丈夫」
と言われたのだそうだが、
「もう二度とあんな思いはしたくない」
と、清潔を心がけ、規則正しい排便の後、必ずシャワーで洗うということを繰り返していた。

なのに
「ダメだ・・・」


なにがダメなのか聞くと
「違和感」
「尾骶骨が痛い」
「左側が痛い」
「しびれもある」


悲しそうに訴えるのだ。
ドーナツ座布団では
「どうもうまくない」
と言い、車のシートに
「低反発ヒップケアクッション」
を装備したりと、相変わらず医者嫌いでモノに頼りたがるのはけしからん。

ワタシは特段驚きもせず、あっさりと
「アナタ、それは痔ぢゃなくて、坐骨神経痛だわよ」
と診断する。
「昨今の業務で、これまでになかった座りっぱなしの状態がよくない、普段の仕事にしても、どうしても腰から下に負担がかかるような大変なことばっかりだし」

ワタシもかつては坐骨神経痛で日々不快な思いをしていたが、アレは職業病である。
座っての事務仕事、長年のことだ。
加えて端末を操作しながらである。

ワタシは右利きなので右に負担がかかる。
オシリの右側が不快で、やがてシビレも感じ、爪先まで実に
「痛くて不快で、無視しようにも意識してしまう」

痛い思いをしているのに、整形外科などに行くと
「死ぬほど待たされ」
「帰るころにはさらに痛くなったりする始末」

にもかかわらず、痛み止めと湿布くらいしか処方されないということが容易に想像できるので、元体操部のワタシとしては

「結局ね、あそこ痛いここ痛いのは、年取ってくるとほとんど血行が悪くなるから」
とストレッチをして一日で治した。

「一日で」
というのはワタシだからできたことである、
善男善女は
「一日」
に騙されてはなりません。
「一日で治るほどのつらいストレッチをした」
ということである。そんな都合のいい話はない、ワタシはオノレに厳しいのだ。

「だからね、アナタもストレッチしなさいよ」


オットを叱咤激励してストレッチさせる。ワタシの指導は厳しい。
「膝、曲げないで!!」
「爪先を伸ばーす」
「ダメダメ、ここ、ピンとするー」

しかし優しいワタシはマッサージもしてやる

バンテリンを塗布しつつ、痛みのあるところをほぐしてやる。

ここ数日夫は言わなくとも朝晩ストレッチをするようになった。
ドヤ顔になっている。
見ると、膝も伸び、姿勢もよく、爪先も伸びている。

男子体操の決めポーズまでやっている。(写真は内村選手です、こんなにカッコよくありませんし開脚もできてません)

レジェンド 内村航平




快癒に至るであろうと思われるのだが、この男は今朝こう言っていた。

「この俺様が、痔なんてことはやっぱりなかったんだ」

病気に優劣をつけたがる。

「痔は過去にもあったじゃん、芋食べすぎて・・・」

「あれは怪我だ」

前の記事に心配してコメントをくれ、さらにカミングアウトまでしてくれた方々に申し訳ないと思わないのだろうか。
調子が良くなるとすぐそれである。
彼の場合、坐骨神経痛というより
「ジ骨神経痛」
で間違いなし!!


注・ジ骨神経痛などという病名はありません、念のため

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?